2019年01月28日 (月)あなたのアキレス腱を狙う "U.S.A.外傷"!?


※2018年12月4日にNHK News Up に掲載されました。

平成最後の忘年会。
あのダンスで盛り上げよう!と日頃の運動不足も顧みず特訓中の大人たちのアキレス腱が狙われています。
ぎっくり腰に捻挫もあります。

その名も“U.S.A.外傷”。

でも大丈夫、この記事を読めばあなたも軽やかに「カモン ベイビー アメリカ」です。

ネットワーク報道部記者 鮎合真介・玉木香代子・田隈佑紀

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<忘年会に向け特訓中!>
忘年会シーズンを迎えこんなツイートが目立ってきています。

ana181204.2.jpgそうです。DA PUMPのことしの大ヒット曲、「U.S.A.」を忘年会で披露する(せざるをえない)人たちの声です。
本家の踊りが見られるYouTubeの動画は、再生数が1億2000万回。

なんと、日本の国民ほぼ全員が1度は見たことになるほどで、キレッキレのダンスを披露しようと多くの人が繰り返し見ながら、悲喜こもごもの声をつぶやいているのではないでしょうか。


<歴代忘年会芸の中でも激しい!?>
その年々の流行を映す忘年会の余興。
平成を振り返ってもさまざまな踊りが披露されてきました。

記憶に新しいところでは、荻野目洋子さんのヒット曲「ダンシングヒーロー」をバブル時代のメイクや衣装で踊る「バブリーダンス(2017年)」

その前年には、世界的ブームにもなったピコ太郎の「PPAP(2016年)」もありました。

さらにはAKB48の「恋するフォーチュンクッキー(2013年)」。

少しさかのぼると、モーニング娘。の「LOVEマシーン(1999年)」などなど時にかわいらしく時に激しく踊った記憶をお持ちの方も多いと思います。


<軽やかに踊る教師たち>
それにしても忘年会の歴代の宴会芸の中でも「U.S.A.」はとりわけ激しく、チャレンジする人たちも苦労しているようです。

「我々教員は一足先に踊っています。忘年会で踊る方、参考にしてください笑」

こんなツイートを動画とともに投稿したのは、和歌山県高野町にある高野山高校。講堂に集まった全校生徒を前に文化祭のサプライズで、7人の教員たちがそろってダンスを披露しました。
この中でひときわ目立ついちばん大柄な先生に、(真ん中のすぐ右隣の方です)話を聞きました。

社会科の塩崎良樹先生、44歳。
体重が130キロある塩崎先生は、顧問をしている空手部でウォーミングアップしたあと、若い英語の先生の指導のもと、夜な夜な練習したそうです。自宅に帰っても、11歳の娘を指導役にダンスの“自習”を続けました。

「ちゃんと飛べてない」とか「顔が死んでいる」などと、娘のダメだしを受けながら練習する毎日。

上達するコツは最初はゆっくり、慣れてきたら曲のテンポをあげることと、なにより照れないことだそうです。

ana181204.3.jpg「キレッキレのダンサーをイメージして、照れずにとにかくバカになったつもりで踊るのがこつですね」


<湿布で耐えた!>
最後に塩崎先生が付け加えたのがひざへの負担。

「サビは何度も何度も飛び上がるので、この体型ですから、左足のひざ周りに大きな負荷がかかるんですね。痛めてしまって、当初から湿布を貼って耐えましたね」

一緒に踊った先生も足がもつれて、つまづきそうになったこともあるそうです。


<U.S.A.外傷に気をつけて>
こうした中、気になるつぶやきが…。

「忘年会シーズンも近付いてきたこの季節。U.S.A.外傷が増えております。皆様、どうぞお気を付けて!」

つぶやいたのは病院に勤めるある整形外科医で、なんと1万8000回以上もリツイートされました(12月4日時点)。

この医師によるとU.S.A.外傷とは「ふだん、あまり運動をなさらないオジ様方がアルコールも入り、イイ感じに脱水と組織ぜい弱になったところで、DA PUMPのU.S.A.を踊って、盛大にアキレス腱を断裂すること」という意味だそうです。

つぶやいた本人に話を聞いてみると、「上司との会話の中で、U.S.A.のダンスの片足ジャンプの振り付けでアキレスけんを断裂する人がいる、と話題になった」とのことで、そこから「U.S.A.外傷」との言葉が生まれたそうです。

ana181204.4.jpg実際、救急外来に来た患者もいたほか、アキレスけん断裂だけではなく、ぎっくり腰、肉離れ、足の捻挫なども多く、しかも若い人でもけがをするとのことです。

ネット上でも、腫れ上がった左足首の写真を投稿して「USAを踊ろうとしてすっ転んだ21歳の女の足首です」とつぶやく人や、「わたしも前、靴下でUSA踊ってたら滑って腰打った」とか、「父親が酔ってUSA踊ったらギックリ腰になったらしい」など数多くの負傷者が…。


<練習 ストレッチ 水分補給>
「新年を名誉の負傷とともに迎えたくない」という人はどうすればいいのでしょうか?
この点について、「U.S.A.外傷」が増えていると投稿した整形外科医は「準備期間があるなら、ぶっつけ本番ではなくしっかりと練習すること、踊る前はストレッチをすること、お酒を水分と勘違いしている人もいますが利尿作用があり、むしろ脱水を起こすこともあるので、お酒以外の水分をこまめに補給すること」とアドバイスをしていました。


<簡単ダンスも登場!>
「ダンスに不慣れな方にもぜひ踊ってほしい」

そんな思いで初心者向けに振り付けを易しくした動画を投稿サイトで公開している人もいます。
ana181204.5.jpg都内でダンスの講師をしている藤原理奈さんです。

「イントロの複雑な手足の動きはダンサーにとってもとても難しいんです。なので踊りやすく、かつ、つかみでオッと思ってもらえるようにアレンジしました」…ということで、イントロの部分では手と足のふりを少なめにして踊りやすくして、盛り上がるサビの動きはそのままにしました。
11月からこのダンスの個別レッスンも受け付けたところ、すでに個人やグループなど10件の申し込みがあったそうです。

運動不足な人やダンス経験がない中年の人も多いということで、「50歳のおじさんでも大丈夫ですか?」と聞いたところ、「レッスンで『最高です!』と褒めまくると、がっつり踊ってくれます」とのことです。

最後に藤原さんから皆さんに励ましのことばを。

「ダンスは経験関係なく親睦が深められるチャンスになるし、今のぎすぎすした社会の空気感を吹き飛ばす明るい光になると思います。ぜひ皆さんにけがなく年を越してほしいです」

投稿者:鮎合真介 | 投稿時間:14時19分

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