2011年10月07日 (金)被災した写真 デジタル技術で修復
東日本大震災による津波で流され、汚れた写真をきれいにして持ち主に届けようという取り組みについて、以前、このブログでお伝えしました。こうした取り組み、さまざまグループによって今も行われていますが、今回は被災した写真を、デジタル技術で元の状態に近づけようという取り組みについてお伝えします。
「あなたの思い出まもり隊プロジェクト」と銘打たれたこの取り組みは、工学院大学、神戸学院大学、そして東北福祉大学の3大学が共同で行っています。津波で流されて、汚れたり傷ついたりした写真を、パソコンのソフトで加工して元の状態に近づけようというものです。先日、東京・新宿の工学院大学で作業の様子を取材しました。

作業の中心を担うのは、大学生を中心としたボランティアです。被災した人から送られてくる写真を、汚れ具合によって修復可能なものと、そうではないものに選別したうえで、修復可能なものは、水で濡らしたキッチンペーパーで表面の汚れを丁寧に取り除いていきます。
写真がアルバムに貼られている場合は、表面が透明のフィルムで覆われていることが多いのですが、このフィルムをはがしてしまうと、一緒に写真の表面の色まではがれてしまうことも多いということで、フィルムはそのままにするということです。
そのあと、写真をスキャナーでパソコンに取り込み、専用のソフトを使って、色が薄くなったり、欠けてしまったりした部分に、周辺の画像を参考にした新たな色を載せて、元の画像に近い状態に修復していきます。
この作業、実に地道なもので、中には1枚を修復するのに4時間ほどかかるものもあるということです。7月からこれまでに400枚余りの写真を修復したうえ で、持ち主に送り届けています。写真の修復作業に参加している学生は「写真は痛んだものが多いが、できるだけ多く修復して被災者に届けたい」と話していま した。
写真の修復作業は来年の3月ごろまで続けられるということです。ただ、大学側に寄せられている写真の数が膨大なため、作業が終わらない場合は、来年3月以降も取り組みを続けるということです。
「写真を修復する」といっても、失われた画像の情報そのものをよみがえらせるものではなく、あくまで残された周辺の画像を参考に、きれいに加工する、というものです。しかし、きれいな状態に戻った思い出の写真は、持ち主にとって、きっとかけがえのないものになるはずです。
こうした取り組みを通じて、1枚でも多くの写真が持ち主に戻り、被災地の復興や生活の再建を進めていくうえでの支えになってほしいと願います。

投稿者:千田周平 | 投稿時間:06時00分
トラックバック
■この記事へのトラックバック一覧
※トラックバックはありません
コメント
※コメントはありません




