世界遺産ライブラリー



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アグラ城

  • 国 名 :インド
  • 分 類 :文化遺産
  • 登録年 :1983年
  • 遺産名(英語):Agra Fort

インド北部のヤムナー川岸に横たわるアグラ城は、周囲2.5qに及ぶ広大な城塞です。16世紀から300年余に渡ってインドで繁栄を誇ったイスラム勢力のムガル帝国皇帝の城で、帝国の強大な力と栄華を今に伝えています。
「シリーズ世界遺産100」では、城内の様々な建築物を中心に紹介します。それらは皇帝の絶大な権力を示しており、同時に悲劇的な末路も表しています。
第3代皇帝アクバルによって着工されたアグラ城は、赤砂岩でできた重厚な城壁で囲まれ「赤い城」と呼ばれています。赤色は帝国の力強さの象徴でした。対照的に、城内にある多くの建物は純白です。第5代皇帝シャー・ジャハーンが自分の好みに合わせて、白大理石を使った華麗な宮殿に仕上げたのです。公謁殿やモスク、皇帝の寝殿、ハーレムなど、すべてが総大理石で造られた優雅な姿をしています。しかしシャー・ジャハーンは晩年、皇帝の座を狙った三男によって城内に幽閉されてしまいました。皮肉なことにその場所は白大理石に宝石を散りばめた皇帝好みの部屋で、皇帝は死ぬまでの8年間、出ることを許されなかったのです。幽閉された皇帝が部屋から見ていたのが、川向こうにあるタージ・マハル、白亜の妃の霊廟でした。栄華を誇った皇帝は、亡き妃への想いだけを慰めにしながら息を引きとったのです。