2019年12月23日 (月)世界一薄くて"アツい"ラグビージャージ


※2019年10月2日にNHK News Up に掲載されました。

熱戦が続くラグビーワールドカップ。強豪のアイルランドを破る快挙を見せた日本代表に、日本のみならず世界の目が注がれています。その会場でひときわ注目を集めている人、知ってますか? 出場国のジャージをボディーペイントして会場を沸かせています。そのクオリティーの高さたるや、2度見せずにはいられません。“最薄”のジャージでラグビーを盛り上げる男性、いったいどんな人なんでしょうか?

ネットワーク報道部記者 成田大輔・國仲真一郎

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バクさんがまたやってきた

sekai.191003.2.jpgその人とは「バクさん」こと森山漠(もりやま・ひろし)さん。「RWC2019世界最薄チャレンジ」と題して、今大会に出場する20チームすべてのジャージ(ユニフォーム)をボディーペイントして国歌斉唱することを宣言しています。

たしかに、体に直接塗るんですから、「最薄」のジャージですね…。

開幕戦の日本対ロシア。赤と白の日本代表“最薄”ジャージで参加したのを皮切りに、アルゼンチン、ナミビア、ウェールズなどなど、10月2日までに半分の10チームを達成しています。

このアツすぎる応援に、ワールドカップの公式ツイッターが注目。

「熊谷でみんなの大好きなスーパーファン、バクさんを発見!」(9月24日)

「辞書で『献身』ということばをひいてみろ、この男の写真が出てくるぞ!」(9月30日)

#BakSansBack(バクさんがまたやってきた!)というハッシュタグをつくり、スタジアムを訪れるバクさんの動向を写真つきで追っています。

これに対して、BBCやCNNなど海外の大手メディアをはじめ、各国のラグビーファンたちもすかさず反応。バクさんは一躍、世界の注目を集める存在になっています。

「コイツはホンモノの伝説だ!」(ウェールズファン)

「きょう最高の発見:バクさん」(サモアファン)

「バクさんは今大会の最優秀選手だ」(イングランドファン)

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ラグビーのため「やるしかない」

バクさんがペイントを始めたのは5年前。みずからもラガーマンだったバクさん。ラグビーのトップリーグでガラガラの観客席を見て、なんとか盛り上げなければと思っていた時、海外のクラブチームのファンが体を青く塗っているのを見て「やるしかない」と思ったそうです。

それからというもの、試合を観戦するたびに“最薄”のジャージをまとって声援を送り続けています。

会社員のバクさんは今回の大会では有給休暇を使ってできるだけ多くの試合を観戦する予定です。

sekai.191003.4.jpgまるで本物 いったいどうやって?
ラグビーを盛り上げたいとの思いで始まったペイント。注目すべきはその完成度の高さです。

sekai.191003.5.jpgラグビー発祥の地、イングランドのジャージには白地に赤いバラ。花びら1枚1枚が細かく再現されています。

sekai.191003.6.jpg16年ぶりにワールドカップで勝ち星を挙げた南米・ウルグアイのジャージには、右のおなかのあたりに太陽がうっすらと透かし彫りのようにあしらわれています。

やるからには徹底して応援する。SNSの写真からは、バクさんの心意気を感じます。

ところでこのハイクオリティーなジャージは誰が描いているのか?

バクさんによるとボディーペイント専用の絵の具で、奥さんやラグビー仲間に描いてもらっているんだそうです。バクさんは試合会場に到着すると人があまりいないところを探し、こっそりと“着替え”ているということです。

sekai.191003.7.jpg思いを込めた背中

バクさんのジャージで唯一、本物と異なっているのが背中です。背番号のかわりに、各国のことばで書かれたメッセージを背負っています。

sekai.191003.8.jpgアルゼンチン代表ではスペイン語で「勝つぞ!アルゼンチン!」
イングランド代表のジャージには英語で「エディーおかえり!」
南アフリカを破った前回大会で日本代表のヘッドコーチをつとめ、今大会ではイングランドを率いるエディー・ジョーンズヘッドコーチへのメッセージです。

sekai.191003.9.jpgそして日本代表。世界中から訪れるラグビーファンに向けて「WELCOME=ようこそ」というメッセージを背負いました。

すばらしいラグビー みんなで一緒に

連日、熱い戦いが繰り広げられている今回のワールドカップ。バクさんと外国人ファンとの交流も熱気を増しています。

先月25日に岩手県釜石市で行われたフィジー対ウルグアイの試合。スペイン語が分からないバクさんは背中に書き入れるメッセージをツイッターで募集。そこでのつながりから「Empujamos todos,Vamos Teros」(俺たちがついている!行けウルグアイ代表!)と書き込んで試合に臨みました。

sekai.191003.10.jpgウルグアイは圧倒的不利の下馬評を覆し、格上のフィジーを破る快挙を達成。バクさんの応援が勝利を呼び寄せた、と思われたのかは定かではありませんが、帰り道に出会った南アメリカの競技団体の会長からウルグアイのジャージをプレゼントされました。

sekai.191003.11.jpgまた「奇跡とは言わせない」の実況が生まれた先月28日の日本対アイルランド戦。歴史的勝利に沸くスタンドの中で、敗れたアイルランドのサポーターは最初は落ち込んでいたものの、バクさんに「おめでとう」と次々と声をかけてきたそうです。

sekai.191003.12.jpgバクさんは「互いをたたえ合うラグビーの精神はすごいと感じました。ワールドカップのすばらしさを世界中のファンと一緒にみんなで楽しみたい」と話しています。

バクさんに会えるのはココ!

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世界にただ1つのジャージで大会を盛り上げるバクさんに会いたいあなた。バクさんの観戦試合とペイント予定です。

4日は静岡県のエコパスタジアムで南アフリカ対イタリアを観戦。ペイントはイタリアです。

5日はもちろん愛知県の豊田スタジアムで日本対サモア戦。赤と白でおなじみのジャパンのジャージに身を包みます。

投稿者:成田大輔 | 投稿時間:13時45分

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