2018年05月02日 (水)

南北首脳会談

20180502_art_001.jpg

2018年4月29日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの野間口徹さん、国際部塚本壮一デスクです。

 

27日の金曜日に韓国で行われた南北首脳会談に、世界の注目が集まりました。

会談の裏側には何があったのか、国際部塚本デスクが解説しました。

20180502_art_002.jpg

初めての対面となった韓国のムン・ジェイン大統領と、北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長は、融和ムードを高めていました。

韓国のムン大統領が「私はいつ北に行けるか?」と聞くと、キム委員長が「今越えてみますか」と言って、手を引き境界線を越える場面もありました。

 

なかでも注目されたのが、2人だけでおよそ30分、話をしたことです。

20180502_art_003.jpg

ムン大統領が語りかけ、キム委員長が耳を傾ける時間が長かったです。

こうしたキム委員長の立ち振る舞いは、韓国からすれば、好印象ということになるわけで、キム委員長が韓国の国民を引き付けたいという狙いがあったように思います。

 

北朝鮮ではこのような日が来ることを計算してか、ムン大統領に対しては厳しい非難を避けてきました。

会談の開催をキム委員長の功績として説明し、権威をいっそう高めることに繋げていると思います。

 

今回、両首脳が署名した共同宣言「パンムンジョム(板門店)宣言」の主な内容をまとめました。

20180502_art_004.jpg

・南北間の交流拡大

・軍事的緊張の緩和

そして、

・非核化

については、いつどのように進めるのか、具体的な時期や方法を示すには至らず、北朝鮮が核の放棄に本当に応じるのか曖昧さが残りました。

20180502_art_005.jpg

今回の首脳会談は6月に開かれる見通しの、アメリカと北朝鮮の首脳会談の前哨戦と位置付けられていました。

北朝鮮の核放棄に向けた措置などは盛り込まれなかったので、その議論は米朝首脳会談に委ねられることになりました。

しかし、非核化に向けた道のりは容易ではありません。

20180502_art_006.jpg

北朝鮮は、もし仮に核の放棄に応じるとしても、長い道のりの一番最後にしたいという立場です。

長期戦のあいだに、超大国のアメリカから「体制の保証」を取り付けることが最も重要です。

 

そして、アメリカ軍の軍事攻撃を受けないために、将来的には韓国に駐留するアメリカ軍も撤退させたい、また、国の繁栄のためには経済も重要なので、厳しい経済制裁も緩和させたい、そして…

20180502_art_007.jpg

可能なら核放棄をすることなく、核保有国として存続したい、核を持ったままアメリカと良好な関係を築きたいというのが、北朝鮮の本音です。

20180502_art_008.jpg

一方、アメリカからすると、まず北朝鮮が核放棄すべき、短期決戦で核を放棄させるという立場です。

そのほかのことは、核放棄のあとなら検討してもよいという程度です。

 

米朝の隔たりは大きいです。

そこで、韓国が仲介役を担おうとしているのですが、その韓国が今持ち出しているのが、「朝鮮戦争の終戦宣言」です。

北朝鮮が望んでいる「体制保証」が難しいとなると、非核化を進めるのは難しい。

でも何とか非核化につなげたいということで、ひねり出したアイデアが「朝鮮戦争の終戦宣言」です。

 

20180502_art_009.jpg

[韓国と北朝鮮の戦争は、まだ終わってないんだヨーソロー。]

 

今回の「パンムンジョム宣言」で、朝鮮戦争の終戦を宣言して「休戦協定」を「平和協定」に転換し、3か国、または4か国の協議を推進するという目標を掲げています。

20180502_art_010.jpg

「休戦協定」は、戦闘を単に休止しているだけなので、戦闘がまたおきかねません。

「平和協定」が結ばれて初めて戦争は終わったことになります。

 

その平和協定にアメリカを引き込むことで、北朝鮮の望む体制の保証につなげたいと韓国は考えているわけです。そして、新たな平和体制をつくることは韓国にもメリットがあると考えています。

 

去年、北朝鮮が挑発をエスカレートさせる中、トランプ大統領は北朝鮮への軍事攻撃も辞さない姿勢を示して緊張が高まりました。韓国としては、アメリカに平和協定に加わってもらうことで朝鮮半島で再び戦争が起きることのない仕組みができると考えています。

 

一方、アメリカがどう考えているかというと、核の放棄を明確に約束させるのが先決だという立場ではないでしょうか。

トランプ大統領は、ポンペイオ国務長官をピョンヤンに派遣してキム委員長との話し合いにあたらせるなど、会談を成功させたいという意欲を示しています。

20180502_art_011.jpg

 

そしてこの日、明らかになった動きがありました。

20180502_art_012.jpg

アメリカ側からは、

・3~4週間の間に米朝首脳会談を行うこと

・キム委員長に会ったポンペイオ国務長官のビデオを公開

 

北朝鮮側からは、

・核実験場の閉鎖・公開

・これまで30分の時差があった標準時間を韓国と同じに

そして、

・日本といつでも対話する用意がある

と発表がありました。

 

今回の南北首脳会談で「非核化」に向けた話し合いはスタートしたばかりです。

米朝首脳会談を経て、朝鮮半島に平和がもたらされるのか、あるいは、北朝鮮の脅威が続くことになってしまうのか、いま、重要な分かれ道に立っています。

 

 

 

 

※リハーサル時の写真も掲載しています。

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2018年5月6日のゲストは、高橋真麻さんです。

 

 

投稿者:芳川隆一 | 投稿時間:20:59


カテゴリー

新着記事

ブログ内検索

カレンダー

2019年07月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

バックナンバー


RSS

page top