2012年03月29日 (木)死にどう備える〜"生前準備"を取材して〜


自分の死に備えて、遺言や葬儀の内容などをあらかじめ決めておく「生前準備」についての国の調査結果がまとまり、この中で、例えば「遺言」については、70歳以上の調査で、「いずれ作成するつもり」という人が41.1%だったのに対して、「すでに作成している」人は3.8%でした。
生前の準備が必要と考えていても、実際に行っている人は少ないことが分かりました。

この生前準備について、今月、東京・新宿で、さまざまな方の声、意見を聞いてきました。
70代の男性は
「子どもたちが相続でもめないように、ちゃんと遺言は作っています。遺影写真を妻といっしょに撮影したいと思います」と話し、すでに準備を進めていました。
60代の男性は
「準備をすると老け込んでしまいそうなので、まだ考えていません。もう少し年をとってから考えます」と話していました。
40代の女性は
「自分のこととしては現実的に考えられませんが、親が生前準備をしてくれれば周りは対応しやすいと思います。 ただ、どこに相談すればいいか分かりません」と話していました。

「生前準備」を巡っては、遺産相続や葬儀、それに終末期医療の希望など、幅広い分野に及ぶため、高齢者などから「誰に相談してよいか分からない」「まとめて相談できる場が欲しい」などの声が出ています。

こうしたなかで、生前準備のサポートに向けて、実際に動き出した人たちがいます。
弁護士や税理士、それに葬儀関連業者などのグループは、去年10月から、幅広い知識を身に付けて、生前準備を行いたい人の相談に応じられるような「終活カウンセラー」という独自の資格を設けて人材育成を進めています。今月10日には、東京・目黒区で講習と認定試験が行われ、全国から60人余りが集まりました。

1shkt1.jpg仙台市で高齢者向けパソコン教室を開いている66歳の女性は「いつ死が訪れるか分からず、遺産相続など、自分自身が心配なことと、教室のお年寄りの相談に乗りたいと思って参加しました」と話していました。

グループの理事を務める武藤頼胡さん(下の画像)は「それぞれの専門家には、専門分野以外の相談も多く寄せられているので、ワンストップで相談に応じられるようにしたいと思います。生前準備をしていれば不安が解消され、前向きに生きる気持ちになれると思います」と話していました。

1shkt2.jpg冒頭の調査を行った、経済産業省サービス産業室の中内重則室長(下の画像)は「生前準備が必要だと思っていても、実際は行動していないというギャップがあることが分かりました。必要と思っている人に情報提供し、サポートする態勢の整備を進めたい」と話しています。

1shkt3.jpg経済産業省では、今後も進むとみられる高齢化を背景に、生前準備などを本人や家族などが安心してできるように、関連する産業やサポートの動向を把握して、来月中には報告書としてまとめることにしています。

生前準備などの「死」への備えは、誰しもが「やらなければならない」というものではありません。むしろ「考えたくない」という人がいるのは当然だと思います。あくまで本人、あるいは家族が決めることで、押しつけられることではないと思います。
ただ、独り暮らしや高齢者の夫婦だけの家庭が増加し、以前と比べて「同居する家族に任せておけばいい」「意向を伝えておけばいい」という状況ではない人たちが増えていることも事実です。
また、「死について考えるのは縁起でもない」という考えがある一方、「子どもたちに苦労をかけないように準備しておこう」という人が増えていることを取材を通じて感じています。
専門家の中には、「適切な準備をしておき、不安を解消することで、今後の人生を生き生きと過ごすことができる」と指摘する声があります。

なぜ、生前準備のニーズがあるのか。どのようなサポートであれば不安なく利用できるのか。歳を重ねても安心して過ごすためにはどうすればいいのか。こういった課題の取材を続けて、ニュースやこのブログなどで紹介できればと考えています。

投稿者:宮本知幸 | 投稿時間:06時00分

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