2012年11月08日 (木)子どもの就学援助 自治体間で格差


経済的に厳しい家庭の子どもに、自治体が学用品などの費用を支給する「就学援助」。実は日本では全国の公立の小・中学校の子どもの約16%、6人に1人が就学援助を受けています。民間団体の調査の結果、この就学援助を受ける子どもの割合が自治体によって30%から2%と大きなばらつきがあることが分かりました。

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就学援助を受けている小・中学生の数は、文部科学省の去年5月の調査で156万7000人余り(生活保護受給が15万2060人、それ以外が141万5771人)で過去最多となっています。

20121108-enjo3gg.jpg利用の実態を調べるため、子どもの貧困問題に取り組む民間団体「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークでは、去年12月からことし1月と、ことし2月からことし3月まで、2度にわたって全国の合わせて200の自治体を調査し、その結果の報告会が、先月(10月)、東京都内で開かれました。

20121108-enjo2egg.jpg報告会では、就学援助を受けている子ども(生活保護世帯以外の子ども)の割合は「5%以上10%未満」と「10%以上15%未満」という自治体が最も多く(それぞれ30%)、一方で最も割合が高い自治体は30%、最も低い自治体では2%と15倍もの差があることが報告されました。

20121108-enjo4egg.jpgまた就学援助について、専任の担当者が配置されていないという自治体が59.4%、修学援助に関する教職員向けの研修を行っていないという自治体が74%あり、制度の案内書を小中学生のいるすべての家庭に配布していないという自治体も20.7%ありました。就学援助を必要とする子どもの中には外国にルーツのある子どももいますが、外国語の案内書を作っていると答えた自治体は22.5%程度にとどまっていました。さらに学習に必要なメガネやコンタクト、水着や体操服代、卒業アルバムの支給を行っている自治体はいずれも3~6%程度とわずかであることも分かりました。

20121108-enjo5egg.jpg調査を行った「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークの世話人で、子どもの貧困問題に詳しい千葉明徳短期大学の山野良一教授は(やまの・りょういち)、「生活に困窮している子どもや家庭が制度を利用しやすくなるよう、政策提言などを行っていきたい」と話しています。

20121108-enjo6egg.jpg教育現場を取材すると、卒業アルバムが買えない子どもがいたり親に就学旅行に行きたいと言えず「旅行なんか行きたくない」という子どもがいるという話を教師からききます。修学旅行や卒業アルバムなど、義務教育に必要な教材や体験は、どの家庭の子どももきちんと受けられる仕組みが必要ですし、国は自治体が就学援助を行う際の財政的な保障をするなど、必要な支援が子どもに行き届くよう取り組む必要があると思います。

投稿者:伊達裕子 | 投稿時間:06時00分

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