

アメリカのイリノイ州に、カホキアという9〜14世紀の先住民の集落跡があります。北アメリカでは最大級の先住民集落遺跡で、15平方キロメートルの土地にマウンドと呼ばれる墳丘が約120も残されています。マウンドは先住民たちが人工的に築いたもので、コロンブスの新大陸発見以前にアメリカに高度な文明と組織を持った社会があったことを物語ります。
「シリーズ世界遺産100」では、マウンドや出土品の研究から解明されたアメリカ先住民社会の一端を紹介します。マウンドの形や大きさは様々ですが、最大のモンクス・マウンドはその土台部分の広さがエジプトのピラミッドをしのぐという巨大なものです。マウンドの上には集落の長が住み、宗教的儀式が行われたと思われます。指導者の権威を高め、天の神に近い場所で儀式を行うために大きなマウンドが築かれたのです。先住民たちは長を中心にした階層社会を築き、高度な文明を持っていました。出土品からは豊かな文明を証明する土器や、長が大きな力を持ち集落を統率していた様子がうかがえます。

