

ポーランド北部のマルボルクにある、中世ヨーロッパで最大級の城郭です。赤レンガで固められた堅固な城で、13世紀にドイツ騎士団が本拠地として建設したものです。
「シリーズ世界遺産100」では、城博物館学芸員の案内でドイツ騎士団がたどった歴史を紹介します。ドイツ騎士団とは、武力でキリスト教を布教することを使命としたカトリックの騎士修道会です。騎士たちは僧侶で、城は修道院でもありました。城には教会や祈りのための部屋があります。十字軍遠征から戻った彼らは、異教徒の地であったポーランド北部に進出します。しかし布教は口実で、目的は騎士団の国家を造ることでした。ドイツ騎士団は強大な軍事力で次々と領土を広げ、バルト海沿岸に帝国を築いたのです。さらに琥珀を資金源にして貿易にも力を入れ、莫大な富も手に入れました。城は権威と力の象徴であり、城内の騎士団総長の館は宮殿と呼ばれるほど豪華でした。城には、賓客をもてなす設備も充実していました。騎士団の支配は多くの反発を買っていたため、ヨーロッパ中の王侯貴族を招いて支持を取り付けようと連日、饗宴を繰り広げていたのです。15世紀初め、さらなる領土拡大を図ったドイツ騎士団は、カトリックの国であるポーランドとリトアニア連合王国と戦争をし、大敗します。騎士団国家の野望は潰えたのです。

