2017年09月27日 (水) ブログが生んだ"励ましの輪"


※2017年6月23日にNHK News Up に掲載されました。

亡くなった小林麻央さんが闘病記をつづったブログには、同じ境遇にあるがん患者や病気で苦しんでいる人などからの声が数多く寄せられました。最後となった書き込みは、「皆様にも、今日、笑顔になれることがありますように」という読者への呼びかけの言葉。麻央さんは、インターネットを通じて、多くの人と、互いに思いやり励まし合う関係を育み、この世を去っていきました。

ネットワーク報道部 清有美子記者・野町かずみ記者

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<病状を包み隠さず 260万人の読者>

mao170623.2.jpg麻央さんは、去年9月にブログを開設して以降、一進一退の病状を包み隠さず報告するとともに、2人の子どもの母親や妻としての素直な気持ちをつづってきました。読者の数はおよそ260万人に達し、麻央さんがブログを更新すると、多い時には5000以上ものコメントが寄せられ、異例とも言える大きな反響を呼びました。


<励ましのコメントが相次ぐ>

mao170623.3.jpg麻央さんが、がんの影響でさまざまな痛みやむくみに悩まされていることをブログで明かすと、読者が痛みを取る方法を伝えたり、食事をとれなくなったり体調によってブログを更新できなかったりする時には、麻央さんを気遣い、励ますコメントが数多く書き込まれました。


<逆に励まされたという声も>
一方で、麻央さんのブログに励まされたという読者も多く、「麻央さんのようなきれいな心を持ち続けることを目標にして生きていきたい」とか「麻央さんの笑顔が元気と勇気を与えてくれます。ありがとう」といったコメントも多く寄せられました。

時には麻央さん自身が丁寧な返事を書くこともあり、「妻がステージ4の胃がんで、病気の姿を周囲に知られたくないため子どもの運動会に行くのをためらっている」という読者に対しては、「奥様の怖い気持ち、分かる気がします。子供達は運動会に来てくれても来てくれなくてもママが大好きです。でも、奥様が、人目が気になり、見たい子供達の姿が見られないなら、100%ご自身のために、、、と勇気を送りたいです」とつづりました。


<広がった“励ましの輪”>

mao170623.4.jpg麻央さんのブログに励まされ今度は自分が励ます側になりたいと動き始めた患者もいます。

横浜市に住む上田暢子さん(45)です。おととし、左胸に乳がんが見つかり、去年、手術を受けました。上田さんは乳がんや子宮がんなど女性特有のがんの患者が情報交換をしたり悩みを相談したりできるインターネットの無料のコミュニティサイトを立ち上げました。

きっかけになったのは心が折れそうになった時に出会った麻央さんのブログでした。その中の「後ろ向きな日が続いても、いつかは前向きに戻るだけ」という言葉が、つらい闘病生活で後ろ向きになっていた気持ちを変えたと言います。

上田さんは、「苦しかった時、そこで止まるのではなく、前向きになっていかなければと思いました。逃げたしたい気持ちが変わり前を向こうと考えるようになりました」と話していました。
上田さんは麻央さんが自分にしてくれたように、サイトを通じてがんで悩む女性たちの手助けをしたいと、考えていて「自分の経験があとからこのつらさを経験する人の役に立てられないかと考えました。同じ病気をしたどうしで話し合える場を作りたい」と話しています。交流サイト「PeerRing」はインターネットで運用を始めています。


<笑顔になれますように>
最後の更新となった3日前のブログでは、「皆様にも、今日、笑顔になれることがありますように」と、読者への呼びかけの言葉で締めくくられています。

mao170623.5.jpg夫の市川海老蔵さんは、記者会見の中で麻央さんがブログを始めた理由について「自分が元気になったら多くの人の救いになれるような存在になりたい」と話していたことを明らかにしたうえで、「同じ病の人たちや苦しんでいる方々と悲しみや喜びを分かち合う妻の姿は、『人』ではない『すごい人だ』と思った」と語りました。

乳がんであることを公表してから3か月後、麻央さんが「なりたい自分になる、がんの陰に隠れない」と宣言して始めたブログ。

mao170623.6.jpg麻央さんは、さまざまな困難に直面する人とをつなぎ、互いに思いやり励まし合う関係を生んで、この世を去っていきました。

投稿者:清有美子 | 投稿時間:16時06分

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