2019年03月21日 (木)

1.混乱するベネズエラ 2.イギリスEU離脱延期?

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2019年3月17日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストのベッキーさん、国際部松木昭博です。

 

1時間目は、国民生活が大混乱している南米・ベネズエラについてお伝えしました。

2時間目は、EUからの離脱が延期となったイギリスについて、国際部松木昭博デスクが解説しました。

 

ベネズエラではいま、停電や深刻な物不足が起きていて、街では略奪も起きています。

NHKの取材班がベネズエラに入りました。

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ベネズエラにはいま、2人の大統領がいます。

マドゥーロ氏とグアイド氏です。

マドゥーロ氏は去年の選挙で当選したとしていますが、選挙は突然行われたもので「公正な選挙ではない」と反発が広がっています。

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そうした中、国会議長のグアイド氏が自ら「大統領に就任する」と宣言したんです。

 

政治が混乱していまるベネズエラでは、経済も大変なことになっています。

首都カラカスのパン屋さんでは輸入品の小麦粉が手に入りにくいため、1人1日2個限定での販売です。

特に危機的なのが医薬品です。

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薬局の棚はからっぽ、かぜ薬の値段が去年10月に比べて1600倍になったといいます。

腎臓の病気を患い定期的に薬を服用する必要がある53歳の男性は、ここ20日間、薬が手に入っていません。

今月14日までの1週間で、200人を超える患者が死亡したという話もあります。

 

さらに小宮記者によると、現地では、携帯電話もほとんど通じません。

お店も閉まっていて、モノが買えません。

やっと水が買える場所があったとしても、1リットルのペットボトルの水が1000円以上もするんです。

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ベネズエラではお金の価値が下がりすぎていて、現地の通貨では食料品は買えない状況なんです。

みんなドルのほか、一部の店では仮想通貨を使っていて、国より外国、政府より民間の方が信用されている状態です。

国から出て行く人も続出していて、全人口の1割以上はすでに国外へ出ています。

 

そもそもどうしてこんなことになっているのか、シップが説明しました。

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[ベネズエラがどうして混乱してるのかオレが説明しヨーソロー!]

 

石油がの価格が高い時は、お金をばらまいても何とかなっていたんです。

けれどチャベス前大統領の後継者にマドゥーロ氏がなったあと、石油の価格が急激に下がり国に入るお金が少なくなったんです。

価格が下がったなら石油をもっと掘ってたくさん売ればいいのでは?と思うかもしれませんが、ベネズエラには石油を精製する施設がほとんどありません。

実は精製は、アメリカに頼っていたんです。

でもそのアメリカからは、経済制裁を受けていて、石油を売りたくても売れない状態でした。

 

さらに、石油の代わりになるような産業も育ててきませんでした。

「将来」を見据えた政策を取ってこなかったんです。

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そこで、このままじゃダメだと名乗りでたのが、グアイド氏です。

しかしいま、大統領が2人になっているために政治が混乱。

さらに経済の混乱が広がり大変なことになっています。

なぜなら、名乗り出たグアイド氏をみんなが応援しているというわけでもないんです。

グアイドを支持する人たちの集会も行われていますが、マドゥーロ氏を支持する集会も同じように行われていて、マドゥーロ氏支持も根強いんです。

およそ3割の人は、マドゥーロ氏の政権を支持していると言われています。

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カラカス市内でマドゥーロ氏を支持する家族を訪ねました。

支持する理由のひとつが「手厚い福祉政策」だといいます。

チャベス氏がはじめた年金制度をマドゥーロ大統領が引き継ぎました。

一方、グアイド氏については国内の政治対立を深めたと不信感を抱いているといいます。

 

グアイド氏はアメリカが支援している人なので、反米の意識が強いベネズエラでは、受け入れられにくいとされています。

さらに、アメリカから食糧支援を引き出してくれるだろうという理由だけで支持している人も多く、政策が何なのかわかっていないんです。

 

どちらが大統領になるか決着がつく前に、さらに多くの人が犠牲になるのではと言う懸念が深まっています。このままだと状況は悪くなるばかりです。

 

 

2時間目は、イギリスのEU離脱。

まずは、先週お伝えしたイギリス“運命の週”が一体どうなったのか、見ていきましょう。

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3月12日、メイ首相は、EUから混乱なく離脱するためにまとめた「離脱協定案」について、「これに合意して!」と議会にかけました。

でも結果は、否決。

1月にもこの協定案を否決されているので、2度目の「ダメ出し」でした。

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13日、私の案に合意しないなら経済や市民生活の混乱が予想される「合意なき離脱」になってしまうけどそれでもいいの?と、これも議会にかけました。

みんなも「合意なき離脱」は避けたいので「それは困る」ということになりました。

 

そして14日、もう時間がないということで「離脱の延期」について議会にかけました。

そして当初は3月29日だった離脱の日を、6月30日まで延期することに議会は賛成しました。

ただ、この延期にメイさんは条件を付けています。

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それは「議会が私の協定案で行くと認めれば」離脱を延期すると言う条件です。

でも「私の協定案」で、まだ議会に認めてもらっていませんよね。

そこでメイさんは、もう一回「私の案でいこうね」と議会にかけようとしているんです。

この採決は20日までに行われるとみられていて、まだまだEU離脱延期の結論は出ていないのです。

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離脱の延期について、現地の新聞の見出しには大きく“出来損ない!”と書かれています。

また記事には「国民投票で離脱が決まってから議会は3年近くをムダな論争に費やした」と書いてあります。

ロンドンの市民もいら立っています。

「EUに残りたい人も出たい人も、みんなイライラしている。」

「とにかく混乱している。イギリスは同じ場所をぐるぐるしているだけだ。」

「世界の目にどう映るかを考えると本当に恥ずかしい。」

 

1回目も2回目も否決されたメイ首相の案ですが、

もし3回目も否決されると「6月30日まで離脱延期」も成り立たなくなります。

そうなるとどうなるのか、こちらを使ってみていきましょう。

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こちらはイギリスの庭です。

長く伸びた芝を芝刈り機で買ってなんとかして素敵な「うま~く離脱ガーデン」へ行こうしているメイ首相です。

3回目の採決でも否決されたら、この3つの道のどれかを作って「うま~く離脱ガーデン」を目指すことになります。

 

まず1つ目の道。

「別の協定案をまとめるため理由と再交渉する」。

ただ、今のメイ首相の案でもEUとの話し合いにおよそ2年かかりました。

この道を進んだら、またまた時間がかかりそうです。

 

そして2つ目の道。

「国民投票を実施して国民にもう一度問う」。

実施まで短くてもおよそ半年かかる見通しで、この道も長い時間がかかります。

それに国民投票で、仮に「離脱はやめた!」と言う結果になれば、ずっと離脱を支持してきた人たちはものすごく怒るでしょう。

 

最後に3つ目の道。

「総選挙で有権者に聞く」。

でも、メイ首相が交代すれば次のイギリスの首相がEUと新たな協定案を話し合わなければいけません。

これも時間がかかりそうです。

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結局、どの道を選んでも時間がかかります。

でも実はそれが、メイ首相の狙いなんです。

離脱の延期が長引けば、イギリスはEUから離脱できません。

そこで「だったら、今ある私の案で離脱する方がスムーズでしょ?」ということなんです。

メイ首相の案を認めれば「うま~く離脱ガーデン」に確実に3か月でたどり着きます。

そう言って、議会に認めてもらおうとしているんです。

「本当は早く離脱して、EUから自由になりたい」。

そう思っている議員に「3か月で離脱できるよ」と言って、説得しようとしているんです。

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しかし、12日の2回目の採決では反対が賛成を149人も上回りました。

単純計算で75人を反対から賛成に変えさせなければなりません。

さらに、メイ首相の求心力も下がっています。14日の離脱延期の採決の時には、7人の閣僚が反対票を入れたという話もあります。

足元も揺らいでいるメイ首相が、今度の採決に向けて本当に賛成票を取りまとめることができるのか、今の時点では見通しが立っていません。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年3月24日のゲストは、堀田茜さんです。

投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:17:09


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