2019年08月01日 (木)

南シナ海は誰のモノ? 中国にフィリピンが反発

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2019年7月28日の出演者のみなさんです。

左から、坂下千里子さん、永井伸一キャスター、国際部の清水一臣デスク、Mr.シップ、ゲストの宮川一朗太さんです。

 

「暑いヨーソロー。こんな時はバナナジュースで元気になるヨーソロー。」

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日本にやってくるバナナの8割以上が、フィリピン産。

そのフィリピンの人たちが今、中国に怒っているんです。

 

国際部アジア担当の清水一臣デスクが解説しました。

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フィリピンのドゥテルテ大統領、中国に対し厳しい姿勢を示すようになっています。

その原因が、南シナ海です。

こちらを使って説明していきます。

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南シナ海は、日本のさらに南にあり、中国とベトナム、フィリピン、インドネシアなどの東南アジアの国々に囲まれた海です。

しかし、中国はこちらの線で囲まれた内側の海や島はすべて自分たちのものだと主張しているんです。

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フィリピンなど周辺の国々は中国の主張に反発しています。

そして、フィリピンもこの辺の海は自分たちのものだと主張しているんです。

 

その南シナ海で、衝撃的なニュースが入ってきました。

中国が弾道ミサイル6発を南シナ海に向けて発射したんです。

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これは、新型ミサイルの発射実験だと見られていて、フィリピンはこうした中国の主張や行動に対して警戒感を強めています。

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中国は、この離れた海「南シナ海」を全部自分たちのものだと主張しています。

 

さらに中国の海南島にはこんな博物館があります。  

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南シナ海の昔の地図や沈没船から引き上げられたとする陶器などが展示されています。

博物館では2000年あまり前から中国人が南シナ海で活動していたと主張しています。

日本円で150億円以上もかけて施設を作り、南シナ海は昔から中国のものだとアピールを強めているんです。

 

そんな中、その姿勢が注目されているのがフィリピンのドゥテルテ大統領です。

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実は、ドゥテルテ大統領はこれまで中国を批判していませんでした。

なぜなら、中国と「ある取り引き」をしていたんです。

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[フィリピンのドゥテルテ大統領、南シナ海について中国と“ある取り引き”をしてたんだヨーソロー]

 

裁判でフィリピンの主張が国際的に認められましたが、ドゥテルテ大統領としては南シナ海の問題で対立を深めるよりも「いまは経済成長が大事だ、支援を引き出したほうが得だ」という考えがあり、中国から2兆5000億円もの経済支援を約束してもらったんです。

 

しかし、最近、中国への姿勢が厳しくなっています。

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「中国出て行け!」。

「フィリピンは私たちのものだ!」。

フィリピンで相次ぐ、中国への抗議デモ。

きっかけは先月、南シナ海で起きた、中国とフィリピンの漁船の衝突です。

フィリピン漁船の乗組員が海に投げ出されたのに、中国の漁船は救助せずに立ち去りました。

これで、フィリピンの人たちの怒りに火が付きました。

非難の矛先は、中国寄りの政策を進めるドゥテルテ大統領にも向けられています。

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「ドゥテルテ大統領は(帝国主義的な)中国に従う子犬のようだ。フィリピンの国民を裏切っている」。

中国の支援で作られている橋の工事は、1年経った今も1割程度しか進んでいません。

そして、合意したはずの2兆円を超える経済支援もほとんど実行されていません。

 

さらに、中国寄りの政策が原因で、生活に困る人も出ています。

街なかで目につくのは、中国人向けのレストランやスーパー。

ドゥテルテ政権は、中国人がフィリピンで働く許可を受けやすくしました。

その影響で、中国人が急増したのです。

そのため、フィリピンの人々のなかには、仕事を失った人や、家の立ち退きを迫られた人もいます。

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「ここはまるで、『中国のフィリピン省』みたい」。

 

フィリピンの多くの若者も中国のふるまいを見過ごす政府に怒りを感じています。

「中国を優遇して、フィリピン人が差別されるべきではない」。

「すでに中国人が多すぎて危機的状況だわ」。

「中国に対する政府の政策に失望しています。フィリピンの将来を中国の支配から守らなくてはいけません」。

「南シナ海を差し出した上に、何の見返りも得られていない」。

いまドゥテルテ大統領に対し、国民から厳しい目が向けられています。

 

 

中国がなぜそこまでして南シナ海にこだわるのか?

南シナ海には、石油や天然ガスなどの海底資源が豊富にあると言われているんです。

さらに、中国や日本など多くの国の船が行き交う重要な海の交通路なんです。

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ただそれ以上に中国がこだわる大きな理由があります。

それが国防です。

フィリピンの東側にはグアムがあり、アメリカ軍の基地があります。  

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沖縄などにもアメリカ軍の基地がありますが、実は中国は国防上重視している線があるんです。

それがこの線。

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アメリカに攻め込まれないように、日本から南シナ海にかけてのこの線の内側にアメリカ軍が入れないようにしたいんです。

南シナ海を支配するために中国は軍事拠点を作っています。

南シナ海にある浅瀬を埋め立てて、滑走路やレーダー施設などを作っているんです。

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さらに冒頭でお伝えした中国のミサイル発射がありましたよね。

このミサイル、新型で、狙われたら打ち落とすのが難しく、アメリカへの強いけん制だと見られています。

 

ただ、アメリカとしても中国が南シナ海でこれ以上やりたい放題にさせるわけにはいきません。

トランプ政権も一歩も退かない考えです。

特に新型のミサイルには危機感を強めて、対抗していこうとしていて米中の対立はさらに深まっています。

そのなかでフィリピンのドゥテルテ大統領も最近、こんな発言をしています。

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「アメリカが中国の前に艦隊を送るならそれに加わる」。

 

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今回のキーワードは「待ったなし」。

ミサイル発射で米中の緊張が一段と高まったのは間違いありません。

日本の船も南シナ海を多く行き交っているだけに、決して他人事ではありません。

「争いの海」とも言える南シナ海を「平和な海」にするため、有効な手立てを見つけることが出来るのか、まさに「待ったなし」の状況です。

 

 

 

【この日の時間割】

1. 南シナ海は誰のモノ? 中国にフィリピンが反発

2. イギリスとも対立イラン 「ウラン濃縮●%」に注目

3. 日本人の若者がケニアへ アフリカ農業に流通を

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年8月4日のゲストは、高橋真麻さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:16:01


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