2019年08月09日 (金)お釣りが出せない!?


※2019年4月23日にNHK News Up に掲載されました。

「釣り銭がないようお願いします」
今月末から始まる10連休。こんな注意書きをレジに掲げるお店が続出するかもしれません。
「万札を出されたらアウト!」
そんなことにならないよう、連休を控えて、商店主たちは戦々恐々としています。

ネットワーク報道部記者 管野彰彦・ 國仲真一郎・ 和田麻子

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<不安の声ぞくぞく>
10連休を前に、ネット上では釣り銭をめぐる不安の声が相次いで投稿されています。
「10連休、一番悩ましいのが、お店用の釣り銭。銀行がずっと休みなので、どれくらい用意するか」
「小銭、どんだけあればいいのか全然分からん」
「釣り銭切れたらどうしましょう?心配…」

<警戒強める商店街>
実際に商店などでは、どうしているのでしょうか。

otsuri190423.2.jpg東京・品川区の「戸越銀座商店街」。およそ400軒の商店が立ち並びます。

otsuri190423.3.jpg生花店を営む木村芳雄社長は、10連休は休み無しで営業することにしています。木村社長は「ここの商店街は観光客も多く、休みの日はお客さんが増えますし、これからの時期は、花や野菜の苗がよく売れる時期なので、休むことはできません」と話します。「いつもは釣り銭がなくなりそうになったら、近くの信用組合に行って、両替をしていますが、連休中はできないので、今のうちに少しずつストックを増やしています」とのこと。

から揚げなどを販売しているお店では、10連休にはふだんの土日の3倍程度に釣り銭を増やすことにしています。店長の宮川秀雄さんは「連休中はイベントもあってお客さんの人数はかなり増えると思います。店では電子マネーも使えますが、まだ7~8割のお客さんは現金で支払いをされるので、多めに用意しておこうと思います」と話していました。

otsuri190423.4.jpg一方、青果店で対策を尋ねたところ、「言われてみればそうですね」との回答。このお店では支払いに現金しか使えないということで、「全然、釣り銭のことは頭になかったので、教えてもらってよかったです。1円玉や10円玉はすぐに減ってしまうのでこれから用意しようと思います」と話していました。釣り銭の対応をしていない店も少なくないようです。

<早めの準備を呼びかけ>

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全国銀行協会や信用金庫などによりますと、多くの店舗が10連休中、店舗や窓口を閉めることにしていて、店舗に設置されている小銭への両替機も、使えるのは一部に限られるということです。

全国銀行協会は、連休に入る前に両替や現金引き出しの手続きを行うなど必要な硬貨は早めに準備するよう呼びかけています。

<連休前の“特別対応”>
各地の商工会議所が3月中旬に全国の中小企業2747社に行った聞き取り調査によりますと10連休に向けて「特別な対応を考えている」と答えた企業は59.1%。

具体的な対応を複数回答で尋ねたところもっとも多かったのは月末や月初めの支払い、また釣り銭の準備として資金を早めに確保するという答えで39.5%でした。

先ほど紹介した、生花店の木村社長は、ふだんは1円玉や10円玉などの硬貨が50枚1束になったものを最低でも数本ずつ用意しているそうですが、連休にむけて10本ずつ、事前に用意することにしたといいます。その際に工夫もしているそうです。お店の近くにある信用組合では両替をする場合、枚数に応じて200円から400円の手数料がかかります。

otsuri190423.6.jpgただし、信用組合のカードを持っていれば、1日100枚まで、つまり硬貨の束2本までは手数料なしで両替ができるそうです。そのため、連休が始まるまでの数日にわけて、両替をしていて、この日はおよそ7000円分を両替していました。

<キャッシュレス進める商店街でも>

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経済産業省は、決済手段の中でキャッシュレスの比率を現在の20%から2025年には40%に高めるという目標を掲げています。

今回の10連休でも「キャッシュレスウイーク」と銘打ち、カード会社などに協力してもらいキャッシュレスで決済すると、ポイントを増やすなどのキャンペーンを行うことにしています。

otsuri190423.8.jpg東京・上野のアメ横商店街連合会。外国人観光客の増加に伴ってアメ横商店街連合会は、2年前から、スマホのアプリでQRコードを読み取るなどしてキャッシュレスで買い物ができるスマホ決済の導入を進めています。

しかし、実際に導入しているのは加盟するおよそ400の店舗のうち、およそ半数にとどまり、依然として現金決済が多いといいます。

連休直前になると両替機の前に長蛇の列ができるのを見込んで、連休開始の1週間前から釣り銭不足への備えを始めた店も出ています。

アメ横商店街連合会の千葉速人副会長は「うちの店ではスマホ決済の利用はおよそ1割。外国人観光客のなかには、店と値引き交渉をするなどコミュニケーションしながら買い物するのを楽しみにしている人も多いせいか、現金で支払いをする人が多い。今週末は、店の関係者で両替機が混み合うおそれもあるので、早めにコツコツと、10日分の釣り銭を作り始めています」と話していました。
千葉さんは、去年の同じ時期に比べ、およそ2倍の釣り銭を用意し備えを進めています。まだ日本ではキャッシュレスの普及には時間がかかるようです。

<商店街のつながりが強み>
各地の商店街で進められる釣り銭の確保。それでも足りなくなってしまったらどうするのでしょうか?

戸越銀座商店街で取材をした店の人たちが口をそろえて言っていたのは、「周りのお店と融通しあう」ということでした。なかには、すでにその約束を取り付けているところもあるそうで、昔からある商店街ならではのつながりで、“釣り銭不足”の危機は乗り越えられそうです。

いずれにしても連休中、買い物の際には、お釣りが出ないように細かいお金を用意しておいたほうがよさそうです。

投稿者:管野彰彦 | 投稿時間:11時50分

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