世界遺産ライブラリー



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九寨溝

  • 国 名 :中国
  • 分 類 :複合遺産
  • 登録年 :1992年
  • 遺産名(英語):Jiuzhaigou Valley Scenic and Historic Interest Area

四川省の西北部にある九寨溝は、原生林が生い茂った50キロほどの渓谷に、大小100あまりの湖沼や瀑布が点在する景勝地です。付近にチベット族の村落である「寨」が9つあったことから九寨溝と名付けられました。140種類もの鳥類や、ジャイアント・パンダなどの危機に瀕している動物たちが生息する場所としても知られています。
「シリーズ世界遺産100」では、九寨溝の美しくも不思議な風景を、それがどのようにでき上がったのかを解き明かしながら見てゆきます。4000メートルを越えるこの山岳地帯は、およそ2億5千万年前に海底が隆起してできました。氷河期の終わり頃、氷河は前進と後退を繰り返し、山の地面を削りながら消えて行き、あとに岩石や土砂の堆積物が残されました。そこに大量の石灰を含んだ地下水が湧き出し、石灰が堆積物に付着した結果、棚田のような湖沼の連なりができたと考えられています。透明の湖底には、樹氷のような「石灰華」が横たわっています。これは倒木に石灰が付着してできたものです。石灰は森の形成にも重要な役割をはたしています。堆積物に石灰が付着して出来た堤には、無数の小さな穴が開いています。そこに樹木の種子が引っかかり、激しい流れの中でも、根付くことができるのです。木が育つとその周りにさらに石灰や苔がつき、そこに植物が生えて森が広がっていきます。大自然は、人間の想像をはるかに超えた造形を生み出す、天才芸術家です。