2019年03月27日 (水)

1.イギリスEU離脱 2.タイ総選挙

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2019年3月24日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの堀田茜さん、国際部清水一臣デスクです。

 

1時間目は、イギリスのEU離脱の最新情報についてお伝えしました。

2時間目は、タイの総選挙について、国際部清水一臣デスクが解説しました。

 

EU離脱の日を3月29日から6月30日に延期してほしいとEUに頼んできたイギリスですが、

延期の条件になるメイ首相の「離脱協定案」が、まだ議会で承認されていません。

そこへ、先週末に行われたEU首脳会議で、EU側から2つの選択肢を突きつけられました。

 

・イギリス議会が「離脱協定案」を承認した場合、5月22日まで離脱を延期。

・イギリス議会が「離脱協定案」を否決した場合、4月12日まで離脱を延期。

 

2つの日付には、EUの議会選挙が関連しているんです。

この議会選挙の日が、5月23日から始まります。

つまり「離脱協定案」が承認されたら、選挙前の5月22日に離脱するようにということです。

そして、4月12日はこの議会選挙の参加手続きの期限です。

「離脱協定案」が承認できないなら、EU議会選挙に加わるかどうかも含め、ここまでに結論を出せという意味です。

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もし否決となったら、イギリスは4月12日までに別の方針を決めなければならないが、メイ首相は、EU残留は明確に否定し、あくまで離脱を成し遂げることが政治の責任だと強調しています。

EU離脱の延期を認めたとはいえ「離脱協定案」が承認されなければ「合意なき離脱」の可能性があるという状況は何も変わっていません。

 

 

2時間目は、料理や遺跡でおなじみのタイのいまを解説しました。

タイの政治は軍が主導していて、軍が大きな権力を持っています。

そのタイで、この日(3月24日)、8年ぶりの総選挙が行われているんです。

タイにとって重要な選挙になりそうなんです。

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投票を終えた人に聞くと「ようやく自分たちでタイの将来を選択できるのでうれしい」などと話していました。

 

今回の選挙がどのくらい大事なのか、国際部アジア担当・清水一臣デスクが解説しました。

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今回の選挙は、タイの議会の議員を選ぶ総選挙です。

 

タイおなじみのゾウと屋台で、今回の総選挙を表してみました。

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黄色いシャツを着たゾウが「黄シャツ派」という勢力です。

支持する人たちの多くは、バンコクなどの都市部に住む、エリートや大企業の社長といったお金持ち層で、タイの社会を長年にわたって抑えてきた支配者層です。

 

そして、赤いシャツを着たゾウが「赤シャツ派」という勢力です。

支持する人の多くは地方の農村部に住む貧しい人々です。

実は軍が今のように実権を握る直前まで、この赤シャツ派が政権を担っていました。

 

今回の選挙は、この2つの勢力以外に「軍」も加わり、激しい三つどもえの戦いとなっているんです。

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今のタイの政権を事実上握っている「軍」。

今回の選挙では、自ら政党をつくって参加しているんです。

 

なぜ、軍がタイを牛耳るようになったかというと…

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[民主的だったタイで、どうして軍が政治の主導権を握るようになったのかオレが説明しヨーソロー]

 

クーデター以降、軍は人々の自由と権利を奪ってきました。

中でも目の敵にしているのが「赤シャツ派」です。

なぜなら、この人が関係しているんです。

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2001年から5年にわたり首相を務めた、タクシン元首相です。

「赤シャツ派」の人たちにとって、カリスマ的存在なんです。

タクシン元首相は貧しい農村の人々の収入が増えるように国のお金を使ったり、医療費を安くしてあげたりしました。

その後、対立する「黄シャツ派」に批判されてタイを追われましたが、「赤シャツ派」の人たちにとって、今もタクシン元首相はカリスマなんです。

軍にとって「赤シャツ派」はタクシン氏を後ろ盾に政権を取り返そうとしている厄介な存在で、だからこそ、圧力を強めているんです。

 

一方、お金持ち層の黄シャツ派の方は、豊富な資金をもとに都市部を中心に支持を呼びかけています。

 

結局のところ、今回の選挙はどこが勝つのでしょうか。

現地の小阪田記者の報告によると、「赤シャツ派」の政党が、500議席のうち最も多い180議席を取るとしています。

お金持ちの支持者が多い「黄シャツ派」の政党は、100議席ほど取るとみられています。

一方軍の政党は、100議席ほどに留まりそうです。

つまりどの党も単独では過半数に届かない状況です。

 

しかし、軍にしてみれば、せっかく手にした権力をそうたやすく手放すわけがありません。

今回の選挙が終わったあとの次の首相選びに巧妙なカラクリを仕込ませているんです。

それがこちら。

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タイの議会は500人の「下院」(水色の枠)と250人の「上院」(オレンジ色の枠)にわかれていて、ここまで説明してきた今回の総選挙は水色の枠の下院議員500人を決めるものです。

選挙の後行われる新しい首相選びは、下院議員だけで決めるのではなく、上院議員250人も加えた選挙で決めるんです。

その、上院議員の内訳は…

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250人の上院議員全員が、事実上、軍の息のかかった人たちなんです。

つまり今回の下院の選挙では、軍はたったの4分の1とれば、全体の過半数を超えることになり、自分たちが望む首相を選ぶことができてしまうんです。

 

タイでは民主的な政治とは相反する軍主導の政権が、これからも続いていくのか。

それとも民主主義を取り戻す風穴を開けることができるのでしょうか。

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これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年3月31日のゲストは、岡田結実さんです。

投稿者:芳川隆一 | 投稿時間:22:38


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