

トゥボン川沿いにたたずむ古都ホイアンは、かつての国際交易都市の面影を今に伝える港町です。16世紀から発展したホイアンの町並みには、戦禍を逃れた400軒以上の木造建築が建ち並び、昔と変わらぬ人々の暮らしが息づいています。
「シリーズ世界遺産100」では、ホイアンの人々に大切に受け継がれている家々や建造物を通して、その歴史と、町を昔のままに保存しようとしている人々の姿を紹介します。ホイアンのメインストリートのはずれに、「日本橋」と呼ばれ、人々に親しまれている橋があります。ホイアンは、16世紀後半から外国船の入港が活発になり、17世紀には日本人町や中国人町がありました。二つの町をつなぐ役割を担ったこの橋は、今も使われ、当時の商人たちが行き交った様を彷彿(ほうふつ)とさせます。ホイアンの人々は、「日本橋」をはじめ、代々受け継いだ物を守りながら暮らしています。軒を連ねる家々は、古くは150年以上前の木造家屋で、京都の町屋に似たベトナム伝統の奥行きの長い構造をしています。最近、観光客が急増し、ホイアンは変化の波にさらされています。しかし、人々の営みには、なんとか古きよき物を次の時代に伝えようという姿があるのです。

