2015年02月05日 (木)愛妻の日 夫婦円満の秘訣は?
1月31日は、1をアルファベットの「あい」、数字の31を「さい」と呼ぶ語呂合わせで、「愛妻の日」でした。結婚後、どのように呼んで(呼ばれて)いますか。付き合っていた当時と変わらず下の名前・ファーストネーム、愛称、「ママ、お母さん」、「おい」「ちょっと」など、様々だと思います。夫婦円満を保つために、「呼び方」が関係するというデータもあり、「呼び方」を巡る事情を取材しました。
【結婚後の呼び名は?】
広告大手の博報堂によりますと、妻の呼び方で、「ママ、お母さん」、「おい」「ちょっと」など、名前以外の呼び方をしている人は64%。下の名前・ファーストネームをそのままで呼んだり「ちゃん・さん」をつけて呼んだりしている人は36%しかいませんでした。女性は、どのように呼ばれたいと思っているのでしょうか。
【中高年に人気のフィットネス 人気の秘密は呼び方?!】
全国にチェーン展開している女性向けのフィットネスジム「カーブス」。店舗に入ってすぐに聞こえてきたのは・・「けいこさん、そのまま上半身をひねる練習していきましょう」「あいこさん、そう、いいです」インストラクターの元気な声。特徴は、全ての利用者をファーストネームで呼んでいることです。10年前、試験的に始めたところ好評だったためマニュアル化して全ての店舗に導入。親しみやすい営業スタイルが人気で中高年を中心に会員数を伸ばし続けています。
「ファーストネーム」で呼ばれることについて、会員の女性たちに聞いてみると、
「下の名前、主人も呼んでくれないので嬉しいですね」。「下の名前で呼ばれるとかわいさ感じるから、自分でね」と、好評のようでした。
【呼び方で『愛情ホルモン』アップ?!】
こうした「ファーストネーム」で呼びかける行為。体の中のホルモンの働きに影響を与えるという研究結果もあります。大手化粧品グループのポーラ化成工業が、最近、名前で呼ばれていないという既婚女性に、第三者が、ファーストネームで呼びかける実験を行いました。
19人を調査した結果、愛情を感じる時に増えると言われる「オキシトシン」、いわゆる『愛情ホルモン』の値が、平均でおよそ16%上昇したといいます。ポーラ化成工業 肌分析研究室長の多田明弘さんは、「ファーストネームで呼びかけられることによって、気持ちが嬉しくなる、女性らしくなる、体の中も反応しているということが証明されたということです」と説明しました。【久しいぶりに「ファーストネーム」 変化は?】
「ファーストネーム」を呼ぶことは、夫婦にどのような変化をもたらすのか。
大阪の商社に勤める桜井一宇さん(39)は妻の直美さんと14年前に結婚し、当初は「かずさん」「直美ちゃん」と呼び合っていました。しかし、子どもが生まれるなどして、この13年間は「パパ」「ママ」と呼び合い、名前で呼ぶことはなくなりました。桜井さんに、妻の直美さんのことを最近はなぜファーストネームで呼んでいないのか聞くと「恥ずかしいです。いざ名前を呼ぼうと思うと、なんでやろ・・すごく勇気がいりますね」と話していました。そんな桜井さんに、家族には事情を説明せず、久しぶりに妻を「ファーストネーム」で呼びかける様子をビデオカメラで撮影してもらうことにしました。カメラを手渡すと、桜井さんは「久しぶりに急に名前を呼ぶと、あやしいことしてるんちゃうかと思われるんじゃないかと心配ですが、がんばります」と意気込みを話してくれました。
カメラを渡した初日、帰宅後、桜井さんはすぐに撮影を開始しました。
食卓で一足早く夕食を食べる直美さんと直美さんが作った食事を前に桜井さんがかけた言葉は
「全部作ってくれました。ありがとうね、ママ」気恥ずかしさから、名前で呼ぶことが出来ません。
結局、初日は、ファーストネームで呼びかけることができず、桜井さんは、一日を振り返って自分を撮影しながら「むずかしい・・・あした頑張ります」と意気込みを語りました。2日目、子どもたちを巻き込みながら名前を呼んでみました。
桜井さん「直美ちゃん、どうぞ~って」。
次女 「直美ちゃん、どーぞ」次女「ママは~?」
桜井さん「ママちゃうて、直美ちゃんは?」。
4日目、何かとファーストネームで呼びかける機会を見つけます。
桜井さん「こころちゃん、さちちゃん、直美ちゃん」直美さんは、てれた仕草を見せるようになりました。
カメラを渡してから6日後。桜井さんの自宅を訪ねました。久しぶりにファーストネームで呼ばれた感想を直美さんに聞くと、つきあっていた頃を思いだし、新鮮な気持ちになったと話してくれました。
直美さん 『名前の方がいいかな』
桜井さん 「そう?」
長女 「なんで?ママの方がいい!」
直美さん 『だって、わたし桜井直美だもん』
実は直美さんは、「ママ」と呼ばれることよりも、ファーストネームで呼ばれることを望んでいたことが分かりました。これを受けて、桜井さんは「一からまたファーストネームで呼べるように頑張ります」と話し、『なおみ』『かずさん』と、仲良く呼びかけ合う姿を見せてくれました。
【呼び方、夫婦関係にも影響】
夫婦問題に詳しい専門家によりますと、夫婦関係を良好に保つために呼び方は大切だと指摘しています。夫婦問題カウンセラーの小林美智子さんは、「互いの呼び方が『パパ』『ママ』になってしまうと、なぜか男性として見られない、とか、女性として見られない、というところから入り、すれ違いのようになっていくケースが結構多いです。ファーストネームで呼ぶことによって流れを変えることになりますし、それによって互いの意識が変わることがあります」と話していました。民間のシンクタンクの調査では、夫婦でお互いのことを名前で呼び合っている人は、「パパ」や「ママ」などと呼び合う人よりも夫婦関係への満足度が高い、というデータもあります。ふだん、あまり名前で呼んでいない人は、「いい夫婦の日(11月22日)」や「愛妻の日(1月31日)」など、夫婦にまつわる日や記念日などをきっかけに、呼び方を変えてみるのもいいかもしれません。
投稿者:清有美子 | 投稿時間:08時00分