2018年11月29日

2018年11月29日 (木)

ゴーン前会長逮捕&米中首脳会談迫る

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2018年11月25日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの濱田龍臣さん、国際部布施谷博人デスクです。

 

まず日産自動車のカルロス・ゴーン前会長の逮捕について、

ゴーン前会長にインタビューもしたことのある国際部経済担当・布施谷デスクが解説しました。

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カリスマ経営者の突然の逮捕に大きな衝撃が広がっています。

 

この事件をそわそわしながら見守るある国のリーダーがいます。

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フランスのマクロン大統領です。

 

日産は20年ほど前に経営危機に陥りました。

そのときに手を差し伸べたのがフランスにある自動車会社「ルノー」なんです。

日産はルノーから6000億円を超えるお金を出してもらって、ルノーと提携しました。

そのとき、日産を立て直すため、ルノーから送り込まれたのがゴーン前会長だったんです。

またこのとき、ルノーは日産の株式の43%を手にして日産に強い影響力を持つようになったんです。

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ルノーが兄貴分、日産が弟分とでもいう上下関係になりました。

その兄貴分のルノーの株式を一番持っているのが、実はマクロン大統領率いるフランス政府なんです。

 

そのフランス政府には、ある野望があるんです。

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それは、ルノーと日産の合併です。

マクロン大統領は、ルノーと日産が絶対に離れられないようにしたいと考えている、と言われています。

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日産は経営危機からV字回復を果たして、業績は完全にルノーを上回っています。

日産とルノーが合併すれば日産のばく大な利益がフランスに入ってきますし、日産が持つ電気自動車などの重要な技術も手にすることができます。

しかし、ルノーは日産の株式の43%を持っているといっても50%には届いていないので、完全に支配している訳ではないんです。

だから、なにかの拍子に日産が提携から離れてしまう可能性はゼロではないんです。

マクロン大統領は、大統領になる前、経済・産業を担当する大臣だったんですが、そのときから「日産とルノーを合併させて離れられないようすることが、フランスの利益になる」と考えていたと言われているんです。

マクロン大統領は今回の事件を受けて、「注意深く見守っていきたい。株主として支援したい」とコメントしていますが、困ったことになったと思っているはずです。

マクロン大統領にしてみれば、“ゴーン前会長が合併を進めてくれる”と思っていたはずです。

 

ただ日産にしてみれば、「日本企業として、経営の自主性は失いたくはない」というのが本音です。

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ゴーン前会長も合併には慎重な立場でしたが、ことしになって、ルノーと日産の将来について「不可逆的、つまりもとに戻らない関係を考えている」と、合併に前向きともとれる発言をしたんです。

まずはゴーン前会長に代わって誰に舵取りを任せるのかを決め、経営を安定させなければなりません。

ただ、日産には日産の思いがありますし、ルノーも当然、人を送り込みたいと思うでしょう。

またフランス政府の意向も影響しますので、これからいろんな駆け引きがありそうです。

 

 

続いて、「米中貿易摩擦」について、引き続き、布施谷デスクが解説しました。

30日からアルゼンチンでG20=主要20か国の首脳会議が開かれます。

その場で、トランプ大統領と習近平国家主席の会談が予定されています。

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2人が会うのは実に1年ぶり。

貿易で激しい応酬を続けているさなかに2人が直接会うだけに、どんな話になるのか世界中が注目しています。

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ボクシングのリングを使って説明していきます。

 

米中は「高い関税をかける」というパンチを次々と繰り出して対立。

強烈な関税パンチを中国に打ち込みました。

「中国からいっぱい輸入品が入ってくるから、アメリカは赤字だ!」

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一方、やられた中国も黙っていません。

アメリカに向かって報復パンチ。

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アメリカに大きなダメージを与えました。

そこからお互い殴り合いに。

相手の国にとって、大きな稼ぎになっていたモノに対してお互いが高い関税を掛け合いました。

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アメリカは中国の輸出品のほぼ半分に関税引き上げのパンチを打ち込んでダメージを与えています。

中国もアメリカからの輸入品の7割にパンチを打ち、互いに一歩も引かない状態です。

さらにアメリカは、次のパンチも用意しています。

来年1月に関税の税率を引き上げて中国にさらにダメージを与えようとしているのです。

 

アメリカでは、来年1月からのさらなる税率アップを前に、中国製の原材料など大量に買いだめをする企業も。

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中国も…

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[中国でじわじわと広がる米中貿易摩擦の影響を調べてきたヨーソロー]

 

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この数字からわかるように、今回の貿易戦争、中国側にもジワリと影響が出始めています。

 

そんな状況の中、1年ぶりに会うトランプ大統領と習近平国家主席が、どんな話し合いをするのか注目されています。

楽観はできませんが、もしかしたら進展があるかもしれません。

というもの、首脳会談を前に中国が貿易問題を解決するためにアメリカにあるものを送ったと言われています。

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貿易問題解決のための取り組みを盛り込んだ142項目に登るリストです。

具体的な内容は明らかになっていませんが、リストを見たトランプ大統領は「かなり完成した内容だ」ともコメントしています。

ただ、「大事な項目が4つ5つ漏れているので、受け入れられない」とも言っています。

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中国が少し拳を下ろし、後ろに下がるようなポーズを取っているような状態ですが、これはもしトランプ大統領がリストを受け入れないなら“悪いのはアメリカだ”とまたパンチを出すぞ、という状況なんです。

今回の会談で、トランプ大統領の出方によっては対立はいっときは和らぐかもしれません。

しかし、アメリカと中国の対立は根深く簡単には解消できません。

アメリカ政府や議会の中には、トランプ大統領よりもはるかに激しく中国を批判する声が渦巻いているからです。

 

今、徹底的に戦わないと、取り返しがつかなくなる、「もっと戦え」という意見がかつてないほどに強くなっています。

トランプ大統領はそういう国内の声も聞きながら首脳会談に臨まなければなりません。

今度の首脳会談でトップ同士がどんな言葉を交わすのか、日本を含め世界にも大きく影響しますので、よく見ていきたいと思います。

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これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2018年12月2日のゲストは、藤本隆宏さんです。

投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:17:48 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク


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