2018年04月26日 (木)

シリア内戦泥沼化

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2018年4月22日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、国際部高野洋デスク、坂下千里子さん、ゲストのパックン、Mr.シップ、国際部藤井俊宏デスクです。

 

この日の黒板アートは、サクラ。

関東ではソメイヨシノのお花見はもう出来ませんが、東北はまだまだ咲いているところもたくさんありますね!教室の中でお花見です(*^_^*)

 

 

1時間目は、核実験やミサイル発射実験を中止することを表明した北朝鮮について、国際部高野デスクが解説しました。

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2時間目は、化学兵器の使用が疑われているシリアの内戦について、国際部藤井デスクが解説しました。

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アメリカ、イギリス、フランスは「アサド政権が使った」と主張、

一方のアサド政権と後ろ盾のロシアは「反政府勢力が使った」と主張。

双方がそれぞれの主張が正しいことを訴えようと情報戦を繰り広げています。

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第三者が客観的に調べるため、国際機関が化学兵器が使用されたとする地区に入りましたが、

この調査は「誰が使ったか」を明らかにするためではなく、「何が使われたか」を調べるためです。

化学兵器が使われた場所は、アサド政権とロシア軍の支配下にあります。

調査を始めるまでに1週間待たされたため、すでに証拠が消されたり、捏造されたりしたおそれがあります。

アメリカ、イギリス、フランスはこうなることを見越して、アサド政権が化学兵器を使ったと断定し、攻撃に踏み切ったと見られます。

 

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こちら、最新のシリアの状況です。

アサド政権側が全体の60%を支配していて、化学兵器が使われたのは、ダマスカスのすぐ近くの東グータ地区です。

政権側による攻撃が激しさを増す中で、子どもたちの投稿した映像が世界の注目を集めました。

劣勢の反政府勢力は、国際社会を味方につけるため、情報発信に知恵を絞っているとみられます。

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現在まで7年続いているシリアの内戦ですが、これまでに死者35万人以上、人口の半分にあたる1200万人が家を追われうち500万人以上が国外へ避難しています。

 

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[シリアの内戦は、ある思いがけない出来事がきっかけだったんだヨーソロー。]

 

民主化運動「アラブの春」が起きたエジプトやチュニジアでは、デモが始まってから数週間で政権が崩壊しました。

このためシリアでも、政権の崩壊は時間の問題と言う見方も出ました。

しかし、そうならなかったのは、シリア特有の事情があります。

シリアは、アジアとヨーロッパをつなぐところに位置していて、中東でも特に多様な宗教や民族が共存しています。

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民族的には「アラブ人」と「クルド人」がいて、

宗教宗派で見ると、「イスラム教スンニ派」「イスラム教シーア派系のアラウィ派」、

さらに、「キリスト教」も様々な宗派の人々がいます。

アラフィ派のアサド大統領は、少数派で、スンニ派が一致団結すればすぐにやられてしまいます。

そこでアサド政権が行ったのが、国民を分断することです。

例えば、スンニ派の人物を政権の要職に就けるなどし、同じ宗教宗派であっても、「支配する側」と「支配される側」に分け、一枚岩にならないようにしました。

だからこそ、アサド政権は倒れず、シリアは内戦へと発展しました。

 

さらに、出口の見えない泥沼化へ向かっていくことになった理由が、各国の介入です。

シリアはイラクのように石油が豊富にある資源国ではありません。

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実は、介入のきっかけを作ったのは、イランなんです。

アサド政権が倒れると、自分たちと敵対するような国になるおそれもあったイランは、早い段階から革命防衛隊や民兵を送り込んで、反政府勢力に対する軍事作戦にあたりました。

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これに対し、アメリカやサウジアラビアが介入。イランの影響力拡大を抑えるためです。

 

さらに、この内戦の混乱の中で「過激派組織IS」が台頭し、一時、シリアとイラクにまたがる広大な範囲を支配しました。

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ISの台頭で窮地に立たされたアサド政権を支援する形で軍事介入を行ったのが、ロシアです。

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シリアは、ロシアにとってソビエト時代からあらゆる分野で交流を続けてきた友好国です。

ロシアとしては、友好国が失われるのを防ぎたいという思いがありました。

というのも、2000年代に旧ソビエトのジョージアやウクライナで、デモをきっかけにロシアと関係する国が次々に倒された過去があるからです。

 

アラブの春から内戦に発展したリビアでは、民間人への被害を防ぐという人道目的で、アメリカなどが軍事行動に踏み切りました。

その結果、カダフィ政権が崩壊、ロシアとしてはこのような動きが他の友好国にも波及しないようにするためにアサド政権を全力で守る必要があります。

 

そして今では、ISの弱体により、アサド政権はロシアの支援で息を吹き返しました。

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かつて中東では、アメリカが圧倒的な影響力を誇り、秩序が形成されました。

しかし、アラブの春で独裁政権が次々と倒れ、シリアの内戦を通じてロシアやイランが存在感を増しています。

新たな秩序が形成される段階にあるとはいえ、目が離せない状況が続きます。

アサド政権としては、最終的には反政府勢力側との話し合いで国際的にも承認された形で政治的に解決したい考えではないでしょうか。

 

 

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※リハーサル時の写真も掲載しています。

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2018年4月29日のゲストは、野間口徹さんです。

 

投稿者:スタッフ | 投稿時間:18:06


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