

パリの郊外、1万7千ヘクタールに及ぶ広大な森の中にフォンテンブローの宮殿があります。フランス屈指の広さと美しさを誇る宮殿は、600年にわたり29人の国王が好んで訪れた場所です。この宮殿が華麗に変貌を遂げたのは16世紀です。時の王、フランソワ1世がルネッサンス様式の宮殿に作りかえました。本場イタリアから多くの芸術家を招聘して完成した宮殿は、フランスの宮廷趣味に順応した優美で洗練され空間を作り上げたのです。その象徴が、長さ60メートルにわたるフランソワ1世の回廊です。回廊には14点のフレスコ画が飾られ、その周囲には化粧漆喰の天使や女神像を配した装飾で埋め尽くされています。贅を極めた宮殿は、18世紀末に起きたフランス革命で荒廃します。革命後、宮殿に君臨したのがナポレオンでした。その惨状にナポレオンは宮殿の改築を命じます。そして自らの権力を象徴する宮殿に作りかえました。ヨーロッパ全土を席捲する勢いで戦うナポレオンが、つかの間の憩いを求めたのがこの宮殿でした。
「シリーズ世界遺産100」では、ナポレオンの栄光と没落の歴史が刻み込まれたフォンテンブロー宮殿をご紹介します。

