2018年07月19日 (木)セネガル戦 見てから寝るか 寝てから見るか


※2018年6月22日にNHK News Up に掲載されました。

大方の予想を覆す勝利で日本中が沸いたサッカー・ワールドカップのコロンビア戦。2戦目のセネガル戦に向けて気持ちは高ぶるばかりですが、ここで重要な事実が…。セネガル戦のキックオフは月曜日の午前0時。見るべきか、寝るべきか、それが問題だ。

ネットワーク報道部記者 佐伯敏・玉木香代子
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<多いのは“仮眠派”>

sen180622.2.jpg試合を最後までテレビなどでライブ観戦すると、寝るのはどれだけ早くても午前2時ごろ。翌朝は学校や会社という人が多いはず。午前7時に家を出る場合4時間程度しか眠れません。

これから長い1週間が始まるというのに…。ネット上にもこんな声が。

「月曜0時、きついな」

「セネガル戦て午前0時からなんだね。みんな月曜日お休みかしら」

みなさん、どうするのでしょう。

NHKの公式ツイッターで意見を募集したところ、最も多かったのは「仮眠派」でした。

「20時から23時まで睡眠。0時から2時半まで観戦。2時半から6時まで睡眠」

「17時頃から晩酌開始!家飲みだと2時間くらいで眠くなるので19時から23時半くらいまで爆睡。その後飲み物を準備して0時からのキックオフに備える!!!」

「頑張って仕事/家事終わらせて21時30分頃から寝る!そして0時に起きて観戦」

サッカーを見るためなのか、もともとそういう勤務だったのか、「翌日は休む」という“恵まれた”人も。

「来週月曜は臨休だな」

「家でお布団入りながら見ます25日はお仕事お休みです!」

このほか、翌日は早朝の出勤なので「寝ない」という人、試合の前半だけ見るという人、見るのは諦めてあとでダイジェスト映像を見るという人もいました。


<深夜の観戦 子どもはどうする?>
深夜の観戦で特に悩ましいのは小さい子どもがいる家庭です。

sen180622.3.jpg公式ツイッターにリプライを寄せていただいた名古屋市在住の児玉結貴さん(33)。5歳の息子の颯志くんと2歳の娘の怜生ちゃんの母親で、一家そろって大のサッカーファンです。

自動車部品メーカーに勤務する夫は、会社のサッカー部でプレーし、幼稚園児の颯志くんは早くも地域のサッカークラブに入って練習に没頭しているそうです。
コロンビア戦をテレビ観戦したという児玉さん。
「勝利は難しいと言われる中で、健闘した同世代の日本選手たちの姿に本当に感動しました」と話していました。

では、その時、子どもたちはどうしていたのでしょうか?


<ハーフタイムで息子は“退場”>
ふだんは夜8時には寝るという子どもたち。事前に児玉さんが「初戦はどうする?」と聞くと予想どおり、「起きて応援したい!」という答えが返ってきました。

sen180622.4.jpgキックオフは夜9時。子どもたちはお風呂をすませ、試合開始30分前に帰宅した夫を日本代表の青いユニフォーム姿で出迎え、すっかり“応援モード”になっていたそうです。

しかし、1対1で迎えたハーフタイムに子どもたちは眠ってしまい“退場”。試合の後半は、夫とふたりで観戦し、歴史的勝利をハイタッチで喜び合いました。

「日本、どうなった!?」

翌朝、早起きしてきた颯志くんにはあえて結果を言わず、録画を見せました。リアルタイムでないもののテレビ画面に釘付け。
「ぎゃー!」と叫んだり、「勝ったんだ勝ったんだ!」と連呼したりして、勝利をかみしめていたそうです。

では、午前0時に始まる次のセネガル戦はどうするのか?

児玉さんは「子どもたちにとっては深夜は未知の世界。どうしようかまだ決めていないんです。子どもが起きてきたら、4年に1度のイベントなのでテレビ観戦を止めるのはかわいそうかな」と悩ましそう。

とりあえず夜に備えて昼寝をして、晩ごはんにはゲンをかついでトンカツを作ることだけは決めています。


<会社が観戦サポート??>
「『セネガル戦を見るので午前中休み下さい』って上司にお願いしたら、サッカー優先だから休めって言われた」

ツイッターにはそんな「理解ある会社」についての投稿もあります。

さっそく調べて見つけたのが、東京の新宿にあるウェブサイトの制作やマーケティングを行う「ジオコード」。設立から13年のベンチャー企業です。

この会社では、セネガル戦を会社近くに集まって応援する社員を対象に、なんとホテル代やタクシー代を支給するというのです。なんでそこまで??

実はこの会社の狙いはサッカー観戦を通じた社員同士の交流にありました。数人の社員から始まった会社の規模はこの10年余りで140人に急成長。社内の意思疎通をどう円滑に図るかが課題となる中、注目したのが、サッカーを通じたコミュニケーションでした。

sen180622.5.jpgコロンビア戦を観戦する社員たち(19日)

コロンビア戦では60人以上が会社近くの飲食店で一緒に観戦し、大いに盛り上がったそうです。

広報担当の加藤康二さんは「先輩、後輩どうしでひとつの試合を熱中して応援しているうちに、打ち解けていくことはよくあり、試合もほぼ2時間で終わります。社員のコミュニケーションを円滑にするためにはもってこいのスポーツだと思います」と話していました。

ワールドカップは、まだまだこれからが佳境。みなさん、寝不足にはくれぐれもお気を付けてーーー。

投稿者:佐伯 敏 | 投稿時間:16時21分

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