

スペイン北西部のアストゥリアス地方。8世紀初め、イスラム教徒に追われたキリスト教徒たちは、この地にオビエドを首都とする王国が築きます。ここにあるキリスト教の聖堂など、6つの建造物が世界遺産に登録されています。オビエドは、イスラムに占領されたキリスト教徒がスペイン国土を奪還しようとするレコンキスタ発祥の地であり、スペインの原点と呼ばれます。
「シリーズ世界遺産100」では、レコンキスタの歴史を通して、オビエドに残る古くて小さな聖堂がスペインにとってどのような存在なのかを見てゆきます。711年、イベリア半島はイスラム勢力によって占拠されました。アストゥリアス地方に追いやられたキリスト教徒は、洞窟に立てこもって戦い、イスラム軍を撃退します。小さなカトリックの王国は徐々に国土を回復しながら、やがてスペイン王国へと発展してゆきます。キリスト教徒がスペイン全土を回復したのは1492年、実に800年近い長い戦いでした。その出発点となったオビエドの聖堂は、スペインにとってまさに聖地といえるのです。スペインでカトリックの伝統が守られたこの地の聖堂からは、独自の建築様式が生まれました。プレ・ロマネスク様式と呼ばれ、後にヨーロッパ聖堂建築の一時代を築くロマネスク様式の先駆けとなりました。

