

ラオスの南部、タイとカンボジアの国境付近に位置するチャンパサックは、5〜15世紀にかけて繁栄した都市です。ワット・プーはクメール人によって築かれたヒンドゥー教寺院遺跡で、現在は仏教寺院としてラオスの人々の信仰を集めています。
「シリーズ世界遺産100」では、「カオプン」という米の麺を売りながら、3人の子どもを育てるジェンタイさんの案内で、ワット・プー寺院遺跡を紹介します。ジェンタイさんが住んでいるのは、プーカオという山のふもと。この山の中腹にワット・プー寺院遺跡があります。7世紀ごろ、このあたりに住んでいたクメール人がプーカオの山の形に聖なるものを感じ、ここに寺院を建てたと言われています。「ワット・プー」のワットは「寺」、プーは「山」、つまり山の寺という意味です。当時クメール人が信仰していたのはヒンドゥー教です。寺院の参道には、男根をかたどった「リンガ」が飾られています。14世紀、現在のラオス人がこの地方に入り、ヒンドゥー教の寺院であったワット・プーに、仏像を安置しました。仏教徒であるラオス人は、ワット・プー寺院をそのまま利用したのです。今も寺院遺跡内部はヒンズー教の飾りと仏像が混在し、不思議な空間をつくり出しています。今は仏教寺院として、ジェンタイさんをはじめ、ふもとの人々のあつい信仰を集めているのです。

