2019年11月 7日

2019年11月07日 (木)

キャラが濃い顔ぶれ!?アメリカ大統領選挙あと1年

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2019年11月3日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストのサヘル・ローズさん、国際部の花澤雄一郎デスクです。

 

 

「ついにアメリカにやって来たぜ!!」。

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Mr.シップと永井キャスターが訪れたのは、東京の福生市。

ここにはアメリカ軍の基地があり、アメリカが感じられる街なんです。

 

アメリカ大統領選挙まで、あと1年。

再選を目指すトランプ大統領は、誰とたたかうのでしょうか?

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国際部・アメリカ担当の花澤雄一郎デスクが解説しました。

トランプ大統領は、来年11月3日の大統領選挙での再選を目指していますが、その戦う相手が、いよいよ見え始めています。

その相手も負けず劣らず「キャラの濃い人」になるかもしれないんです。

誰がいったい大統領になるのか、世界にも影響が大きいですし、私たち日本への影響も大きいので、どうなるのか、見ていきましょう。

 

まずはこちら。

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アメリカには、共和党と民主党の2つの大きな政党があります。

そして、トランプ大統領は共和党の代表です。

その対戦相手となる民主党の候補者選びが、年が明けると始まります。

中でも有力な3人について説明していきます。

 

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来年のアメリカ大統領選挙で、トランプ大統領とたたかう民主党の有力な3人を紹介するヨーソロー

 

打倒トランプ大統領を目指す、つわものは、全員、元気な70代です。

 

1人目は、バイデン氏、76歳。

いわゆる「フツーのおじさん」です。

オバマ政権で、副大統領をつとめました。

 

2人目は、ウォーレン氏、70歳。

大企業が嫌いで、大統領になったら大企業を解体すると言っています。

 

3人目は、サンダース氏、78歳。

最高齢の「ミスター格差」。

むかしから、貧しい人とお金持ちの間に広がる格差を縮めようと、訴えてきました。

 

この人たちの考えを知るためには、まず2つの政党の考え方を知る必要があります。

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トランプ大統領がいる共和党が大切にしているのは「強いアメリカ」や「伝統」です。

「強いアメリカこそが、国を発展させていく」という考え方です。

 

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一方で、民主党が大切にしているのは「弱者に優しい」社会。

貧しい人、弱い人は、政府が支えるべきだという考え方です。

 

ただ、どちらの党も人によってこうした考えが強かったり弱かったりします。

どういうことなのか、みなさんの考え方をこちらのメーターで見ていきましょう。

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より共和党度の高い人たちは、どんどん色の濃い赤色にいって、より民主党度の高い人たちは、どんどん青色の濃い左にいきます。

 

トランプ大統領は共和党の考えが特に濃い存在です。

「アメリカファースト」「強いアメリカ」を訴えていますよね。

 

対する民主党ですが、まず「ふつーのおじさん」のバイデン氏は、民主党の中でも、濃度は薄めです。

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オバマ政権では8年間副大統領をつとめたので、知名度もありますし、安定感も売りです。

 

続いて、「ミスター格差」のサンダース氏。

この人は、民主党的考え方の濃度が、限界ぎりぎりというぐらい濃い人です。

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格差の解消が最大の目的で「1%の富裕層が富を独占しているのはおかしい」というのが決まり文句です。

前回4年前の民主党の候補者選びでも、この主張1本で若者の絶大な支持を集めました。

まだ人気があるんですが、78歳と高齢ですし、健康不安もあります。

 

そこで、代わりに台頭しているのが「大企業嫌い」のウォーレン氏。

民主党の濃度がどっちが濃いかと、サンダース氏と競い合ってるような状況です。

やはり格差の解消を求めていて、怒りの矛先は大企業や富裕層に向いています。

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この2人のような民主党濃度の高い人たちは、「急進左派」と呼ばれています。

 

こちらが、最新の世論調査です。

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いろいろな調査の平均値なんですが、

1位 バイデン氏 28%。

2位 ウォーレン氏 20%。

3位 サンダース氏 17%。

となっていて、それ以下を引き離しています。

 

バイデン氏がトップですが、勢いがあるのは「急進左派」です。

2人をあわせた支持は4割強を占めます。

それだけ、いまアメリカでは格差に対する不満が強いんです。

 

ただ、両極端の考えは、危険な一面もあります。

例えば「経済政策」で見ていきましょう。

まず共和党ですが、企業にできるだけ自由に競争させた方が経済が成長する、それがアメリカを強くする、という考えがあります。

トランプ大統領は企業が払う税金を安くするなど「大企業に優しい」政策を取りました。

実際、景気もよくなったし、失業率も非常に低くなった。

ただ、一方で金持ちはどんどん豊かになり、格差がより広がっていくという危険も指摘されています。

 

一方、「弱者に優しい」サンダース氏とウォーレン氏は、格差を縮めようと、逆に「企業やお金持ちの税金を高くするべき」など「大企業と富裕層に厳しい」政策をとっています。

 

「大企業嫌い」なウォーレン氏は、グーグルなど大手IT企業の「GAFA(ガーファ)」を解体すべきだ、とまで訴えているんです。

「大企業を解体しよう。フェイスブックのザッカーバーグCEO!あなたのことよ!」。

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アメリカ経済をひっぱってきた大企業をばらばらにしてしまうと、経済に悪影響が出て、逆に貧しい人が増える、格差が広がる、と危険性を懸念する声もあります。

 

もうひとつ「移民政策」を例に見ていきましょう。

トランプ大統領は、メキシコとの国境に壁を作るなど「不法移民に厳しい」姿勢を取っています。

 

これに対して、サンダースさんとウォーレンさんは「不法移民にも寛容」な対応を訴えています。

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この両極端の考え方で、いまアメリカ社会は、大きく分断される深刻な事態になっているんです。

 

 

民主党支持者が多いカリフォルニア州では、移民を積極的に受け入れていて、全米の4分の1・300万人近くの不法移民が暮らしているという推計もあります。

そうした移民に対しては、手厚い支援が行われています。

 

特に目立つのが、教育面での支援です。

カリフォルニア州には、不法入国の学生らを対象にした専門の窓口を設けて、経済面での相談に応じる大学があります。

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「不法移民の学生でももらえる、州の奨学金があります」。

「相談窓口の人たちは、親切でとてもうれしいです」。

「肌の色や国籍は関係ありません。私たちは差別しません。カリフォルニアは移民に優しいんです」。

 

しかし、カリフォルニア州に住む共和党支持者からは、州が進める移民への寛容な政策や貧困層の支援といったいわゆる「リベラル」な政策に反対する声もあがっています。

カリフォルニア州がリベラル化することに反対する人が集まり集会が開かれました。

参加した人たちは「不法移民反対派と賛成派でカリフォルニア州を2つに分割しよう」という目標を掲げていました。

 

移民に寛容なカリフォルニア州に耐えられないと、共和党支持者が多いテキサス州に移住した人もいます。共和党支持者のポール・シャボーさんは、3年前、4人の子どもと妻とともにカリフォルニアからテキサスに引っ越しました。

不法移民が増えて治安が悪化したと感じていましたが、民主党に支配されたカリフォルニア州は、対応を変えないだろうと考えたからです。

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「学校は荒れていて、治安も制御不能です。でも民主党がすべてを牛耳っているから、わたしたち共和党の意見は通らないんです」。

シャボーさんは、カリフォルニアに住む共和党支持者に対して「移住しよう」と呼びかけています。

「ウェブサイトなどへのアクセスが1日に数万件あるんですよ」。

 

最近の世論調査では、カリフォルニアの共和党支持者の4分の3が「もうカリフォルニアには住みたくない」と回答したといいます。

 

シャボーさんの呼びかけに応じて、実際に移住を決めた共和党支持者もいます。

生まれ故郷のカリフォルニアを離れ、テキサスに永住する決意をした男性は、

「カリフォルニアのリベラルな地域では、自分が共和党支持者だなんて怖くて言えない。考えを口にすることすらできないんです」。

 

「住み分け」とも言えるこうした行動が、社会の二極化をあおっているのではないか。

シャボーさんにそう質問すると「民主党が極端すぎるせいだ」という答えが返ってきました。

「私たち共和党は、以前と変わっていません。民主党が、あまりにも極端になってしまった。私たちにとって話し合う余地はありません」。

 

 

両極端に見えるトランプ大統領と民主党の急進左派ですが、実はそもそも根っこは同じものなんです。

それは、「現状への不満」です。

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自分たちの不満や怒りを胸のすくような言葉で代弁してくれる政治家を強く支持する、という現象です。

例えば、大企業や富裕層に不満を持つ人たちは、サンダース氏やウォーレン氏の言葉に吸い寄せられ、また別の人たちは不法移民が仕事を奪っている、とか、ルールを破る中国が仕事を奪っている、というトランプ大統領の言葉にそうだ!と熱狂します。

考え方の違いから2つに分かれ、互いを憎しみ合うところまで分断が進んできました。

 

一方、バイデン氏なら、比較的常識的な政策になりそうですが、それだとこの人たちの不満はさらに大きくなる可能性もあります。

 

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「感情の政治」。

アメリカ社会が真っ二つに割れ両極化した結果、どちらが大統領になるかで、政策も極端から極端に触れることになります。

その根本にある人々の不満を解消しない限り、この流れは止まらないのかもしれません。

世界のリーダーであるはずのアメリカは、不満に根ざした極端な政治を続けるのか、それとも安定を目指すのか。

来年2月に始まる民主党の候補者選びが大きなカギを握っています。

 

 

 

【この日の時間割】

1.キャラが濃い顔ぶれ!? アメリカ大統領選挙あと1年

2.イギリスまさかの総選挙 さらに混迷?EU離脱

3.ニューヨーク式 クールなリサイクル

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年11月10日のゲストは、初登場!井頭愛海さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:15:20 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク


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