

北イタリアのピエモンテ州とロンバルディア州にはアルプス山脈を背景に、豊かな森と美しい湖が広がります。その一帯に15世紀、「サクロ・モンテ(聖なる山)」と呼ばれるカトリックの聖地が次々建設されました。聖地は小高い山の頂上が選ばれました。雄大な自然と宗教的建築が融合する9つのサクロ・モンテは、現在もイタリア最大の聖地として多くの巡礼者が訪れます。
「シリーズ世界遺産100」では、最初に作られたバラッロのサクロ・モンテの歴史を通して、カトリックの信者にとって巡礼が、どのような意味を持っていたのかを紹介します。15世紀、北イタリアに次々、巡礼のための聖地が建設されたのには事情がありました。第一に、オスマントルコの侵攻によってエルサレムへの巡礼が危険になったこと。第二には、アルプスの北側で宗教改革の運動が活発化していたことです。新しい聖地「サクロ・モンテ」の創始者は、ベルナルディーノ・カイミ神父。神父は若い頃エルサレムに巡礼し、イエスの足跡に触れ感銘を受けました。故郷のバラッロの戻り、新しいエルサレムを築くため、サクロ・モンテの建設を決意します。場所は町の背後にある山の頂上が選ばれました。礼拝堂を建設し、その中にフレスコ画と彫刻によって、福音書に記されたイエスの生涯が再現されました。巡礼者が礼拝堂を巡ることによって、イエスの生涯を追体験出来るようになっています。

