2015年07月03日 (金)夏の肌、"毛穴熱風"に注意
本格的な夏も近づき、これからの季節、女性を悩ませるのが「毛穴」ではないでしょうか。そうしたなか、ことし5月、気になるデータが発表されました。1位静岡、2位沖縄、3位群馬・・実はこれ、「毛穴の目立ちやすさ」ランキングです。こうした地域にお住まいの方は毛穴が目立ちやすい、ということです。なぜこういうランキングになるのか、取材しました。
【夏の毛穴を開かせる・・・“毛穴熱風”】
ことし5月、都内で、大手化粧品メーカー「ポーラ」と日本気象協会が共同で記者会見を開きました。テーマは「毛穴」。化粧品メーカーが全国の120万人の肌をチェックして毛穴の大きさを5段階で評価したところ、近畿、東海、北関東に住む女性の毛穴が大きい傾向にあることが分かりました。なぜ、このような結果になったのか、メーカーが日本気象協会に分析を依頼したところ、これまでの気象データや気圧配置図などから、毛穴を開かせる要因として、山と海から吹き込む夏特有の熱風、いわば“毛穴熱風”の影響が考えられることが分かったということです。【“熱風”が毛穴を開かせる仕組みは】
どうして“熱風”が毛穴を開かせるのでしょうか。熱風にあたると、肌の表面が乾燥し、キメが乱れます。すると、キメが交差する場所にある毛穴が引っ張られて開いてしまうのです。画像は、普通の状態と熱風に当たった後の肌の状態を切り取ったものですが、毛穴が2倍以上の面積に広がってしまうこともあるということです。調査を担当したポーラ アンチエイジング研究室の田代恵実さんは「まさか、夏の熱風が毛穴を開かせてしまうとは・・・。化粧品の研究開発をしている私たちにとってセンセーショナルでした」と話しました。【毛穴の開き なぜ静岡が1位】
それにしても、なぜ、「毛穴の目立ちやすさ」ランキングで静岡県が1位なのでしょうか。この理由について、日本気象協会は、気圧配置図から説明できるとしています。こちらは、東海地方で夏に起こりやすい気圧配置図です。
高気圧の周りは時計回りに風が吹くため、日本海側から山を越え、熱を帯びた風が吹き込みます。また、低気圧が発生すると、今度は、反時計回りに風がふくため、海水温の高い南側から海風が吹き込みます。この山と海からの熱風に加え、富士山周辺に発生する強い風もあり、静岡県では毛穴が開きやすい気象条件になると言うことです。もちろん、毛穴が開く要因は、熱風の他にも紫外線、加齢、ストレスなどいろいろありますが、日本気象協会によると、最高気温が30度以上、風速2.8メートル以上の時は、特に気をつけた方がいいということでした。
【目立つ毛穴、どう解消?】
どうしたら目立つ毛穴をケアできるのでしょうか。静岡県沼津市に住む「あさイチ」サポーターの小島しのぶさんに協力していただきました。小島さんは、夏、毛穴が目立つことに長年悩み続けてきました。毎日しっかりクレンジングでメークを落とし、毛穴の中の汚れが取れるようスクラブ洗顔も使うなど、毛穴のめだちを抑えるために様々な対策を行ってきましたが・・・うまくいかなかったと言います。【お化粧直しも『保湿』が大切】
そこで、毛穴メークの達人・荻野和子さんを訪ねました。まず、荻野さんが指摘したのは、肌の印象を大きく左右するファンデーションについてでした。
荻野さんによると「毛穴はファンデーションを厚く塗れば塗るほど、特にお化粧直しの時にはどんどん目立ってしまうので注意が必要です」とのことでした。実際、肌の様子を拡大してみると。ファンデーションを塗りすぎてしまうと、毛穴からあふれて、ムラになり逆に目立ってしまうのです。
外出先などでお化粧直しをする時には、まず、パフの使っていない部分で、上から、下から、横から、斜めから、と様々な方向から肌をなでるように軽く動かし、毛穴の中のファンデーションを取るようにします。その上で行うのが「保湿」です。荻野さんによると「夏場は肌のべたつきが気になり、乳液を省き、化粧水だけでスキンケアを終わらせる人が多いのですが、実は、乳液を使うことが肌の保湿には大切」ということです。お化粧直しの際も、ファンデーションを一度取り除いた後、肌に乳液を塗ると、乾燥が改善されキメが整います。
そして、肌を軽く引っ張りながら、ファンデーションを薄く、均一に延ばすようにします。この際も、お化粧直しでファンデーションを取り除いた時のように、パフを様々な方向から滑らせるように軽く塗るようにすると、毛穴をしっかり隠すことができるということです。仕上がりも、全体的に顔が明るく見えるようになりました。お化粧直しをしたばかりの肌を拡大してみると、保湿した場合は、毛穴が目立たなくなっているのもよく分かりました。
【日常的に毛穴対策を】
ところで、なぜ、毛穴のケアが必要なのでしょうか。
毛穴が開いていると、実際の年齢よりも老けて見られてしまうという問題がありますが、角栓などがつまりやすくなり、中には、炎症を起こしたり吹き出物ができたりすることもあります。
メーカーの担当者によると、暑さで一時的に開いた毛穴は、自然に戻ることもありますが、開いた状態でそのままケアしないでいると、毛穴がもとの大きさに戻りにくくなることもあるので、毛穴が開きやすくなる時期には、特にきめ細かいケアが必要だということです。
夏の暑い時期は、毎日のスキンケアもおっくうになりがちですが、毛穴対策の第一歩は「保湿」だということですので、化粧水+乳液(肌に合っていて、しっかり保湿効果があれば「オールインワン」化粧品でも大丈夫だということです)という基本的なケアを、夏場こそ、心がけるようにしてはいかがでしょうか。
投稿者:清有美子 | 投稿時間:15時00分