せかいま美術館

2019年07月18日 (木)

EU離脱で揺れるイギリス 次の首相は?

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2019年7月14日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの古坂大魔王さん、国際部の佐伯敏デスクです。

 

EU離脱で揺れるイギリスでは、次の首相の座をめぐって、激しい戦いが続いているんです。

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勝ちそうなのが、ボリス・ジョンソンさん。

宙づりになったり、水に入ったりして、イギリスでは人気者なんです。

でも、こんな過激な発言も。

「EUは、やり方は違うがヒトラーと同じようなことをやろうとしている」。

「ヒラリー・クリントン氏は、サディスティックな看護師みたいだ」。

イギリスの次のリーダーが、ボリス・ジョンソンさんになったら、EU離脱はどうなるのでしょうか。

 

国際部・佐伯敏デスクが解説しました。

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今行われているのは、与党・保守党の党首選挙です。

この選挙の結果が来週23日に決まって、翌日に首相に就任します。

候補者は、この2人に絞られました。

ボリス・ジョンソンさんと、ジェレミー・ハントさんです。

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最新の世論調査ではジョンソンさんが圧倒的に有利で、首相になるとみられているんです。

先日行われたテレビ討論会でジョンソンさんは、

「私には首相になる力と資質がある。我々は変われる!名声を回復するぞ」と、力強く言っていました。

  

いまイギリスの人はどうみているのでしょうか。

ロンドン支局の税所支局長に聞きました。

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混乱する国の進路をゆだねるリーダー選びとあって、党首選としては、異例の注目度です。

ジョンソン氏は、言葉を重んじるイギリスでは大事なやりとりの巧みさ、そして、ステージにあがったとたんに輝きを増すスター性を備え持っているとして、保守党の党員の間では絶大なる人気を誇っています。ただ、広く一般国民の間ではというと、そのキャラクターの濃さから、これほど好き嫌いが分かれる政治家はいないと言われていますが、それも注目度の高さの裏返しといえます。

党首選で投票できるのは16万の党員のみ。

国民は「ジョンソン首相誕生」に向けて、期待とともに心の準備をしている、といった状況です。

 

 

そもそも、ジョンソンさんってどんな人物なのでしょうか。

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イギリスの次の首相になりそうなボリス・ジョンソン氏のこと、オレが説明するヨーソロー

 

ジョンソンさんがなぜ支持されるのか、説明していきます。

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ジョンソンさんと言えば、なんといっても「キャラの濃さ」。

ユーモアや独特の話術、それにどこか抜けた憎めない行動が人々の心をつかんでいるんです。

その憎めなさが垣間見えるできごとがありました。

自宅から出てきたジョンソンさんが、記者たちが待ち構える中、紅茶を入れたカップをトレイに乗せて現れました。

実はこのとき、ジョンソンさんは過去の発言をめぐって、記者から質問攻めにあうはずだったんです。

でも笑いながら紅茶を勧めるばかりで、結局質問には答えなかったんです。

 

キャラに加えて、もう1つ支持される理由が「実績」です。

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ジョンソンさん、2012年ロンドンオリンピックのときのロンドン市長で

「オリンピックを成功させた市長」というイメージがあります。

 

そして、「ボリスバイク」。

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これは、ジョンソンさんがロンドン市長時代に導入した、町なかで自転車をシェアするサービスです。

今ではすっかりロンドンに定着していて、交通渋滞への対策としても評価されているんです。

  

しかし、油断は禁物。

ジョンソンさんにも「弱点」があるんです。

それがこちら。

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ジョンソンさん自身です。

とにかく“失言”がいっぱい。

冒頭にもありましたが、アメリカのヒラリー・クリントン元国務長官について、サディスティックな看護師みたいだ」と言いました。

他には、イスラム教徒の女性の姿について「郵便ポストか銀行強盗にしか見えない」とも。

 

そして「弱点」は失言だけではありません。

ジョンソンさんは、フェイクニュースの先駆者だとも言われています。

もともとは新聞記者でしたが、駆け出しの頃、人の発言をねつ造したとして解雇された経歴もあります。

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そんなジョンソンさんが、イギリスの首相になったら今一番の課題「EU離脱」はどうするのでしょうか。

ジョンソンさんは、「EUとわかり合えないまま離脱してもかまわない」=「合意なき離脱でもいい」という主張です。

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討論会でも「自分は期限になっている10月31日に絶対に離脱する」と対立候補に断言しました。

一方、離脱の期限をはっきり言わない対立候補に詰め寄る場面もありました。

 

イギリスの人たちはどう感じているのでしょうか。

再びロンドンの税所支局長に聞きました。

イギリスの人たちはジョンソン氏のこの強気の姿勢に、一抹の不安を抱えながら見つめていることは間違いありません。

ただ、離脱を巡って3年もの間、混乱が続きながら何も進んでいない現状に国民はうんざりしています。

その閉塞感の中で、脇の甘いところはありますが、前向きで勢いのあるジョンソンさんに「流れを変えてもらいたい」と期待する気持ちもわからないでもありません。

そして、与党・保守党の支持者は、もともと離脱を望む人が多くいます。

このため、離脱を成し遂げなければ支持者から見放され、政権維持はおろか党そのものが消滅しかねないという強烈な危機感があります。

ジョンソンさんが首相になれば、そうした支持者の声に応えなければなりません。

いざとなったら柔軟性を発揮するのでは、という見方もありますが、ジョンソン首相誕生を後押しした強硬派の人たちがそれで納得するのか、疑問です。

また、EUと再交渉すると言ってもEU側は拒否していますし、もうすぐ夏休みですから説得のための十分な時間すらありません。

「合意無き離脱」に向け、アクセルを踏み続けるかに見えるイギリスが、どこかでブレーキをかけるのか、そのタイミングが遅すぎないことを願うばかりです。

ジョンソンさんが心変わりでもしない限り「合意なき離脱」の現実味は増すばかりとなりそうです。

 

 

ジョンソンさん、日本との関係はと言うと、実は4年前、日本に来たことがあります。

ラグビーワールドカップに関連するイベントに参加し「一緒に、スクラムを、組もう」と日本語で話しました。

ここまではいいんですが、ラグビーをプレーしたジョンソンさんは熱が入りすぎて子どもを吹き飛ばす、はちゃめちゃぶりも見せました。

帰国したあと、ジョンソンさんはイギリスの雑誌に、日本について

「中国に注目するあまり、日本を見ないのは間違っている。この国はすごい」と書いています。

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日本との関わりを重視するような発言ですね。

伝統的に関係のある日本やアメリカ、インドなんかとの関係も強めていくのかもしれません。

 

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ジョンソンさんが首相になれば、イギリスは離脱に向かって「坂を転がるラグビーボール」です。

型にはまらないジョンソンさんですので、どこに転がるかわからない、予測不能な危うさも伴います。

もちろん、良い方に転がることだってあるかもしれません。 

 

 

 

【この日の時間割】

1. EU離脱で揺れるイギリス 次の首相どんな人

2. 月面着陸から50年 宇宙開発 各国はいま

3. 地雷に立ち向かう アフガニスタンの女性

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年7月21日のゲストは、濱田龍臣さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:15:25 | 固定リンク


2019年07月11日 (木)

香港デモ、きょうの香港はあすの台湾!?

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2019年7月7日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの平泉成さん、国際部の大山吉弘デスクです。

 

政府への抗議活動が続く香港。

この日も大勢の人がデモを行っていました。

場所はこれまで議会がある中心部でしたが、この日は初めて旅行者の多い繁華街でデモが行われました。

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実は、台湾もひと事ではないんです。

「きょうの香港は、あすの台湾」。

台湾の市民からは、こんな声も聞こえてきます。

香港のデモと台湾、どんな関係があるのでしょうか。

国際部・大山吉弘デスクが解説しました。

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実は香港のデモが、台湾で行われている政治的な一大イベントに大きな影響を与えています。

それがこちら。

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台湾の総統選挙です。

台湾では、トップ=総統を決める選挙が、事実上スタートしています。

台湾には、与党・民進党と、野党・国民党の2大政党があるんですが、今、注目されているのが民進党の蔡英文(さい・えいぶん)総統です。

去年の統一地方選挙で大敗して、支持率が低迷。

党首の座も追われてしまいました。

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しかし、香港で起きている一連のデモの影響で、支持率を一気に回復させているんです。

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台湾の蔡英文総統の支持率に、なぜ香港のデモが関係しているのでしょうか。

それを知るには、まず香港と台湾の“意外な関係”について知る必要があるんです。

 

香港と台湾を結びつけるキーワードが「1国2制度」です。

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[香港の「1国2制度」についてオレが説明しヨーソロー]

 

「1国2制度」のおかげで、香港には独自通貨があり、議員も選挙で選べます。

そして、デモをしたり、自由に政府を批判したりすることができるんです。

でも、その「1国2制度」が今、揺らいでいます。

そのあらわれが香港のデモなんです。

デモのきっかけとなったのが、こちらの条例の改正案です。

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香港にいる容疑者の身柄を、中国本土に引き渡すことができるようにするものです。

「中国がこの改正案を悪用して、中国政府を批判する人たちを引き渡すよう求めてくるかもしれない」と、香港市民は心配したわけです。

そして「それでは『1国2制度』が守られていないじゃないか」とデモに発展したんです。

 

そもそも、この「1国2制度」は、実は、中国が台湾を統一するために考えた制度なんです。

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そして、その考えは今も変わっていません。

中国の習近平国家主席は、ことし1月、月1回の演説で台湾について、

「台湾独立は歴史への逆行で、滅びの道だ」

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「台湾との統一には『1国2制度』が最良だ」と発言しています。

 

台湾の人たちは香港の混乱ぶりを、自分たちの未来のように受け止めています。

“きょうの香港はあすの台湾”ということばは、

「中国に統一されて『1国2制度』が導入されれば香港の二の舞になってしまう」「中国に飲み込まれてしまう」という中国への警戒感のあらわれなんです。

 

だから今、台湾で始まった選挙の最大の焦点が「中国との距離感」なんです。

それぞれの党をみていくと、与党・民進党は“中国に対して強硬”です。

独立志向が高く「中国と台湾は別々の国だ」と主張しています。

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一方の野党・国民党は“中国寄り”。

「中国とは仲よくやっていこう、そうすれば経済がよくなるよ」という融和的な立場です。

その国民党の有力候補が、こちらの2人。

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ただ今、中国寄りの姿勢から苦しい選挙戦を強いられています。

 

国民党の韓国瑜(かん・こくゆ)さんは、香港のデモについて「知らない」と発言し、メディアに取り上げられたあと、支持率が急落しました。

これまで韓さんを支持していた人も、その言動を批判しています。

若い世代に影響力をもつユーチューバーの陳之漢(ちん・しかん)さんは、自分の動画投稿サイトに韓さんを出演させるなどして応援していましたが、「知らない」と発言したのを批判し「もう支持しない」と話しています。

 

国民党のもうひとりの有力候補、ホンハイ精密工業の創業者で、シャープを買収した郭台銘(かく・たいめい)さんも、伸び悩んでいます。

中国に多くの工場を持ち、つながりの強い郭さんは中国との距離の取り方について、明言を避けてきましたが、台湾で中国への警戒感が強まると態度を一変させて、1国2制度を批判しました。

 

台湾では中国に対してきぜんとした態度を取ってほしいと考える有権者が増えています。そんな中、与党・民進党の蔡英文総統は「香港のデモを支持する」と、いち早く表明し、有権者の支持を集め順調に選挙戦を進めています。

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台湾で広がる中国への警戒感が、来年の選挙結果を大きく左右しそうです。

 

 

といっても、選挙は来年1月です。

あと半年の間にどうなるかは分かりませんが、鍵を握るのは、やはり、中国の対応になります。

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“中国のジレンマ”。

中国政府にとって、香港のデモが中国に強硬な蔡英文総統を有利にする展開は、完全に誤算だったといえます。

ただ、香港のデモの収束を図ろうと強硬な姿勢に出れば、結果として台湾での反発につながりますし、かといって弱気に出るわけにもいきません。

つまり、ジレンマというわけです。

台湾は、日本にとっても結びつきが強いですから、今後も、中国の出方、

そして、台湾の人たちの選択をじっくり見ていく必要があると思います。

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これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年7月14日のゲストは、古坂大魔王さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:15:43 | 固定リンク


2019年07月04日 (木)

3回目米朝首脳会談とEUがピンチ!?

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2019年6月30日の出演者のみなさんです。

左から、Mr.シップ、ゲストの和田アキ子さん、国際部の花澤雄一郎デスク、国際部の長尾香里デスク、永井伸一キャスター、坂下千里子さんです。

 

この日は、急きょ行われた3回目の米朝首脳会談と、EUのピンチについてお伝えしました。

 

アメリカのトランプ大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が

この日、南北の軍事境界線にあるパンムンジョムで面会。

およそ4か月ぶりに顔を合わせ、3回目となる首脳会談を行いました。

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現職のアメリカ大統領としては初めて軍事境界線を超えて北朝鮮側に入り「素晴らしい気分だ」と述べました。

パンムンジョムでアメリカと北朝鮮の首脳と会談を行うのは、朝鮮戦争の休戦以降66年間で初めてです。

今回の会談はトランプ大統領がツイッターを通して呼びかけ、これに北朝鮮側が応じる形で急きょ実現しました。

ワシントンとソウルに駐在したことがある国際部の花澤雄一郎デスクが解説しました。

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今回の首脳会談ですが「会うのでは」という見方は、少し前の段階ではありましたが、話は進んでおらず「今回はない」という認識でした。

そのため、あまりにギリギリのことでさすがに驚きました。

ただし今回の面会は、確かに歴史的なことですが事前の準備もないですし、直接「非核化」が前に進む

とは思えず、そこは冷静に見る必要があります。

 

トランプ大統領がなぜキム委員長に会いたいと言い出したのかというと、

「こう着状態となっている北朝鮮との交渉をなんとか動かしたい」という考えがあり、さらに会うこと自体が「政治的な利益」という面もあります。

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ことし2月の2回目の首脳会談では、非核化の段階ごとに見返りを与えるかどうかで双方譲らず、決裂しました。

その後、圧力を掛け合うチキンレースになりました。

そして先月、北朝鮮は再び、弾道ミサイルを発射しました。

さらにエスカレートしていきトランプ大統領としては「北朝鮮との交渉に失敗した」と言われることを嫌がったんだと思います。

トランプ大統領は来年に大統領選挙がありますので、なんとか交渉を動かしたい、あるいは進まなくても「北朝鮮との交渉は続いていて、良い方向に向かっている」というイメージをアメリカ国民に持たせたいという狙いがあります。

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中国総局北朝鮮担当 長野記者)

キム委員長が、なぜ今回の首脳会談の呼びかけに応じたのかというと、今のこう着状態を打開するため直接トランプ大統領に直談判するしかないと考えたのだと思います。

そして今後は国営メディアなどで「トランプ大統領とキム委員長が一層親密になった」とアピールするとみられます。

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北朝鮮は米朝交渉がうまくいかなくなったのは、トランプ大統領の側近が交渉を複雑にしているからだと主張しています。

こうした側近を交渉から外しトップ同士の決断を求めてくることもありえます。

また今後、制裁解除の前向きな動きが見えなければ再びミサイルの発射など軍事的な動きも予想されます。

 

花澤デスク)

つまり、トランプ大統領もキム委員長も、ともに今回「会うこと自体に利益がある」ということです。

しかし、北朝鮮の非核化は簡単ではありません。

そもそも、2回の首脳会談がありましたが、非核化は実質的にはまったく進展していないんです。

北朝鮮は「非核化を目指します」と言いながら、核開発は続けています。

でも、核実験や大陸間弾道ミサイル発射さえしなければ、アメリカは怒らないというのが現状なんです。

これは、このまま核兵器を持ちつづけたい北朝鮮には都合がいい、つまり北朝鮮ペースがズルズルと続いている状態なんです。

 

一方でアメリカは「非核化させたい、できる」と思って最初の首脳会談をしましたが全然進んでいません。

「失敗した」というワケにはいかないから「交渉を続け、非核化に向けて進んでいる」というアピールを続けている状況になっています。

私は長年、北朝鮮問題を担当してきたアメリカ政府の元高官と話しましたが、トランプ大統領は「非核化に向かっているという幻想」を振りまき続けている、と言っていました。

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あたかも非核化が進んでいるような、つまりある種の「壮大なウソ」を続けていると、そしてそれが政治的利益があるという受け止めです。

今後、アメリカはなんとか交渉を進めようとするでしょうが、北朝鮮は全く譲る気配はありません。

となると、アメリカが多少柔軟性を示すのかが焦点になります。

譲らなければこう着した状態が続きながらトランプ大統領が「うまく行っている」と言い続けることになります。

核兵器を持つ北朝鮮という既成事実化が進み、事実上、世界が受け入れるという状況に向かっているのが現状です。

 

記者会見でアメリカメディアから「会談では譲らず決裂し、ミサイルも撃ったのに、会うのがふさわしいのか?」という厳しい質問が飛び、その後の報道でも「これが何の役に立つ?」という厳しい声も上がっています。

トランプ大統領は、来年の大統領選挙での再選を最大の目的にしていますが、アメリカ世論が「より厳しく対処すべき」となっていけばトランプ大統領の対応も変化する可能性はあります。

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▼2時間目はこちら。

 

イギリスがEUからの離脱を決めましたが、EUに対する反発はほかの国でもが広がっています。

国際部・ヨーロッパ担当の長尾香里デスクが解説しました。

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EUは、ヨーロッパの28か国の集まりです。

そのEUが、いま、危うい状況になっているんです。

EUの抱える問題は、イギリスの離脱問題だけではないんです。

いまヨーロッパのあちらこちらで、「○○ファースト」という風が巻き上がっています。

自分の国の利益が最優先だと主張する国が増えてきました。

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そんななかで、EUとしてのまとまりがなくなって結束が緩んでしまうのではないかという状況になっているんです。

 

そもそもEUとは、どんな集まりなんでしょう?

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こちらのロボットをEUに見立てて説明します。

「EUの原型」と書いてあります。

EUの起源は、第2次世界大戦が終わってまもない1952年に集まった6か国でした。

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「戦争を二度と繰り返さない」という目標を掲げたのです。

その後、どんどん仲間に加わる国が増えていきました。

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パーツが増えることが、国が増えることを表しています。

そして1993年に、ついに今のEUになりました。

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欧州合体「イーユーダー」完成!

EUは、28か国、総人口5億人にまで拡大しました。

ヨーロッパの平和と共存に貢献したとしてノーベル平和賞までもらっているんです。

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こうやって、ひとつになることで、世界の中で存在感を強めてきたんです。

 

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[1つになるとどれだけ強いのか、オレとイーユーダーが説明するヨーソロー]

 

イーユーダーの強さの秘密をみていくために、ここからはその心臓部をみていきましょう。

EUにはヨーロッパ議会という議会があります。

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イーユーダーを動かす大事な回路のようなものです。

ちょっと変わった議会で議席の数は28の加盟国ごとに割り振られていて、議員は、各国それぞれの有権者が投票して選びます。

議会は、EUの共通の政策について話し合います。

つまり、加盟国みんなで守るべきルールを決めているんです。

 

ところが先月、このヨーロッパ議会に異変が起きました。

5年に1度の選挙が行われたんですが、投票の結果、EUのやり方は「ウザい」と、反発する議員が各国で勢いを見せたんです。

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つまりEUそのものが、YESかNOかを問われたシビアな選挙になったんです。

 

なんでそんなことになったのかというと、原因の1つがここ数年、中東やアフリカなどから押し寄せている「難民・移民」の問題です。

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受け入れるのは大きな負担だとか、治安の悪化につながるといって反発する声が、加盟する国の人たちの間で高まったんです。

中にはこれまで事実上、なかった国境を復活させるべきじゃないかと訴える国まで出てきました。

そして、EUに反発する声が広がったもうひとつの原因がこちら。

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「格差」問題です。

人やモノが自由に移動できる集まりがEUです。

1つの市場になったことで、EUの中で競争が激しくなって、勝ち残れる人とそうでない人の差が大きくなった面もあるんです。

それでEUに加盟したら、メリットどころか暮らしにくくなったと考えている人も増えてきました。

こうした不満の大元をたどれば「EU」に行き着くと。

だからもうEUのルールに縛られず、自分たちで決めたいという声が増え、先月の選挙結果につながったんです。

 

このピンチに、これまでEUを引っ張ってきた国のひとつ、フランスに改めてスポットがあたっています。

フランスのトップがマクロン大統領です。まだ41歳の若きリーダー。

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先週、NHKが単独でインタビューしたんですが「ヨーロッパが成長していくためには、EUの結束を強めていくことが唯一の道」だと話しました。

マクロン大統領は、EUは良い政策を色々作っているのに、そのメリットが市民に伝わっていないのが一番の問題だと考えています。

だから「EUのルールを見直したり、もっと機能を高めたりして良さをわかってもらおう」と、マクロン大統領は言いたいようです。

ただ、マクロン大統領、フランス国内での支持率は決して高いわけではありません。

そういうなかで、問題が山積みのEUを引っ張っていけるのか、相当の手腕と気合いが必要だと思います。

最後に、こちら。

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ギリシャ神話にでてくるパンドラの箱、抑え込んできた災いがいっきに噴き出すことの例えによく使われます。

今のEUはまさにそんな感じです。

でも神話で、パンドラの箱に最後に残ったものは「希望」だと言われています。

EUは大きな経済圏で外交力も大きく、日本にとっても大事なパートナーです。

希望を絶望にしないために、これからがEUのふんばりどころです。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年7月7日のゲストは、平泉成さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:15:30 | 固定リンク


2019年06月27日 (木)

世界の首脳が大阪に G20サミット

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2019年6月23日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストのベッキーさん、国際部 辻浩平デスクです。

 

この日の時間割です。

1時間目「世界の首脳が大阪に いよいよG20サミット」

2時間目「香港で続く抗議活動 中国とアメリカは」

3時間目「女性が平均7人出産 影を落とす貧困問題(ニジェール)」

 

今週末に迫ったG20大阪サミット!

世界のトップが大阪に集まる一大イベントです。

初めて日本が会場となって、6月28日と29日に開かれます。

G20サミットを知ると世界のいまが、これでわかった!となるんです。

 

国際部・辻浩平デスクが解説しました。

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G20に入っているのがこちらです。

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「G20」の「G」は「グループ(Group)」の「G」です。

この20の国などのトップが毎年集まって、世界で起きている問題について話し合います。

「G7」という似た名前も聞いたことがあるかもしれませんが、「G7」は上にある1列、先進国などのグループです。

この7つに、中国やインドなど経済力をつけて影響力を増してきている国が加わったグループが「G20」なんです。

G20の国々にも参加してもらわないと世界の問題が解決できなくなってきたという事情があるんです。

 

そのG20のサミットが大阪で開かれるということで、開催直前の現地に永井キャスターが行ってきました。

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開催の1週間前でしたが、どこに行っても警察官がいて、ものものしい雰囲気でした。

警戒にあたっていたのは、警視庁をはじめ全国各地から応援に来た警察官でした。

空の玄関口、関西空港でも特別な警戒が始まっていました。

G20サミット用に、通り抜けるだけで服の下や荷物に隠された爆発物などを発見できる特別な検査機が設置されていました。

 

世界の国々のトップが集まるG20サミットですが、私たちに身近な話題も話し合うんです。

こちらを使って説明します。

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G20サミットを大阪のお好み焼き店にみたてて説明します。

 

話し合われるテーマの1つが「貿易」です。

せかいまでも取り上げていますが、自由に貿易をするべきか、それとも関税をかけて自分の国の産業を守るべきか。

そういったことを話し合います。

 

2つ目は「海洋プラスチック」です。

海のプラスチックごみをどうするのかを話し合います。

 

そして3つ目がこちら。

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「データ」です。

データを知るのに欠かせない言葉があります。

「GAFA」です。

GAFAとは、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの巨大IT企業の頭文字をとったものです。

みなさんが毎日使っているものもあると思いますが、こうした企業はみなさんのさまざまな個人情報、データを持っています。

どんな買い物をしたか、何を検索したか、どんな関心をもっているかなどです。

それが広告などに使われて企業は利益をあげています。

今はルールがないので、安全に取引きするためにどんな国際的なルールを作ったらいいのかということも話し合います。

さらに、データにまつわる税金の問題も話し合います。

IT企業はネット上のサービスですから、国をまたいで活動しています。

でもそれだと各国は企業の活動を把握できないので、十分な税金がかけられていません。

そのため、どのように税金をかけるのかも議論されるんですね。

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貿易、海のプラスチックごみ、そしてデータ。

こうしたテーマを議長国の日本が中心となって、共同声明をまとめていくことになります。

 

でも、首脳たちはG20サミットのためだけで大阪に来るわけではないんです。

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[G20は、それぞれの国が個別に会談するチャンスでもあるんだヨーソロー]

 

こちらのお好み焼き店には個別のテーブル席があり、お好み焼きとはまったく違った料理があります。

すき焼き、鉄板焼き、天ぷら。

首脳たちは、テーブルで1対1の「さし」で食べたいってことなんですね。

みんながいる円卓から離れて、個別テーブルで2人だけで食べたいと思っている人たち。

せかいまが注目したのは、まずこの2人です。

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アメリカのトランプ大統領と、中国の習近平国家主席による会談です。

そこで食べるメニュー、つまり話し合う議題は「貿易摩擦」です。

アメリカと中国は互いに輸入品に対して高い関税を掛け合って、いわば「大げんか」をしている状態です。習主席は「関税をやめてほしい」と思っていて、トランプ大統領は「関税を下げてほしければ中国がアメリカの技術などを盗むのをやめるべきだ」という主張しています。

 

そこで習主席は解決に向けて話し合いを進めたいと、先週ピョンヤンを訪問して、キム・ジョンウン委員長と会談しました。

アメリカは北朝鮮と核問題をめぐって交渉をしていますがうまくいっていません。

中国は、北朝鮮といういわばスパイスを持ってトランプ大統領との会談に臨むというわけです。

アメリカに「中国は北朝鮮との強い関係があるんだよ」と示しているんです。

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それが「貿易摩擦」とどう関係しているのかというと、

習主席にしてみたら「トランプ大統領が北朝鮮との交渉をうまく進めたいなら、中国が手伝ってあげてもいいですよ、その代わり貿易問題で一歩譲ってね。」というメッセージなのかもしれません。

 

そして、アメリカ側でも動きがありました。

先週、トランプ大統領が来年の大統領選挙に向けて立候補を正式に表明しました。

選挙で勝つためには有権者に成果をアピールしないといけません。

中国との貿易摩擦をどう扱うのが一番有権者の支持を得やすいのか、トランプ大統領は考えるはずです。

貿易摩擦が続けばアメリカでもモノの値段が上がって困る有権者も出てくる一方、アメリカの立場を脅かす中国に対して、厳しい態度を取って欲しいという有権者もいます。

2人の会談の行方次第で今後の世界経済が大きく左右されるかもしれません。

 

2つ目のテーブルにいきましょう。

すき焼きを食べるのは、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領。

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アメリカとロシアの会談も注目です。

ポイントは「ようやく話せるね」です。

両国は対立していますが、2人の指導者は本当は関係をよくしたいと思っています。

ただ、トランプ大統領はロシアとやましい関係にあると疑われてきたので、会うのは簡単ではありませんでした。

それがことし4月、その証拠は十分じゃないとして、捜査が終わったんです。

これで堂々とプーチン大統領と会談をできるというわけです。

会談のテーマの1つは「核軍縮」です。

アメリカとロシアがこれまで進めてきた核兵器を減らす取り組みを、これからも続けていくかどうかといった話し合いが進むのでしょうか。

 

では、最後のテーブルです。

天ぷらを食べているのは、習主席と韓国のムン・ジェイン大統領です。

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中国と韓国の首脳会談では新しいインフラとも言える通信規格5Gを扱う中国企業「ファーウェイ」と韓国が取引を続けるのかが注目点です。

中国は自国の会社ですから当然「ファーウェイ使って」という立場です。

これに対して韓国は、同盟国のアメリカからはやめろと言われているので板挟みになっているんです。

韓国が中国にどうこたえるのか、世界が関心をもってみています。

 

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「世界の縮図を見る場 G20」。

G20では世界が直面する課題を話し合う場なので、それに対する各国の立場が明らかになります。

さらに首脳会談では、どの国とどの国がどんな問題を抱えているというのが浮き彫りになり、まさに世界の縮図が見える場といえます。

それがそのまま日本の大阪に来るわけなので、ぜひ注目していただきたいです。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年6月30日のゲストは、和田アキ子さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:17:30 | 固定リンク


2019年06月13日 (木)

米中貿易戦争 中国が奥の手?

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2019年6月9日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの虻川美穂子さん、国際部・経済担当の布施谷博人デスクです。

 

この日の時間割です。

1時間目「米中貿易戦争 中国が奥の手?」

2時間目「アメリカvsイラン 仲介役は安倍首相」

3時間目「アメリカの高校 生徒全員が虐待被害者」

 

ヒートアップする米中貿易戦争。

新たなステージに突入し、中国の猛反撃が始まろうとしています。

どうやら戦いは、これまでと違ったものになってきたようです。

 

国際部・経済担当の布施谷博人デスクが解説しました。

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もともとこの対立は、アメリカが「中国との貿易で赤字が出て損している。貿易赤字を何とかしろ」と言い出したものです。

 

こちらのセットを使って説明していきます。

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中国・習近平国家主席とアメリカ・トランプ大統領がそれぞれカードを持っています。

まさにカードゲームのように、これまで互いにカードを切り合って激しい応酬を繰り広げてきたんです。

 

まずはこのカード。

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「関税引き上げ」です。

互いに高い関税をかけて、相手の輸出を減らしてやろうというのが狙いです。

そしてアメリカはさらに、とどめのカードを切ろうとしています。

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それが「さらに?関税の引き上げ」です。

なんと、一気にほぼすべての輸入品に関税をかけてしまおうという手続きに入っているんです。

これでますます中国の輸出は減ってしまいます。

ただ、戦いは、単なる関税の引き上げにとどまらないものに変わってきています。

先月行われていた米中の貿易交渉で、決裂してしまったんです。

 

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[アメリカは貿易赤字だけじゃなくて、中国の企業支援のやり方にも怒っているんだヨーソロー]

 

アメリカは貿易赤字をなくすことだけではなくて、中国の国の仕組みについても文句をつけ始めたんです。

しかし、中国にとって企業への資金援助は経済成長の根幹に関わるものなので、そこは譲らなかったんです。

そこでアメリカは、さらに次のカードを切りました。

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「ファーウェイ排除」です。

ファーウェイといえば、中国を代表する企業でスマホのシェアで世界2位を誇る巨大ハイテク企業です。

アメリカは政府の許可なしにアメリカの企業がファーウェイと取り引きすることを禁止したんです。

ファーウェイにとっては、スマホにどうしても必要な半導体などの部品を手に入れられなくなって、思うようにモノをつくれなくなるおそれがあります。

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アメリカは、ハイテク分野で中国に絶対に負けたくないと思っているので、徹底的に叩いているんです。

つまり、米中の貿易戦争は、どちらが世界のトップの座につくのかという「覇権争い」なんです。

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もちろん、高い関税をかけ合ったりすれば、当然、企業や消費者も困ります。

その痛みを我慢させてでも覇権を勝ち取りたいという戦いになってきたんです。

 

やられっぱなしに見える中国ですが、ここにきて徹底的に対抗する構えを見せてきました。

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中国が繰り出したカードが「長期戦」です。

何年かかろうが、この戦いに勝ち抜くんだという覚悟を固めたとみられます。

先月下旬、習近平国家主席は中国の“ある場所”を訪問しました。

その際、中国国営テレビのアナウンサーは「今、新たな“長征(ちょうせい)”が始まった。国内外の重大リスクに打ち勝ち、新たな勝利を手にしなければならない」と伝えました。

“長征”というのは、1930年代、共産党が国民党と内戦していた当時行った長期間の遠征のことです。この遠征は非常に厳しいものだったんですが、なんとか耐え切って内戦を乗り越えたんです。この長征があって、今の共産党、今の中国があるというふうに思われているんです。

習主席が訪れていた“ある場所”というのは、長征の出発地点、まさに“聖地”だったんです。

つまり、貿易戦争も厳しい苦難が続くが「長期戦を耐え抜こう」と国民に呼びかけたということです。

習主席の本気度のあらわれだとも言えます。

その証拠に中国の国営テレビ局では、1950年代の朝鮮戦争を扱った映画を、6日間連続で放送するキャンペーンも展開しました。

映画はアメリカに対抗して戦った「抗米(こうべい)」をテーマにしたもので、絶対にアメリカの圧力には屈しないというアピールとも受け取れます。

 

さらに最近“奥の手”とされる、あるカードを切ることをほのめかしているんです。

それがこちらのカード、

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「レアアースの輸出規制?」です。

レアアースというのは、地中にごくわずかに含まれる希少資源です。

スマホの液晶画面など、ハイテク産業に欠かすことのできない資源です。

そのほとんどは中国で生産されていて、ダントツのトップなんです。

そして…

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アメリカも、このレアアースの80%近くを中国に依存しています。

実は習主席、“長征”の出発地点を訪問したその足で、レアアースの生産基地も視察しているんですが、そこに“ある人物”が同行していたんです。

それが、この人。

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中国の劉鶴(りゅうかく)副首相です。

トランプ大統領とも複数回、会談している貿易交渉の中国側の代表です。

貿易交渉の責任者でもある劉鶴副首相が何度もテレビ画面に映り込んでいたんですが、ということは「レアアースが貿易交渉のカードになり得るんだぞ」とアピールしているとも受け取れます。

つまり「輸出をとめるかも」という構えをちらつかせるだけでも、アメリカに対する十分なけん制、脅しになる可能性があるんですね。

 

3週間後には大阪で世界のトップが集まるG20サミットが開かれます。

トランプ大統領と習近平国家主席が同じ会議に出席することになります。

しかし今のところは、首脳会談がやれるかどうか見通しも立っていないんです。

トランプ大統領は会談に意欲を示していますが、習主席は迷っていると思います。

というのも、会談を断ってしまうと今後トランプ大統領とは会えなくなってしまうかもしれません。

一方で、会談をしたところで、何の成果も得られない可能性もあるからです。

 

こうした中、気になる動きがありました。

習主席がおととい行ったスピーチです。

この中で習主席は、トランプ大統領を「友人」と呼びました。

そして「友人も米中が完全に決裂することは望んでいないだろう」と話したんです。

大阪での首脳会談を意識した発言ではないかと思いますが、今のところは、話が急に進むとは考えにくい状況です。

 

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「米中の“はざま”で、日本はどう生きる?」

これを真剣に考えなければならなくなったと思います。

貿易戦争で困るのは、企業、消費者で、関税をかけ合うような争いは、いつまでも続けられないはずです。

ただ、米中があらゆる分野で覇権を争う対立がずっと続くことは、覚悟しなければなりません。

争うアメリカと中国、それぞれとのつきあい方を、難しいですけれども、日本は決めていかなければならない時代に入ったんだと思います。

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これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年6月16日のゲストは、藤本隆宏さんです。

 

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:15:14 | 固定リンク


2019年06月06日 (木)

天安門事件を見ると いまの中国がわかる!

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2019年6月2日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの伍代夏子さん、国際部藤田正洋デスクです。

 

この日の時間割です。

1時間目「天安門事件を見ると いまの中国がわかる!」

2時間目「国連に“ニッポン”を売り込め」

 

ちょうど30年前、中国で世界を驚かせる事件が起きました。

天安門事件です。

学生や市民たちの運動が武力で抑え込まれ、多くの死者が出ました。

天安門事件を振り返ると、中国のいまが見えてきます。

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国際部・中国担当の藤田正洋デスクが解説しました。

藤田デスクが2年前に上海に駐在していたとき、日本人学校に通っていた子どもが修学旅行で天安門を訪れました。

その時、引率の先生が突然警察に連れていかれました。

その原因が、この「64」という数字です。

天安門事件は、1989年6月4日に起きたため、中国では「64(ろくよん)」と言われています。

子どものクラスが6年4組で、先生は「64」という旗をもっていただけなのにそんなことが起きたんです。

その後、先生は無事戻ってきたんですが、記念写真には一緒に写ることができませんでした。

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それぐらい天安門事件は触れてはいけない事件、つまり中国では「最大のタブー」なんです。

 

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天安門事件がどんな事件だったのか、オレが説明するヨーソロー

 

なぜ天安門事件は中国にとって最大のタブーなのか。

それを知るには事件を隠そうとしているものの正体を知ることが必要です。

それがこちらです。

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赤い龍が出てきました。

龍は中国では強さの象徴でもある伝説上の生き物です。

龍を中国共産党にみたてて説明していきます。

中国は、共産党が国を統治しているので、中国共産党=中国政府と言えます。

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その共産党が事件を隠そうとしているんです。

中国政府は、明確な結論を出しているとして改めて言う必要はないという立場なんです。

もし事件を見直す動きが起きれば、当然責任を追及されるでしょうし、言論の自由などを認めることにつながってしまうかもしれない。

そうなると、自分たちの立場を揺るがしかねないと考えているんです。

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そのため、天安門事件をきっかけに国民への締めつけをどんどん強めていくようになりました。

共産党や政府を批判する動きがあれば、その芽を摘んでおこうとしているんです。

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4年前には、弱い立場にある市民の問題解決に一生懸命に取り組む弁護士、つまり「人権派弁護士」など300人以上が、一斉に拘束されたり取り調べを受けたりしました。

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共産党や政府は、自分たちにとって批判的な動きに発展するのをおそれているんです。

 

そして、次はこちら。

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中国の人たちがインターネットを見ています。

国民がインターネット上で共産党の批判をしないように監視も強めているんです。

こちらも手が伸びてきました。

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共産党や政府に批判的な書き込みをしないように監視しているんです。

政府にとって有害な書き込みを見つけて通報する監視員がいて、人海戦術で書き込みを削除したり、最近ではAI・人工知能も使っているといわれています。

 

それに中国では、共産党や政府にとって不都合な事実は報道されません。

外国のメディアが衛星放送でそういったニュースを放送しても、中国国内で当局によって遮断されてしまいます。

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おととし、NHKが天安門事件から28年のニュースを放送したところ、突然画面が真っ暗になってしまいました。

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6月4日が近づいて現地の様子を北京にいる奥谷記者に聞くと…。

一見すると何の変哲もないふだんと同じ日曜日ですが、中国政府は事件を思い起こさせることはすべてシャットアウトしています。

中国の高速鉄道の列車には4けたの数字が割りふられていますが、あさっては8964号の列車が

運休になったようで予約ができないんです。

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この8964という数字が1989年6月4日という事件が起きた日を想い起こさせるということで、運休になったようです。

また、タクシーに乗って運転手に事件を覚えているかと聞いたら、「ああ、そういえばそうだなぁ」とやっと思い出したようでした。

中国政府の忘れさせる政策がかなりうまくいっていると感じますが、実際は口づてなどで、なんとなく知っている人は大勢います。

当時、学生や市民は政府を倒そうとデモを始めたわけではなく、中国をよい国にしたいという純粋な気持ちからデモに参加していました。

この30年、多くの市民は、あえて政治のことには関わらず、自分の生活をよくすることだけを考えるようにしてきました。

国がよくなってほしいという気持ちはあるけれど、タブーに触れて当局の監視が強くなったり、自分の生活に影響が出るのが怖いという一種の恐怖感で今のところは黙り込んでいると感じます。

 

天安門事件の活動に関わった学生たちを取材しました。

 

30年前、天安門広場で運動に参加していた王治新さんです。

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「心の痛みは長い時間がたっても消えていません。今も忘れることはできません。」

 

大学で法律を学んでいた王さんは、運動を率いる学生リーダーの1人でした。

運動が始まってからおよそ1か月。

政権指導部と学生側の異例の話し合いが行われ、王さんも参加しました。

その話し合いは平行線で終わりました。

その後、学生たちは武力で鎮圧され、多くの犠牲者がでました。

「とても悲しかったです。こんなに多くの人たちが命の代償を払ったことは、自分にも責任があると感じました」。

その後、21人の学生リーダーたちは「国の体制を揺るがそうとした」などとして指名手配されました。

王さんも拘束され、1年近く収容されました。

事件から30年たった今も、王さんは当局に監視されています。

いつかは海外で法律を学び、弁護士になりたいと考えていた王さんですが、指名手配されたことが影響して、仕事はなかなか見つかりませんでした。

今は親戚の仕事を手伝って生計を立てています。

王さんは、自分たちが率いた運動で多くの仲間が犠牲になったことに責任を感じています。

今は政治活動からは距離を置き、当時のことについてはずっと口を閉ざしてきました。

しかし、あれから30年、王さんは、事件の記憶が消し去られようとしていることに危機感を抱いています。

「何が起きたのかを知らなければ反省もできません。それはとても残念なことです。若い世代が事件を知ることができれば、未来の参考になるし、価値があることです。」

 

 

 

中国共産党は、中国の人たちが怒りを爆発させることはないように、人権派の弁護士を拘束したり、国民への情報を遮断したり、芽を摘んできたんです。

そして、国民に不満を持たせないように徹底してきたことがあります。

それが経済成長です。国民の生活を豊かにしようとしてきたんです。

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国民に生活の豊かさを実感してもらうため必死に経済成長を続け、世界第2の経済大国に成長することにつながったと言えます。

これがみなさんが感じる「強い中国」のイメージかもしれません。

 

ところが、経済成長をするなかで、最近、中国にとって困った人が出てきました。

アメリカのトランプ大統領です。

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いま、中国とアメリカは貿易摩擦をめぐって対立が激しくなっています。

トランプ政権の圧力によって中国の経済が悪化して、国民が生活の豊かさを感じられなくなった時には

不満が高まって、共産党や政府への批判が出るかもしれません。

中国は常に強気の姿勢を見せていますが、裏を返せば、天安門事件のあと、必死で成長させてきた経済を悪化させてはならないという危機感や弱さも持っているんです。

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「強さと弱さが表裏一体」

中国はいつも「強気」とイメージがあるかもしれませんが、それは危機感という「弱さ」の裏返しでもあるんです。

中国は国民に対しても、外国に対しても弱みを見せられない。だから、われわれには常にこわもての態度に見えるんです。

中国は「強さと弱さが表裏一体」ということを知って、これからも中国の動向を見ていく、つきあっていくことが大事だと思います。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年6月9日のゲストは、虻川美穂子さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:18:00 | 固定リンク


2019年05月30日 (木)

トランプ大統領 大相撲観戦から夕食会へ

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2019年5月26日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの吉沢悠さん、禰津博人デスクです。

 

この日の時間割です。

1時間目「トランプ大統領 大相撲観戦から夕食会へ」

2時間目「メイ首相 辞任 イギリスのEU離脱は」

 

5月25日に日本へやってきたトランプ大統領。

放送日のこの日は、安倍首相とともに大相撲夏場所の観戦を終え、東京・両国の国技館から六本木の炉端焼き店に向かっているところでした。

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せかいまの放送が始まってまもなく、トランプ大統領の車列が見え、両首脳が炉端焼き店へ入って行きました。

今回のトランプ大統領来日について、国際部・アメリカ担当の禰津博人デスクが解説しました。 04

トランプ大統領、来日は2回目ですが、今回は特別なんです。

というのも「令和初の国賓」だからです。

国賓とは、政府が外国の首脳などを招く際に最も格式が高い待遇で、滞在費は日本政府が負担します。

トランプ大統領は「日本の歴史的な時期に世界の中で唯一の主賓として招かれた」と期待を示していました。

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なぜトランプ大統領が「令和初の国賓」に選ばれたのかというと、日本にとってアメリカは唯一の同盟国であり、経済的にもつながりの深い重要な国だからです。

「令和初の来日」を通じ、緊密な関係をいかに「演出するか」という要素が強そうです。

そのため、日本側もトランプ大統領を“おもてなし”するさまざまな工夫を凝らしています。

 

ここで炉端焼きの店内の様子です。

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トランプ大統領は「相撲が印象的だった。日本の歴史的なタイミングで招いてくれてありがとう」と感謝の気持ちを述べていました。

 

ということで、スタジオにも夕食会の会場をイメージした炉端焼き店を準備しました。

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炉端焼き店は、このように長いヘラで料理をお客さんに提供します。

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トランプ大統領へのおもてなしの1つ目は「夕食会」。

実は永井キャスター、一足先にこの炉端焼き店に取材に行ってきたんです。

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店内はコの字型のカウンターが2つあって活気に満ちています。中にいる焼き物の担当者が料理を提供してくれました。

カジュアルな感じもしますが、日本政府は「日本文化が感じられる居酒屋でリラックスした雰囲気で意見交換したい」と説明しています。

また、トランプ大統領はお酒は飲みませんが、素材を活かした料理が好きとも言われています。そのため、こうしたお店になったのではないかと思われます。

 

続いてトランプ大統領に提供されたおもてなしが、こちら。

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「大相撲」観戦です。

トランプ大統領は格闘技好きとして知られていて、日本の伝統的な大相撲にも関心があったようです。

観戦中もいたるところにおもてなしが隠されていました。

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土俵に近い場所に「マス席」を設ける工事を行い、ソファーも設置するという極めて異例の対応を取りました。

あぐらをかく習慣がないため、今回特別に準備したようです。

また厳しい厳戒態勢もとられました。

瓶や缶入りの飲み物の販売を制限したほか、「座布団を投げないように」とチラシを配るなどして注意を呼びかけました。

そして海外の首脳としては史上初めて、優勝力士に「アメリカ合衆国大統領杯」という特別杯を直接贈呈しました。

ホワイトハウスによると特別杯は、アメリカで作られ、重さはおよそ30キロ、高さは137センチあるということです。

今後も毎年5月の夏場所で、優勝力士に贈られる予定だということです。

 

調べてみると、日米の外交の舞台に大相撲が選ばれたのは今回だけではないことがわかりました。

19世紀の幕末にペリー提督の一行が来日した際、江戸幕府はペリー提督たちに相撲を披露したそうなんです。

黒船の襲来で江戸幕府に動揺が走る中、アメリカに力強い力士を見せることで、日本人のたくましさをアピールして、けん制したのではないかと言われています。

 

さらにはこんなことも。

1907年には、セオドア・ルーズベルト大統領が当時の横綱・常陸山(ひたちやま)をホワイトハウスに招きました。

ホワイトハウスの部屋に用意された、土俵の形をしたマットの上で横綱が稽古相撲を披露したところ、大統領は歓声をあげて喜んだとされています。

“大相撲外交”は160年以上前から日米の間で行われていたのかもしれません。

 

そして、今朝はこんなおもてなしもありました。

ハンバーガーにゴルフと書かれていますね。

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安倍首相とトランプ大統領といえば「ゴルフ外交」です。

ハンバーガーはトランプ大統領の好物で、この日、ゴルフの合間の昼食にもチーズバーガーが出されました。そしてこちらは、安倍首相のツイッターに投稿された写真です。

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両首脳の仲を一気に近づけたものが、共通の趣味であるゴルフです。

そのゴルフも今回で5回目。

トランプ大統領が就任して初めて行われたおととしの首脳会談では、両首脳は1日で2つのゴルフ場をはしごするほどでした。

トランプ大統領はゴルフもビジネスの交渉に利用すべきという考えを持っていて、今回もゴルフを通じて意見交換が行われた可能性もあります。

 

安倍首相とトランプ大統領は、世界の首脳で最も多く会っていると言われています。

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今回の来日でも良好な関係を強調しているトランプ大統領ですが、実はもう1つの表情が隠されています。

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この日まではおもてなし要素が強かったのですが、このあと重要な日程がたくさん組まれています。

特に27日は、トランプ大統領にとって大切な1日となりそうです。

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まずは外国の首脳として、初めて天皇皇后両陛下との会見、夜には晩さん会も行われます。

そして日米首脳会談、さらには北朝鮮の拉致被害者家族との面会などが予定されています。

 

ここで注目したいのが、日米首脳会談です。

トランプ大統領は多くの外交問題を抱えていますが、これは日本にとっても大きな影響を及ぼすものばかりなんです。

 

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トランプ大統領の外交問題は日本にも関係することばかりなんだヨーソロー

 

安倍首相は来月中旬にもイランを訪問し、ロウハニ大統領との首脳会談に臨む方向で検討しています。

イラン情勢が緊迫化する中、安倍総理はアメリカとイランの仲介役を担いたいと考えていると思います。

この訪問が実現できるか、その最終的な対応はトランプ大統領との会談の結果も踏まえて決めるものとみられます。

 

さらにアメリカは中国との貿易交渉が激しくなっていますが、それだけでなく、私たち日本にも直接関わる問題が、あすの首脳会談で話し合われる見通しです。

それが、日本とアメリカの間の貿易交渉の課題です。

特に重要なのが、日本の自動車とアメリカの農産物をめぐるものです。

この貿易問題はまだ交渉中で、トランプ大統領はツイッターで「夏の日本の参議院選挙まで待つ」などと投稿しています。

ということで、月曜日の首脳会談で何かを具体的に合意するということにはならなそうです。

 

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「新時代もアツアツ。でもヒヤリ…も?」

今回の大統領訪日は令和新時代の幕開けをお祝いし、日米の蜜月な関係をアピールすることが最大の目的です。

しかし、不確定要素があるとすれば、そこは予測不可能とされるトランプ大統領本人となるでしょう。

突然、貿易赤字の問題などで日本に要求を迫ってくる可能性もあるかもしれません。

あすは首脳会談の後、共同記者会見も予定されており、トランプ大統領の言動から目が離せません。

 

 

2時間目は、イギリスのメイ首相の辞任についてお伝えしました。

EUとの離脱交渉を進めてきたメイ首相、ついに辞任を表明しました。

次の与党の党首候補として世論調査でトップを走るのが、前の外相のボリス・ジョンソン氏です。

EU離脱を主張している「離脱派」の顔と言える人物です。

ジョンソン氏は、メイ首相の離脱方針に反発して去年、外相を辞めました。

2012年のロンドン・オリンピックの時の市長で派手なパフォーマンスでも知られています。

失言が多く、リーダーとしての資質を疑問視する声もありますが国民には人気があります。

離脱問題で行き詰まっている保守党にとっては、国民からの支持を取り戻すきっかけになるかもしれないと、そんな期待もあるようです。

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もしもジョンソン氏が首相になったら、EUとの交渉はさらに難しいものになりそうです。

EUに対して強気な姿勢で交渉に臨み、例えば今ある合意を見直してほしいとEUに求めるとみられます。しかし、離脱の期限は10月末です。

メイ首相が2年あまりかけてもまとめられなかったことを短い時間でやるのはかなり難しいと思います。

「合意なき離脱」になれば、EUとイギリス双方にとって最悪のシナリオになり、イギリスの混乱は続くことになりそうです。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年6月2日のゲストは、伍代夏子さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:16:55 | 固定リンク


2019年05月23日 (木)

1.ケタはずれ!インド総選挙 2.ヨーロッパ議会選挙

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2019年5月19日の出演者のみなさんです。

左から、Mr.シップ、永井伸一キャスター、ゲストの福田萌さん、坂下千里子さんです。

 

この日の時間割です。

1時間目「ケタはずれ!インド総選挙」

2時間目「ヨーロッパ議会選挙 イギリスでは第2の国民投票?」

3時間目「分断のパレスチナつなぐサッカー大会」

 

インドでは、5年に1度行われる総選挙の最終盤。

そのスケールがケタはずれ!?なんです。

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いろいろな数字「9億」「2300」「100万」「7」が書いてありますが、みなさん何の数字かわかりますか?

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有権者の数は9億人。

政党の数は2,300以上。

投票所がおよそ100万か所。

投票は、4月11日から5月19日まで7日にわけて行われます。

こうした規模からインドの総選挙は「世界最大の選挙」と言われています。

 

インドのバラナシという町から太勇次郎ニューデリー支局長が解説しました。

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気温40度のバラナシでは、最後の投票が行われています。

太支局長の後ろに流れているのはガンジス川です。

インド国民の多くを占めるヒンドゥー教にとって最も神聖な川で、ここで沐浴すると罪を洗い落とすことができると信じられています。

 

世界最大の選挙でとにかく時間がかかるインドの選挙では時間を短縮するために、こちらのような電子投票の機械が使われています。

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投票の仕方はとても簡単で、支持する政党のボタンを押すだけです。

インドは読み書きできる人の割合が73%と低く、間違わずに投票できるように政党のマークや写真を使うなどして配慮しているんです。

 

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スタジオにはガンジス川をイメージしたセットを用意しました。

 

今回の選挙は543議席を争う選挙で5年に1度行われます。

各政党は事前に首相候補を決めて選挙にのぞみます。

つまり、事実上の国のリーダーを決める選挙なんです。

現在のインドの首相はこの人。

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モディ首相です。こちらのお面は選挙グッズで、ほかにも、うちわなどもあります。

インドではこうした選挙グッズを使っての選挙戦が、とても盛り上がるんです。

このモディ首相が続投できるかどうかが、今回注目されているんです。

貧しい紅茶売りの家の生まれで首相までのぼりつめ、5年前に首相になってから、次々と経済政策を打ち出しました。

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[インドのモディ首相についてオレが説明しヨーソロー]

 

5年前の選挙では圧勝したモディ首相。

モディ首相の経済政策により、インドは毎年7%前後の高い成長を続けてきました。

この経済政策こそが、今回の選挙の大きな争点なんです。

モディ首相がインド経済を急速に成長させたと評価する人がいる一方で、国民の半分以上を占める農家の人たちは、経済成長の恩恵を受けていないと不満を爆発させています。

その不満の受け皿となっているのが…

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最大野党を率いるラフル・ガンジー氏です。

「ガンジー」と言われると、インド独立の父をとして知られる「マハトマ・ガンジー」氏を思い浮かべますが、その子孫ではありません。

ただ、ひいおじいちゃん、おばあちゃん、お父さんも首相を務めたインド政界の御曹司なんです。

選挙では農家への支援を公約の柱に掲げて支持拡大を図っています。

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投票前の世論調査では、モディ首相が続投できるかどうか微妙だという見方も出ていたんです。

 

そこで、モディ首相が続投の秘策としたのがこちらです。

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ヒンドゥー教はインド国民のおよそ8割が信じている宗教です。

そのヒンドゥー教徒の支持をしっかり固めようとしています。

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しかし、ヒンドゥー教を重視するモディ首相の姿勢は、新たな火種も引き起こしています。

舞台となっているのは、インドとイスラム国家のパキスタンが長い間領有権を争っているカシミール地方です。

ことし2月、インドの治安部隊がパキスタンのイスラム過激派組織から自爆攻撃を受けました。

それ以降、両国の間では軍事的緊張が高まっています。

こうした中、モディ首相はインド北部の町で大規模な選挙集会を開きました。

10万人が参加したこの集会で、パキスタンとの緊張関係を引き合いに出し、ヒンドゥー教徒の結束を訴えました。

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ヒンドゥー教徒の意識が高まる中で、宗教対立が激しくなる心配が出てきました。

国民の分断も高まっているんです。

もともとモディ首相は、ヒンドゥー教徒寄りともいえる方針を打ち出していたこともあり、そうした雰囲気に乗じた過激なヒンドゥー教徒たちによるイスラム教徒を狙った暴動や殺人事件が1年間で800件を超えました。

 

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今回の総選挙のキーワードは「ゾウ使い」。

 

インドはよく大きなゾウに例えられます。

ゾウは、国際社会の中で存在感を高めてきましたが、体が大きすぎるがゆえの難しさも抱えています。

貧富の格差が拡大し、社会の多様性が失われつつあると感じます。

世界最大の民主主義国家のゾウ使いに誰が選ばれるのか、選挙の結果が注目されます。

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2時間目は、EU離脱を控えたイギリスについてお伝えしました。

10月まで先送りが決まったイギリスのEU離脱ですが、5月23日~26日にかけて5年に1度の「EU議会選挙」があります。

EUに加盟している27の国、それぞれの有権者がその国の議会とは別に、EUの議会に送る議員を選びます。

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本来はヨーロッパ全体をどうするかということが争点になる「EU議会選挙」ですが、イギリスでは「大混乱に陥った離脱の問題をどうするの?」という議論ばかりが出ています。

そのため、“2度目の国民投票”とも言われています。

イギリスでは「離脱派」と「残留派」の対立は激しくなっていて、今回の選挙に合わせて新しい政党が次々と出来ているんです。

こちらを使って解説します。

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今、注目されているのが「離脱党」です。

離脱が実現しなくてイライラしている人たちの支持を集めていて、世論調査では支持率は34%とトップを走っています。

 

残留派も「チェンジUK」という名前の新しい政党を立ち上げ、もう1度国民投票を行って、イギリスをEUに残留させるしかないと主張しています。

しかし、こちらの世論調査での支持率は5%と低調です。

ただ、2回目の国民投票を求めているほかの政党の支持率と足すと、残留を求める勢力は31%で離脱党の34%に迫っています。

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メイ首相が党首を務める保守党はというと、もはや選挙で勝てるとは考えていません。

いまの焦点は、いかに党の傷を浅くするかという感じです。

保守党が行った調査では「党員の64%がファラージュさんが作った離脱党に投票する」と答えたということです。

保守党ではEUの議会選挙が終わったらメイ首相が辞任し、その後継者を選ぶ党首選挙が始まる可能性が出てきました。

そもそもイギリスから見ると、縁を切りたいEUに代表を送り込むというおかしな選挙です。

国民からは「どの政党を支持したらいいのかわからない」という戸惑いの声も多く聞かれます。

保守党の中で新しいリーダー選びという内輪の問題に時間をとられていると、あっという間に10月の離脱期限を迎えることになります。

気がついたら秋だったということにならないよう願いたいものです。

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これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年5月26日のゲストは、吉沢悠さんです。

投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:13:00 | 固定リンク


2019年05月16日 (木)

トランプ大統領 トラになる!?

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2019年5月12日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの高橋真麻さん、国際部禰津博人デスクです。

 

この日の時間割。

1時間目「トランプ大統領 トラになる!?」

2時間目「トンガと日本 深~い関係」

3時間目「南スーダン 元少年兵のいま」

 

1年半ぶりに弾道ミサイルを発射した北朝鮮。さらにイランでも気になる動きが…。

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国際部アメリカ&中東担当・禰津デスクが、トランプ大統領の「トラ」にかけて、北朝鮮とイランのいまを解説しました。

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こちらの「トランプ外交早わかり装置」を使って、トランプ大統領が北朝鮮とイランの2つ国をどう見ているのか説明していきます。

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実は、トランプ大統領は、北朝鮮に対して、最近はトラではなく猫でした。

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北朝鮮は今月4日に1回目の発射を行いましたが、トランプ大統領は、表面上怒りを見せていませんでした。

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トランプ大統領のツイッターでは「キム委員長は私との約束を破りたいとは思っていない」と、北朝鮮の出方を見守っていました。

なぜかというと、3回目の米朝首脳会談に意欲を示しているのです。

北朝鮮への直接的な非難は避けて、対話ムードを保っていこうとしたのだと思います。

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ところが北朝鮮はそのわずか5日後にまた、発射。

さすがのトランプ大統領も、メンツを潰された形となり「とても深刻に捉えている。誰も喜んでいない」と述べ、不快感を示しました。

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アメリカ国防総省も2回目は「弾道ミサイルだった」とする分析結果をすぐに明らかにしました。

弾道ミサイルはものすごいスピードで、核弾頭を遠くまで運ぶ力を持っています。

つまり、核ミサイルになってしまいます。

今回は短い距離だったとしても、いずれアメリカに直接届く弾道ミサイルの発射まで行ってしまう可能性もあります。

それはトランプ大統領にとって最悪のシナリオです。

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そうならないために、北朝鮮に「これ以上は控えるべきだ」と釘を刺したんです。

このままでは2人に芽生え始めた信頼関係も台無しになってしまうと警告する意味合いもあったかもしれません。

 

北朝鮮の狙いを、中国総局で北朝鮮を取材している長野記者に聞きました。

ひとことで言うと、アメリカに対する憤りを実際の行動で示す必要があると判断したからだと思います。

アメリカが一方的に非核化を要求しながら、制裁の解除など、見返りをくれないことは「規約違反だ」「強盗のようだ」とまで言っています。

北朝鮮は、これまで何度も挑発を繰り返してきています。

国際社会からの批判をものともせず、再びもとに戻ることもありえるというメッセージを示したかったのだと思います。

今の状態がつづけば、米朝首脳会談を行う雰囲気ではありませんが、アメリカから何としても「制裁解除」を勝ち取りたいと思っている北朝鮮は、挑発することが狙いだったのかもしれません。

北朝鮮はアメリカから何としても制裁解除を勝ち取りたいと思っています。

トランプ大統領を本気で怒らせない程度に危機感を演出して、その上で、譲歩を引き出そうとする北朝鮮の得意の交渉術がまた始まったのかもしれません。

 

その北朝鮮に1度は不快感を示したトランプ大統領ですが、次の日には態度を変えました。

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トランプ大統領の態度はちぐはぐしているようにも見えます。

ただこれは、裏を返せば、北朝鮮との非核化の交渉が行き詰まりを見せている現れなんです。

北朝鮮の挑発的な行動は不愉快だけれど、対話を決裂させるわけにはいかないと思っているんです。

 

北朝鮮には、トラ猫で接してきたトランプ大統領ですが、イランに対しては…

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猫どころか怒り狂った、トラになっています。

 

アメリカとイランは今月になって緊張が一気に高まっていて、トランプ大統領は、イランを追い詰めようとしているんです。

ちょうど1年前に関係を決裂させた大きな動きがありました。

イランの核開発をやめさせようと、世界の主な国が一緒になって結んだ「核合意」を、トランプ大統領が一方的に離脱すると言い出したのです。

 

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「核合意」についてオレが説明しヨーソロー

 

核合意は、オバマ大統領が主導して実現しました。

ところが、オバマ前大統領がとにかく嫌いなトランプ大統領は、「この合意は欠陥だらけだ」と主張して離脱しました。

 

さらにトランプ大統領の周りには、イランが大嫌いな側近が揃っていて、イランに対して強硬的な政策を次々と繰り出しています。

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その1つが、イランで最も重要な産業「原油」の輸出をできなくしたことです。

イラン経済は相当なダメージを受け、この1年で通過の価値は3分の1にまで減りました。

食料品や日用品が激しく値上がりしていて国民の間に不満が高まっています。

 

さらに、トランプ大統領は軍事面でも新たな圧力をかけ始めました。

イランの周辺に、原子力空母や爆撃機など次々と展開すると発表し、イランを威嚇しています。

 

追い詰められたイランは、これまで何とか耐えてきましたが、ついに先週大きなカケに出てきました。

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「イランの経済が改善しなければ、60日後に核開発を再開させる」と揺さぶりをかけてきたんです。

しかし仮にそうなると、アメリカだけでなくイランと敵対している中東の国々との間で一気に軍事的な緊張が高まります。

もしかしたら、戦争が起きてしまうかもしれません。

 

ここで鍵を握るのが、これまで仲介役を担ってきたヨーロッパの国々です。

この60日間にヨーロッパの国々が、制裁に苦しむイランに手を差し伸べることができるのか、そして核開発の再開をしないよう説得できるかどうか、時間が限られているため非常に厳しい交渉となりそうです

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「イランにかみつきそうなトランプ大統領。北朝鮮に猫かぶるのいつまで?」

イラン情勢は待ったなしです。

一方の北朝鮮についてはトランプ大統領は今は様子見ですが、それもいつまで続くかはわかりません。

世界の安全保障に大きく関わるこの問題についてしっかりと見ていかないといけない時期にきています。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年5月19日のゲストは、福田萌さんです。

 

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:15:19 | 固定リンク


2019年05月08日 (水)

ロ朝首脳会談 今後の北朝鮮と関係国は

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2019年4月28日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストのパックン、国際部佐々一渡デスクです。

 

この日の時間割。

1時間目「スリランカ同時爆破テロ1週間 現地では」

2時間目「ロ朝首脳会談 今後 北朝鮮&関係国は」

3時間目「難民問題訴える “スーパー高校生”」

 

1時間目は、インド洋にあるスリランカの同時爆破テロ事件についてお伝えしました。

日本人も犠牲になったこのテロ事件から1週間が経ちました。

これまでに日本人1人を含む253人が死亡しました。

捜査当局によると実行犯は9人で、ほとんどが裕福な家庭で育ち、高学歴で留学経験がある者もいます。

キリスト教徒のお祭りの日に起きたので、少数派のキリスト教徒や外国人観光客を狙ったのではと見られています。

かぎを握るのは、リーダー格だったザヘラーン容疑者です。

ザヘラーン容疑者は当初は敬けんなイスラム教徒だったそうですが、イスラムの教えを忠実に守ろうと訴える集会をめぐり警察とトラブルになり人が変わったといわれています。

その後、インドなどを転々とし、過激なビデオをインターネット上で発信するようになりました。

そしてその間に接近したとみられるのが過激派組織IS=イスラミックステートなのです。

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一時期、中東で勢力を拡大したISですが、今は弱体化が進み、メンバーはアジアなど自分の国に戻ってきています。

そうした中で、居場所を失ったISの関与の疑いが強まったことで、アジアにとって新たに脅威になりかねない事態となっています。

 

 

2時間目は、

ロシアを訪れた北朝鮮のキム・ジョンウン委員長について、国際部佐々一渡デスクが解説しました。

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ロシアのプーチン大統領と初めての首脳会談を行ったキム委員長ですが、

本当に会いたかった相手は、別にいたようです。

 

それは、アメリカのトランプ大統領です。

今回のプーチン大統領との首脳会談も、トランプ大統領を意識したものだと言えそうです。

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こちら、世界の首脳たちが集うカフェです。

お客さんは、キム委員長とトランプ大統領。

去年の6月、史上初めての米朝首脳会談が行われました。

世界からも注目を浴び、キム委員長も会談は成功したと、とても満足気でした。

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ここにお客さんが入ってきました。プーチン大統領です。

じつはこの頃、キム委員長はプーチン大統領からも会談の誘いを受けていました。

誘いは何度かあって「9月の国際会議に合わせてはどう?」とか、具体的な誘いもありました。

 

ただ、このときはキム委員長はプーチン大統領の誘いには応じませんでした。

具体的な理由は明らかにされていませんが、まずは、トランプ大統領との2回目の会談を成功させたいと考えていたのかもしれません。

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そしてことし2月、キム委員長にとって待ちに待った2回目の米朝首脳会談。

キム委員長は「非核化は進める。その代わりに経済制裁を少しずつでも緩めてほしい」と求めました。

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しかしこの会談は、物別れに終わりました。

キム委員長の主張に対し、トランプ大統領は「非核化が完全に終わるまで、制裁は緩められない」と。

2人はどうしても折り合えず、双方の立場が違うことはわかっていましたが、ようやく会談をしたのに何も決まらずに終わってしまいました。

キム委員長にとっても想定外のことだったと思います。

 

ここで、キム委員長は以前に誘われていたプーチン大統領との首脳会談に応じることにしました。

これが今回のロ朝首脳会談です。

キム委員長は「3回目の米朝首脳会談を開きたい」という気持ちが大きく、そのためには新たな作戦が必要だと考えました。

ロシアは世界でも発言力のある大国です。

北朝鮮にとって、中国のほかに歴史的にも関係が深い国。

しかもこれまでも、非核化を進めれば、少しずつ制度を緩めてもいいんじゃないかと、北朝鮮の立場に理解を示していました。

会談でもプーチン大統領は「キム委員長から朝鮮半島の情勢をめぐる立場をアメリカに伝えてほしいと言われました」と話しました。

つまりキム委員長は、自分の立場をアメリカに伝えて、そしてそれを後押ししてねとプーチン大統領にお願いしたのです。

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プーチン大統領が自分たちの仲間であるとアピールをしたのでしょうか。

キム委員長がプーチン大統領にお願いしてまで3回目の会談を開きたいのは、やはり国際社会による制裁が効いているからなんです。

北朝鮮の国民生活にも影響が出ていて、制裁を緩めてもらいたいと思っているんです。

そのために必要なのが、アメリカのOKをもらうことです。

 

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[北朝鮮への制裁はここ数年どんどん厳しくなっているんだヨーソロー]

 

キム委員長は、経済に力を入れる姿勢を鮮明にしているだけに、何としても制裁を解除してもらいたい。だからここまで、アメリカとの交渉を再開させることに必死になっています。

そのために「3回目の米朝首脳会談を開きたい」と、プーチン大統領と会談するという作戦にまで出ました。

 

ただ、キム委員長の作戦はそれだけではありません。

 

ここで、メニューが届きました。

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トランプ大統領にもういちどテーブルについてもらうために、キム委員長が用意した特別メニュー、「戦術誘導兵器」と「トランプ大統領の側近批判」です。

これは、新型の兵器のようなんですが、写真なども公開されていないので、これがどういったものなのか詳しいことは一切わかっていません。

この兵器の発射実験が、先日、キム委員長も立ち会って行われました。

 

このメニューには、隠し味があるんです。

それがこちら。

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「自分たちのことをしっかりと見てほしい」ということです。

つまり「このまま交渉に応じないと、またかつてのように挑発をすることになるかもしれないよ」というメッセージなんです。

そしてもう1つの「トランプ大統領の側近批判」とは、最近の北朝鮮の高官が、米朝首脳会談にも同行したトランプ大統領の側近に、かなり厳しい発言をしています。

隠し味は「大切なのは大統領だけ」。

というのも、側近は批判しても、トランプ大統領本人については、一切批判しない。

今月もキム委員長「トランプ大統領との個人的な関係はすばらしい」と強調している。

つまり、トランプ大統領と直接話をしたいんだと呼びかけているのだと思います。

 

キム委員長はここまでいろいろしていますが、3回目の米朝首脳会談は本当に実現するのでしょうか。

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「北朝鮮もアメリカ・ファースト」

トランプ大統領の「アメリカ第1主義」とはもちろん違う意味ですが、制裁緩和にしても北朝鮮が何よりも重視しています。

自分たちの国を守るためにも、アメリカが最もカギになる国です。

つまり、北朝鮮のあらゆる行動は常にアメリカを見据えているということです。

そしてそのアメリカの大統領の中で、トランプ大統領は直接話ができた初めての相手です。

北朝鮮としては、今のトランプ大統領のうちに、できるだけ交渉を進めておきたいのが本音だと思います。今後もさまざまな形でアメリカの出方を探り、国際社会にも働きかけながら、自分たちにできるだけ有利な環境を整え、次の直接対話のチャンスをうかがっていくことになると思います。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年5月12日のゲストは、高橋真麻さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:14:18 | 固定リンク


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