2018年4月12日

2018年04月12日 (木)

キング牧師暗殺から50年

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2018年4月8日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、坂下千里子さん、ゲストの堀内孝雄さん、Mr.シップ、国際部石井勇作デスクです。

 

「私には夢がある。いつの日か、私の4人の幼い子供たちが肌の色ではなく人格で評価される国に住むと言う夢だ」

1950年代から60年代のアメリカで、人種差別の撤廃を訴えた「公民権運動」のリーダー、マーチン・ルーサー・キング牧師の有名な言葉です。

 

彼が追い求めた「夢」。そこに、いまのアメリカは、どこまで近づいたのでしょうか。

国際部石井デスクが解説しました。

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“みんなが豊かに暮らせる差別のない社会”と言う理想を掲げたキング牧師。

理想実現のために何をしたのかと言うと、深刻だった黒人に対する人種差別の解消と、貧困、経済的格差の解消を目指す運動を行いました。

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最もよく知られている「I have a dream.」(私には夢がある)と言う言葉は、

全米から25万人が集まったといわれる大規模なデモ「ワシントン大行進」に合わせて行われた演説の一節です。

 

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ことし2月に行ったアメリカの世論調査では、公民権運動の目標達成(キング牧師の夢の実現)について「すべて、またはほとんど達成された」と答えた人は、8%にとどまっていました。

 

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アメリカでは、建国以来、アフリカから連れてきた黒人を奴隷として働かせていました。

その状態が変わったのが、アメリカ国内で戦われた「南北戦争」です。

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黒人奴隷制度の廃止を掲げた北部と、制度存続を主張する南部が戦いました。

戦争の最中、1863年、リンカーン大統領が「奴隷解放宣言」を出し、奴隷制度は廃止されました。

 

しかし、実態はまったく別でした。

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州が決める「州法」という形で、白人による黒人の「人種分離」が進められました。

人種分離とは、例えば水飲み場では…

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白人も黒人も、水は飲めるから「平等」。

しかし、白人用はクーラー付きで冷たい水が飲め、黒人用は、おそらく生ぬるい水しか飲めなかったのでしょう。

 

差別意識が強く残っていた当時の南部では、白人と黒人が別なのは当たり前と言う考え方でした。

「人種分離」とは、実態としては事実上の「人種差別」でした。

 

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1950年代、アメリカで黒人が虐げられていたある日、南部アラバマ州で起きた事件が歴史を動かしたんだヨーソロー。

 

このほかに選挙でも、ひどい差別がありました。

黒人は投票権を得たのに、字が読めないからなど様々な理由をつけられて、投票のために必要な有権者登録をさせてもらえませんでした。

このため、いつまでたっても政治に参加することはできませんでした。

 

しかし、キング牧師は、暴力に対抗することなく座り込みや裁判など、平和的な行動で世論に訴えました。

それが、「ワシントン大行進」です。

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ここで、アメリカ史上に残る名演説で差別の撤廃を訴えました。

「I have a dream.」(私には夢がある)

 

そして、1964年には人種差別を禁じた「公民権法」が、翌1965年には、黒人の投票権を保障する「投票権法」も制定されました。

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その後もキング牧師の夢に近づける動きがさらに続きました。

それが「アファーマティブ・アクション」です。

これまで差別されてきた黒人等の少数派、マイノリティーを優遇しようとするものです。

 

さらに、9年前に黒人初の大統領となったオバマ大統領誕生が、1つの最高到達地点となりました。

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しかし、今度は揺り戻しが起きます。

アメリカの人種の割合は、白人が半数以上を占めるのに、逆に差別をされているようだと、違和感を感じる人たちが出てきました。

 

そこに現れたのがトランプ大統領。

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白人層の中に出てきた不満を巧みに汲み取りました。

特定の人種や宗教に対する差別発言を繰り返したり、いわば“負の感情”を煽りました。

そのため今は、“夢の最高到達地点”からだいぶ遠ざかってしまった地点にいるといえます。

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キング牧師の意思を継ぐ人はどのような思いでいるのでしょうか。

 

キング牧師の息子さん、マーチン・ルーサー・キング3世さんに聞きました。

父は3つの悪をこの世からなくしたいと言っていました。

「貧困」「人種差別」「軍国主義・暴力」です。

父の時代にあった問題に、いまだに取り組み続けているのは残念です。

 

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アファーマティブ・アクションなどもあり、進学や雇用の面でチャンスを得られた黒人は増えましたが依然として格差は大きいです。

 

さらに、キング牧師が訴えたもう一つの大切なこと、「暴力のない社会」の実現も遠いです。

アメリカ社会は銃による犯罪が後をたちません。警察官による黒人の射殺も繰り返されています。

 

先月ワシントンで、数十万人が参加した、銃規制の強化を訴えるデモが行われました。

呼びかけたのは、フロリダ州の高校生たち。

かつてキング牧師が率いた公民権運動のように、若者達が起こした銃のない社会の実現を求める行動が、今後大きなうねりとなっていくのかは、まだわかりません。

ただ、理想の社会を実現するために立ち上がり行動する姿を見て、理想を追い求めたキング牧師の夢が、今の若者たちにも受け継がれているように感じました。

 

 

 

※リハーサル時の写真も掲載しています。

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2018年4月15日のゲストは、初登場!前田航基さんです。

 

投稿者:スタッフ | 投稿時間:19:02 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク


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