

19世紀半ばの産業革命時に、イギリスの実業家タイタス・ソルトはソルテアという工場の町をつくり、その完璧さから後の産業集落や都市計画のモデルとなりました。
「シリーズ世界遺産100」では、ソルトが町をつくった狙いとその町並みや施設の数々を紹介します。ソルトはアルパカの毛を使った織物製品で大成功した経営者です。当初工場はブラッドフォードという工業都市にありましたが、町は大気汚染や伝染病の蔓延という問題が悪化していました。生産性が上がらないと判断したソルトは、何もない土地に工場と労働者の町を築いたのです。工場には最先端の設備を供え、碁盤の目に区切られた町は安全性と清潔さを最優先したものでした。町には850軒の労働者住宅がきれいに並び、立派な公民館や病院などの公共設備も完備されました。これらは全て、工場の生産性を上げるためにソルトが建てたものですが、結果として理想的な都市造りとなったのです。晩年のソルトが建てた救貧院を見ると、町の人々が快適に暮らし長生きしたことがうかがえます。

