

南米ブラジルの中央部。標高1200メートルの高原に首都ブラジリアがあります。人口180万。20世紀の半ば、無人の大草原にわずか4年で作られた人口都市です。世界でも例を見ない、「過去を持たない首都」です。町全体が世界遺産に指定されています。ブラジリアの設計はパイロットプランと呼ばれています。上空から見ると、飛行機の形をしています。未来へ羽ばたくという意味が込められています。整然と区画整理された町は、20世紀の都市計画のモデルでした。この町の主な公共建築を設計したのが、ブラジルを代表する建築家、オスカー・ニーマイヤーです。ニーマイヤーは元々、直線的なモダニズム建築を手掛けていました。しかし、ブラジリアの開発計画に呼ばれ、長年温めていたアイディアを発表します。それは、女性や自然が持つ曲線美を、建築に取り入れることでした。無機質な直線でなく、官能的な曲線こそが、宇宙を構築していると考えていたのです。

