2018年04月16日 (月)そのうそ、本当?


※2018年3月30日にNHK News Up に掲載されました。

うそも方便。うそから出たまこと…。
うそに関係することわざは少なくありません。
4月1日は年に一度そのうそが許される?あの日。
SNSの普及で変わってきているようです。

ネットワーク報道部記者 吉永なつみ

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<企業も練り込んだうそ発信>

son180330.2.jpg「タイ産パクチーエキス入り清涼飲料水新登場!」(日本コカ・コーラ)
「シンプルisベストバーガーまさにレタスそのものと言っても過言でない『菜(な)のみ』」(モスフードサービス)
「牛丼の自動販売機がついに完成!」(吉野家)と共同開発の「牛後の紅茶おいしい無糖」(キリン)

これ全部、去年の4月1日のエープリルフールに企業が自社の公式サイトやツイッターで発信したうその商品です。
巧みにジョークを練り込んだうそを発表して楽しませてくれました。

どれも実在はしませんが、一方でシュールで笑える、それに夢がある商品といえそうです。

このうち、「吉野家」と「キリン」に取材したところ、アイデア自体は広告代理店の持ち込みでしたが、2社では最近のSNSの普及を受けて、消費者との直接的なコミュニケーションの一環として、大胆な広告への挑戦と位置づけたそうです。

これを見たユーザーから1日約8300ものリツイートがあり、広報担当者は「予想以上の効果に驚いた」と話していました。
NHKでも、エープリルフールにあわせたさまざまな企業や団体のうそを取り上げました。

son180330.3.jpgLCCの「ピーチ・アビエーション」が「侍ジェット機を導入。客室はオール畳敷き。座布団を使用しトイレは和式」、山口県周南市が「市の名前を『しゅうニャン市』に変更へ」で市長が会見など、これまでにローカルニュースで紹介しました。

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<起源不明も世界に拡散 そしてローカルルールまで>
なぜうそをついていいのか。なぜ4月1日なのか。


エープリルフールがいつどこでどのようにして始まり広がったかは諸説ありますが、正確なところは分かりません。

フランス国王の悪政に市民が反発したことが起源だという説もありますが、不確かです。

イギリスでは、公共放送のBBCが61年前に放送したリポート、「スパゲッティのなる木が栽培されている」というニュースが、史上最高に有名なジョークとされています。
それにしても、“金のなる木”なら理解できますが、なぜスパゲッティなのか。そのばかばかしさも含めてエープリルフールなのかも知れません。

世界中に広がった今、最近は特にSNSの場合、エープリルフールと一目で分かるよう「#」(ハッシュタグ)をつけるなど、ローカルルールまでできています。


<“極秘プロジェクト”として毎年やってる新聞社>
平成13年以降、毎年のようにエ-プリルフールにうそ特集記事を掲載し続けているのが東京新聞です。

son180330.5.jpg17年前の記事に目を通すと、当時、国民的人気を誇った「きんさんぎんさんに実は、『どうさん』という妹がいて三姉妹だった」とか、「日銀は2000円札生き残りのため1900円で引き換える紙幣ディスカウントを導入」などの一見すると信じてしまいそうな内容が盛り込まれていました。

しかし、よくよく紙面を見ると、「お断り 今日は4月1日、エープリルフール」の記述。
読者によっては「ばかにするな」と感じる人もいるでしょうが、「そんなわけないよな」と笑い飛ばせることもできるでしょう。

新聞社によると、始めたきっかけは、調査報道にも通じる「ほかがやらないことをやりたい」という記者魂だったとか。
それに、駅売りの部数が伸びるのも部局を超えたモチベーションになっていることも確かだそうです。

その年のエープリルフールにうその記事を掲載するかどうかは社内でも極秘だそうで、ことしの4月1日について尋ねると、「楽しみにしていてください」と担当者からは意味深な答えが返ってきました。


<ことしのうそはどんなうそ>
他人を傷つけ、迷惑をかけるようなうそは許されません。

冒頭にもあった「うそも方便」「うそから出たまこと」など、うそということばには、悪い意味だけではなく、人を正しく導くために時と場合と相手によっては許されることもあると伝えられています。

昭和歌謡のひとつに「折れたたばこの吸い殻で」好きな人がうそをついているかどうか分かるというフレーズがありました。

ことしのエープリルフールは、多くの人が笑顔になれる“やさしいうそ”に期待したいですね。

投稿者:吉永なつみ | 投稿時間:15時11分

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