2019年3月 7日

2019年03月07日 (木)

中国の経済 波乱が起きる?

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2019年3月3日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、国際部松田智樹デスク、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの児嶋一哉さん、国際部久米井彩子デスクです。

 

1時間目は、ベトナムのハノイで行われた米朝首脳会談について国際部アメリカ担当・久米井彩子デスクが解説しました。

2時間目は、減速する中国経済を国際部中国担当・松田智樹デスクが解説しました。

 

中国にはこんな言葉があります。

「逢九必乱」(ほうきゅうひつらん)。

末尾に9が付く年は波乱が起きるという意味です。

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実際に1979年には、中国とベトナムの間で戦争が起きたり、1989年には、「天安門事件」が起きたりしました。

今年は2019年。中国ではすでに波乱の予兆が見えているんです。

 

この日は東京マラソン。

せかいまでも、こちらのマラソン会場のセットを使ってお伝えしていきます。

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ランナーは中国の習近平国家主席。

沿道にいる国民の声援を受けて快調に走っています。

 

先ほど、波乱の予兆が見えているとお伝えしましたが、

その波乱の原因の1つが、雨雲になって登場したアメリカです。

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マラソンに雨は大敵。

中国は、去年3月以降、アメリカからかけられた高い関税に悩まされてきました。

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これに対し中国は、アメリカに同じ水準の関税をかけるという手段で身を守ってきました。

しかし、中国への関税の引き上げは続き、いまや輸出する製品のほぼ半分に高い関税がかけられています。その結果、ランナー(習主席)のペースはぐっと落ちてしまいました。

中国では、「空飛ぶクルマ」や人工知能=AIなどのハイテク産業が育ってはいるものの、経済は明らかに減速傾向です。

これが中国の「波乱の予兆」です。

中国って「爆買い」とか景気が良いイメージだったけど、今は違うんです。

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中国で経済成長のスピードがどうして遅くなったのか、オレが説明するヨーソロー

 

「経済成長率」とは、どのくらいのスピードで経済が成長しているかを表す数字です。

マラソンでいえば、ランナーの「ペース」になります。

 

中国の経済規模は世界2位。世界の経済の大きな影響力があります。

そんな中国経済が今後どうなるかを示す数字なので、「目標」でも毎年世界中が注目しているんです。

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(こちらは3年前に松田デスクが中国で撮影した写真です)

 

人々が床に這いつくばって、何かを見ています。

実はこの人たち、世界中から集まった記者なんです。

見ているのは、こちらの政府の報告書です。

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例年30ページ以上もあり、このように漢字がびっしり書かれています。

この中のどこかに、「ことしの経済成長率の目標」が書かれているんです。

記者たちはできるだけ早く世界に発信しようと、報告書を受け取ったらその場で開いて「目標」がどこに書かれているのか必死で探すんです。 

 

ことしの目標はあさってから始まる、年に1度の重要な会議、全人代=全国人民代表大会の初日に発表されます。

去年の成長率は6.6%と28年ぶりの低水準でした。

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今年は去年をさらに下回る「6%~6.5%」になると予想されています。

中国は経済規模が大きいので、経済成長率が少しでも低くなれば、社会のさまざまな分野に影響が出てくると考えられます。

そのため、去年より低い「6%~6.5%」というのは厳しい予想と言えます。

その背景には中国の景気の悪化があります。影響はすでに雇用や企業の活動にも出ています。

中国内陸部の地方都市では多くの人々が仕事を求めています。

地方政府などの財政状況が悪くなり、インフラ投資が減ったことで、建設関係の仕事が減っているためです。

企業は人件費削減のためリストラを行ったり、海外に工場を移すことを考えています。

 

アメリカとの貿易摩擦がもっと深刻になり、中国でさらに仕事がなくなると…

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沿道で習主席を応援していた国民が怒りだしました。

雇用は国民生活に直結するので、不満が高まれば習主席の面目は丸つぶれになります。

中国としては、経済を立て直すために、アメリカとの貿易摩擦を早く終わらせたいというのが本音です。

このため、中国はアメリカに「日本円で130兆円余りもの大豆や天然ガスを輸入しますよ」などと提案しています。

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つまり、「アメリカからたくさんモノを買うことで、トランプ大統領が不満を示しているアメリカの貿易赤字を削減します」という方針です。

そうしてアメリカとの交渉をまとめたいわけですが、中国はもう1つのある問題について、アメリカから攻められています。

それは、走るために大事なアキレス腱とも言える「ハイテク産業」です。

中国は、ハイテク産業を発展させることで経済成長を成し遂げようとしています。

これは習主席の肝いりの国家戦略です。

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しかしトランプ大統領は、そうしたハイテク産業の技術を中国がアメリカから盗んでいると批判しています。

さらに中国は、国内に進出している外国企業の技術を強制的に提供させているとも言われています。

中国はこれを否定していますが、アメリカは「国際ルールに違反している」としてやめるよう求めています。

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アメリカがこのまま強気の姿勢で交渉してきた場合、中国は得意の「持久戦」に持ち込む可能性があります。

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マラソンはスタミナ勝負ですが、中国には長く走り続けることができる、ある“秘策”があるんです。

それは、中国は共産党の1党支配で政権交代がないことです。

 

一方のアメリカはというと…

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ここでトランプ大統領が登場しました。

 

もし、トランプ大統領が来年の大統領選挙で、仮に落選したりすると…。

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トランプ選手、転んでしまいました!

そうすると、アメリカは政権が変わることになります。

そして中国に対して少し優しい政権に変わるかもしれないと期待しているんです。

これは政権交代がない中国だからこそできることと言えます。

 

ただ、持久戦に持ち込んでも経済の厳しい状況が変わるわけではありません。

そのため、仕事を増やすために公共事業をバンバンやったり、消費を呼び起こすために減税したりして景気を良くしようとしているんです。

 

世界が注目する中国経済の行方ですが、今後の注目点は、今月中にも開かれそうな習主席とトランプ大統領の首脳会談です。

そこで、今週のまとめです。

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「逢九必乱 米中波乱!? 今年も注目 チャイナのRUN」

 

ロシア疑惑に追い込まれているトランプ大統領が外交で成果をあげようと、中国に強気の姿勢で臨んでくるかもしれません。

交渉が決裂すれば中国の経済がさらに悪化し、習主席にとっては絶対的だったはずの権力基盤が揺らぐきっかけとなる可能性もあります。

 

習主席にとって、いかに波乱を起こさず順調に走り続けることができるのか、正念場の1年になりそうです。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年3月10日のゲストは、前田航基さんです。

投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:13:00 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク


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