2020年01月15日 (水)近づく台風と いちから知るハザードマップ


※2019年10月21日にNHK News Up に掲載されました。

大きな被害をもたらした台風19号に続き、相次いで台風が発生、影響が続いています。身を守るための情報は「どこに」「どんなもの」があるのか。ハザードマップを中心に知ってすぐに役立つ情報、まとめてみました。

ネットワーク報道部 目見田健・ 鮎合真介

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台風のあと…
台風のあと話題になったツイートがありました。

「地名は災害の記憶を伝えている」

地名には災害が過去にあったことを示すケースがあり、参考になるという内容のものでした。

一方で、「合併などにより変わった地名もある。必ずしも災害と結び付けない方がよい」という主旨のツイートも広がっていて、台風19号の被害で、土地の危険性への関心が高まっていることがうかがえました。

そして、次のようなツイートも登場しました。

chikazuku.191021.2.jpg国のサイトでは
災害での危険な地域などを示したのがハザードマップで、さまざまな行政機関に掲載されています。そこで、どこにどんな情報が出ているかを見てみることにしました。まずは国土交通省です。

chikazuku.191021.3.jpg「国土交通省ハザードマップポータルサイト」というサイトがあり、
▽「重ねるハザードマップ」と
▽「わがまちハザードマップ」という2つがありました。

ハザードマップポータルサイト

重ねるハザードマップ
このうち、「重ねるハザードマップ」は、自分の住んでいる住所を入力すると周辺の地図が示されます。

そして▽洪水▽土砂災害▽津波▽道路防災情報の4つの種類の災害情報を見ることができます。

chikazuku.191021.4.jpg重ねるハザードマップ
東京・江戸川区と入力し、洪水情報をクリックしてみると、河川の近くを中心にほぼ全体がベージュとピンクになりました。

この色は台風などによる最大規模の洪水浸水想定区域を示したもので
▽ベージュになったところは0.5メートルから3メートル、▽ピンクでは3メートルから5メートルの浸水想定だと説明されていました。

国土交通省によるとこれらの情報は、▽国が管理する445の河川と▽都道府県が管理する107の河川について国や自治体が想定した情報を元に作られているということでした。

わがまちハザードマップは
次にもう1つの「わがまちハザードマップ」を使ってみました。こちらも自分の住んでいる都道府県と市区町村を入力します。

するとその自治体がどんなハザードマップを作っているかが出てきます。

試しに東京・足立区と入力すると「洪水」ハザードマップや「高潮」ハザードマップがあることがわかりました(ため池が多い地域では「ため池」ハザードマップなども載っています)。

chikazuku.191021.5.jpgわがまちハザードマップ

クリックすると自治体のホームページに飛ぶ仕組みになっていて、自分が暮らす地域だけでなく、離れて暮らす親族が住む地域などのハザードマップも簡単に探すことができそうです。

ただし…
ただこちらに出ている情報、必ずしも自治体が想定した最新の情報を反映したものではないようで、更新ができていないケースもあります。参考にしたうえで、やはりそれぞれの市区町村などで確認したほうがよさそうです。

浸水ナビもありました
さらに「地点別浸水シミュレーション検索システム」、「浸水ナビ」と呼ばれるものもありました。

「地点別浸水シミュレーション検索システム」

河川の名前を入力すると堤防が決壊した場合にどの地域がどれくらいの時間で浸水するのかを見ることができました。

chikazuku.191021.6.jpg浸水ナビ

多摩川と入力してみると青い点がたくさんでてきました。青い点一つ一つが堤防が決壊した場所を示します。1つの点をクリックし、左上の「アニメーション表示」を再生してみると10分後、20分後…12時間後24時間後などと時間の経過が示され、時間経過によってどのように浸水が広がっていくのかが、視覚的にわかりました。

chikazuku.191021.7.jpg浸水ナビ
注意!全国の河川が網羅されていない

ただ現在このサイトに掲載されているのは国の管理するおよそ7割にあたる300余りと、都道府県などが管理している100ほどの河川だけです。

「都道府県管理の河川は都道府県が作成した情報を元に作ります。こちらに情報が届いたもののまだ作成できていなかったり、シミュレーションの情報が来ていなかったりするものもあるんです」(担当者)

ハザードマップ、何がわかるのか
では肝心の市区町村が作っている洪水ハザードマップにはどのような情報が出ているのか、今回の台風19号の影響で多摩川が氾濫した東京 世田谷区が作成している多摩川周辺の洪水ハザードマップを見てみました。

chikazuku.191021.8.jpg浸水の深さ
想定しているのは多摩川流域の2日間の総雨量がおよそ590ミリという記録的な大雨が降った場合です。

chikazuku.191021.9.jpgまず浸水の深さを朱色の濃淡で色分けしています。色が濃くなる地域ほど洪水が起きた時、浸水が深くなることがわかります。

浸水の深さの目安として一軒家を使ったイメージ図もあり、例えば3メートルの浸水で住宅の1階の天井まで、5メートルの浸水で住宅の2階の天井まで水につかることがわかります。

chikazuku.191021.10.jpg家屋倒壊も

さらに洪水による家屋倒壊のおそれもわかります。薄いグレーの斑点で囲まれている部分のことで、「家屋倒壊等氾濫想定区域」と呼ばれていて、より早めの避難が必要とされています。

chikazuku.191021.11.jpg避難のしかたも

そして避難については、「水平避難」「垂直避難」の2つのパターンを載せています。

chikazuku.191021.12.jpg「水平避難」は避難所や安全な場所、それに近隣の高い場所へ移動することで、「家屋倒壊等氾濫想定区域」に住んでいる人たちなどを対象としています。

一方、「垂直避難」とは建物の2階以上など、より高い場所へ移動する避難方法で、洪水や大雨などが激しくなり、避難のために屋外に出るほうがかえって危険な場合だとしています。

ここへ逃げて、こっちに逃げて
また避難所の場所と名前が赤丸で示されていたり、矢印で目安となる避難の方向なども示されています。ハザードマップというと、危険な地域だけを示すものというイメージがありましたが、それだけでなく「大雨の被害が起きそうな時に必要なさまざま情報が、簡潔にまとめられている地図」という気がしました。

chikazuku.191021.13.jpgマップの過信は禁物
ただ洪水ハザードマップは、あくまで想定した雨量に基づいてシミュレーションしたもので、想定した雨量に達しない場合でも、集中豪雨などによって短時間に局地的に浸水が発生する可能性はありますし、台風19号では浸水の想定域に含まれていない場所でも、犠牲者が出ています。

ハザードマップによって想定される危険を知ったうえで、低い土地や河川の近くではそれ以上の備えをする、そうした心構えがこれからの台風にも必要となりそうです。

投稿者:目見田健 | 投稿時間:13時59分

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