2019年12月05日 (木)

30年前から...プーチン大統領 怒りのワケ

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2019年12月1日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの鈴木ちなみさん、国際部の石川慎介デスクです。

 

「東京の阿佐ヶ谷にやって来たぞ!紅葉がきれいだな~。」

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Mr.シップと伸さんが訪れたのは、ロシア雑貨のお店。

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「おい伸さん!これ、ロシアのプーチン大統領じゃねえか?」

 

このロシアのプーチン大統領が、いま、アメリカに、とても怒っているようなんです。

そのわけは、30年前の12月3日の出来事にあります。

いったい何があったのか、プーチン大統領のいまを国際部ロシア担当、石川慎介デスクが解説しました。

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30年前の12月3日の出来事を語る上で欠かせないのが「冷戦」です。

第2次世界大戦の直後から、40年以上に渡って続いていました。

冷戦はアメリカ中心のグループと、かつてのソビエト、いまのロシア中心のグループの2つに世界が分かれて起きた対立です。

当時、アメリカとソビエトは、核兵器を次々に開発し、核戦争の恐怖が広がっていました。

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その後、1989年12月3日に会談が行われ「冷戦」が終わりました。

 

しかし、30年がたち「新冷戦」時代に突入したと言われています。

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去年、プーチン大統領がみずからロシア軍の次世代兵器を紹介していました。

実は、その紹介映像のCGの中で、核弾頭を搭載したミサイルが向かった先が、アメリカのフロリダ半島にそっくりな地形だったのです。

フロリダには、トランプ大統領の別荘があるんです。

 

プーチン大統領が強める、アメリカへの対決姿勢。

その意味で、いま「新冷戦」時代だと言われています。

 

プーチン大統領はなぜ、アメリカに対して怒っているのでしょうか。

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怒ったプーチン大統領が入ってきました。

 

まず1つめのプーチン大統領の「怒り」は「約束を守れ!」。

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こちらは冷戦が終結したときのアメリカ中心のグループと、ソビエト中心のグループの勢力図です。

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冷戦終結を宣言した会談のあと、アメリカは「ソビエトのグループを仲間に入れない」、つまり「拡大しない」という約束をしたとされています。

 

冷戦が終わるとソビエト中心のグループはバラバラになり、ソビエトも崩壊しました。

すると、アメリカはみずからが率いる軍事同盟にソビエトの仲間だった国々を、次々に引き込みました。

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アメリカ側のグループは「そんな約束はしていない」と言っていますが、プーチン大統領としては“アメリカの脅威がロシアまで迫ってきている”という意識です。

 

さらに「怒り」の理由2つめは「“弟”を取るな!」です。

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“弟”というのは、ウクライナのことです。

プーチン大統領が「兄弟国家」と言うほど、ロシアにとって特別な国なんです。

その「ウクライナ」でも、5年前に政変が起きてアメリカ寄りの政権が発足しました。

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プーチン大統領は「アメリカが後ろで糸を引いたからだ」と主張しています。

そのため「国を守らなければならない」という思いを強くしているんです。

その思いの原点には、冷戦時代の、みずからの経験があるんです。

 

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[プーチン大統領の冷戦時代の経験を、オレが説明するヨーソロー]

 

ソビエト率いる東側とアメリカ率いる西側が世界を巻き込み争っていた東西冷戦の終わりごろ、プーチン大統領は、東ドイツでスパイ活動をしていました。

そのときベルリンの壁が崩壊。

東側の国がなくなっていくのを目の当たりにしたプーチン大統領は「このままではわが国も…。今こそ国を守ろう」と、思いを強くしました。

 

 

プーチン大統領がアメリカに怒る理由は、まだあります。

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「口出しするな!」です。

 

7年前の映像を見てみると…

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苦戦を強いられた大統領選で、勝利が決まった直後のプーチン大統領が涙を流しています。

本人は「冷たい風で目がしみた」と否定しています。

石川デスクは何度もプーチン大統領を取材しましたが、いつも目が笑っていない印象だったので、このときの大統領の涙には驚いたそうです。

 

この大統領選では、かつてないほどプーチン大統領への批判が高まりました。

実は、当時アメリカが、反プーチン勢力を支援して勢いが増していたのです。

プーチン大統領は、苦戦の原因を作ったのはアメリカだったと思っています。

政権を転覆させられるのではないかという危機感すら抱いたと思います。

だから当選したときに涙が出たのかもしれません。

 

アメリカへの対抗意識を強めるプーチン大統領の姿勢を、ロシアの人たちははどう感じているのか取材しました。

 

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「アメリカは、ロシアを支配しようとしている」。

「アメリカは破壊的で明らかに間違っている政策を続けている」。

プーチン大統領や政権は国営テレビなどを使ってアメリカ批判を展開し、国民の反米感情をあおっています。

 

アメリカへの不信感は、国民の間にも広がっています。

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「アメリカはいつだって敵だ。これからも変わらない」。

プーチン大統領と同様に、冷戦の終結後、ロシアは屈辱的な道のりをたどったととらえる声が根強いのが現状です。

冷戦当時、軍に所属していた男性は、冷戦後のロシアはアメリカに対して弱腰だったと考えています。

「プーチン以前の大統領がアメリカの前にひざまずいて、負けを認めるような姿勢を見せてしまい、経済も軍事力も崩壊してしまった」。

 

こうした状況を一変させたのがプーチン大統領だといいます。

低迷する国内経済を立て直し、外交でも欧米諸国への対抗姿勢を強め「強いロシア」を復活させたと評価しています。

「プーチンは非常に力のある外交官です。彼が外交で負けたことを私は知りません。彼は言葉だけでなく、きちんと実行します。これが私が彼を評価する点です」。

 

ロシア外交の専門家は、アメリカとの緊張関係は今後も続くと指摘します。

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「アメリカとの関係は停滞というより、深刻な崩壊状態にあります。かつての冷戦よりもっと冷たい戦争が始まっているのです」。

 

 

冷戦が終わって、私たちにとっては「平和な時代が来た」と前向きでしたが、ロシアにとっては、むしろ屈辱の歴史の始まりだったんです。

 

そんなロシアが、アメリカに対して具体的にどんなことを行っているかというと「新型兵器」の開発です。

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ロシアは、とんでもなく速い核ミサイルや、探知の難しい核魚雷などの開発を進めています。

さらに、中国との関係を深め、タッグを組んでアメリカに対抗しようとしています。

このほかにも世界各地で、アメリカと対立する国を支援しています。

プーチン大統領のアメリカに対する強硬な姿勢は、当面、変わらないとみられています。

 

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「核の恐怖再び」。

冷戦が終わり、ロシアとアメリカの間には、核兵器を減らしていこうという動きがあったんですが、これが大きな転機を迎えています。

このまま軍拡競争がエスカレートすれば、再び核戦争の恐怖におびえることになるのではないか、世界ではそんな懸念が高まっています。

 

     

 

【この日の時間割】

1.30年前から…プーチン大統領 怒りのワケ

2.さらに悪化? アメリカvs中国

3.オーストラリア 新開発ラム肉のヒミツ

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年12月8日のゲストは、小林綾子さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:14:51


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