2019年07月25日 (木)

貿易戦争だけじゃない!? 世界経済ピンチの理由

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2019年7月21日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの濱田龍臣さん、国際部の田中健太郎デスクです。

 

きょうのテーマはずばり、「世界経済」です。

いま「世界経済」が心配な状況なんです。

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国際部・経済担当の田中健太郎デスクが解説しました。

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中国やアメリカ、それに日本やヨーロッパ、世界中で景気の雲行きがあやしくなっています。

 

こちらのセットで解説していきます。

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砂浜には中国の習近平国家主席と、アメリカのトランプ大統領が日光浴しています。

トランプさんの方は晴れていますが、習さんの頭上には雲が広がっていますね。

 

まず中国ですが、先週発表された最新の経済成長率が「リーマンショック」の影響を受けたときを下回るほど悪かったんです。

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11年前の2008年に、リーマン・ブラザーズというアメリカの大きな証券会社が破綻しました。

深刻な不況になって家を手放す人が相次いで、アメリカでは住宅価格が暴落しました。

影響は世界中に広がり、多くの人が仕事を失いました。

日本でも、仕事を失う人が続出し、炊き出しにも長い列ができました。

アメリカの不況が日本にも影響したんですね。

 

しかし、なぜ中国経済がリーマンショックの影響をうけた時よりも悪くなっているのでしょう。

1つはアメリカとの貿易戦争ですが、もう1つがこちら。

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「借金問題」です。

これが実は大きな大きな問題なんです。

そもそもこの「借金問題」は先ほどの「リーマンショック」の時までさかのぼります。

この「海の家」を中国の企業だと思って下さい。

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「リーマンショック」のとき、中国も景気がとても悪くなりました。

そこで中国政府はどうしたかというと、たくさんの「海の家」を作りました。

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その「海の家」に「どんどん借金してもいいから営業して」と言ったんです。

働く従業員が増えて、モノを買うから景気もよくなりました。

しかし、その後、中国政府は「借金が増えすぎたから借金するのはもうやめましょう」と言い出したんです。

すると、経営できなくなる「海の家」が出てきて仕事を失う人も出てきました。

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これを現実の世界に戻すと、自動車とかモノが売れなくなったりして景気が悪くなってきたということなんです。

いまや、中国は、日本やヨーロッパからもあまりモノを買わないということになってしまいました。

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日本もヨーロッパも、中国の影響をまともに受けてしまっているんです。

中国経済、厳しい面が現れてきているんですが、中国の若者達は、それを肌で感じているようです。

 

いま、中国の若者たちの間では、喪失感や自虐的な感情など自分たちの内面を表す言葉「喪」という文字が流行しています。

喪失感など“ネガティブな感情を表現することはカッコいい”という新たな価値観を持つ若者たちが増えているのです。

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こちらは、ネガティブな感情を音楽に込めて活動している大学生の張さんです。

自虐的な歌詞が人気を集めています。

張さんは北京中心部の住宅街に自宅があり、祖父と母親と弟の4人家族です。

母親が家計を支えていますが、生活は苦しいと言います。

「中国でお金を稼ぐなんて難しいよ、この時代に生まれたからこうなったと思う」。

 

張さんは中国の急速な経済成長をみてきました。

自分も豊かになれると信じて、激しい受験競争をくぐり抜けてきましたが、経済が減速する中で、自分たちの世代は、これまでの世代ほど簡単に、豊かにはなっていかないと感じています。

「いい仕事に就いても、結局、中国ではお金を稼げないよね」。

「金持ちの子は一生金持ちだけど、貧乏の子は一生貧乏だよ」。

 

張さんは、どうすることもできない「あきらめ」や「無力感」を歌詞に込めています。

ライブには、同じ世代の若者達がつめかけ、張さんの歌に自らを重ね合わせていました。

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「私自身がネガティブなので、彼の曲を聴くと、魂が癒やされることが多いです」。

「彼らの歌は、現代社会で傷ついた若者たちのネガティブで廃れた生活を代弁していると思います」。

 

急速な経済成長に陰りが見える中国。

明るい未来を描けない若者たちに現実が重くのしかかっています。

 

 

ここまで中国をみてきましたが、アメリカの方は太陽が降り注いでいますね。

アメリカは「いいニュース」が多いんです。

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株価は最高値、失業率も50年で最低です。

しかし、中国の景気が悪くなっているので、中国と取り引きのあるアメリカの企業が工場の建設を控えるなど「悪い」動きも出てきています。

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つまり中国を覆うこの雲がアメリカにもかかり始めているんです。

こうした不安を払おうと、アメリカは、あることを10年半ぶりにやろうとしているんです。

それがこちら。

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「利下げ」です。

「利下げ」を行って、中国から伸びる雲を、アメリカにかからないようにしようとしているんです。

 

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経済の話でよく聞く「利下げ」ってのが何なのかオレが説明しヨーソロー

 

「利下げ」とは利子を下げることです。

そのため、金融機関からお金が借りやすくなり、住宅ローンや車のローンなどが組みやすくなります。

つまり、「利下げ」をすると景気が良くなるんです。

 

しかし、「利下げ」は、ここぞというときにやるものです。

今回のように景気が悪くないなかでアメリカが「利下げ」を行おうとしていることにはリスクもあるんです。

それが「バブル」です。

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かつての日本も「バブル」が崩壊し、長い不況になりました。

景気がいいのに、みんながお金を使うと、家の値段が異常に上がるなど「バブル」になる心配があります。

 

この「利下げ」を行うかどうかは今月末に決まる予定です。

まとめはこちら。

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「景気を良くする薬は」

中国はいま、莫大な「借金」を抱えながらも、景気を良くするため、実は、再び「借金」を増やそうと考えています。

一方アメリカは、株価が最高値を続ける中でも「利下げ」に踏み切ろうとしています。

いずれも景気に対する「薬」なんですが、飲む量やタイミングを誤れば、逆に、健康を損なうおそれもあります。

暗雲たれこめる世界経済は、「薬」によって、雲が晴れるのか、副作用によってさらに雲が広がるのか。

その効き目に注目すると、景気の行方を見極める手がかりが得られそうです。

 

 

 

【この日の時間割】

1. 貿易戦争だけじゃない!? 世界経済ピンチの理由

2. なぜ?NATOのトルコにロシアのミサイル

3. 治安悪化のブラジル 銃規制緩和 の波紋

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年7月28日のゲストは、初登場!宮川一朗太さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:16:07


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