2017年12月27日 (水)跳ねるか?トランポリンブーム!


※2017年12月12日にNHK News Up に掲載されました。

子どもたちが楽しみにしているクリスマスのプレゼント、そろそろ準備を始めている頃ではないでしょうか。みんな何がほしいのかなと記者がSNSの書き込みを調べてみたところ、意外な物が目につきました。「うちの娘、クリスマスプレゼントはトランポリンがほしいそうです」「保育園で孫たちが頑張ったので、ご褒美に大好きなトランポリン」「ネットのセールでトランポリンの販売開始すぐ申し込んだのに売り切れ」など「トランポリン」の人気がなぜか高まっている様子。人気の背景を調べてみました。

ネットワーク報道部記者 佐伯敏・野田綾・藤目琴実

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<ネットショッピングの人気商品>
実際にクリスマスプレゼントに選ぶ人は多いのでしょうか。

ネット通販大手の「楽天」に話を聞きました。先月1日から8日までに選ばれたクリスマスプレゼントのランキングでは、男性が選ぶプレゼントの3位、また女性が選ぶプレゼントの5位がトランポリンでした。

楽天によると人気は数年前から高まっていて、去年の売り上げは3年前に比べて3倍に増えたほか、ことしの売り上げは去年をさらに上回る勢いだということです。

「ことしは10月以降、注文が伸びています。重くて店で買っても運びづらいこともあり、自宅まで届けてもらえるネットで購入している人が多いようです」(楽天の広報担当)

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<施設が続々とオープン>
トランポリンを楽しむ大型施設も東京近郊や関西、名古屋などの都市圏で続々とオープンしています。

何がブームのきっかけなのか、埼玉県新座市にある「トランポリン・パーク トランポランド」にお邪魔しました。

han171212.3.jpg建物は一見するとただの巨大な倉庫。しかし中からは子どもたちのはしゃぐ声が聞こえてきます。入ってみてびっくり。月曜の昼過ぎという取材のタイミングにもかかわらず、子どもたちが至る所でぴょんぴょん飛び跳ねています。よく見ると家族連れのグループや、孫に付き添ってぴょんぴょん跳ねるおじいさんとおぼしき姿も。とにかく誰もが跳ねているその光景は壮観ですらあります。
広い店内にはトランポリンが合わせて30面以上設置されていて、スーパーマリオを題材にしたグラフィックが壁に描かれたアトラクションやトランポリンの上でドッジボールができるエリアなど、さまざまな楽しみ方ができます。

han171212.4.jpgお店によると、施設で同時に遊べるのは100人までで、週末には入場制限で待ち時間が2時間ほどになることもあるそうです。


<きっかけはユーチューバー?>
学校の振替休日で訪れたという小学生のグループに話を聞いてみると。

「初めて来ました!すごく楽しいです!」
「ドッジボールのがハマりました!」

なるほど、どこでこの施設のことを知ったの?

「YouTubeです!」(一斉に)

YouTube? 施設の店長を務める遠田寅彦さんに聞いてみました。

「このお店は3年前にできたんですけど、お客さんが急激に増えたのが去年の11月末からです。ユーチューバーのグループが撮影したいとやってきて、こちらも意図していなかったんですけど、そのあと、多い日で1日当たりの利用客が5倍から6倍にまで増えて、その後もずっと多い状態が続いています」

そのユーチューバーとは、若い男性で作るグループ“Fischer’s”(フィッシャーズ)。公園のアスレチック遊具で鬼ごっこをする動画などで子どもたちに人気があり、この施設で撮影した動画は1400万回以上、再生されていました。


<世界的なブームに>
トランポリン人気は、実は日本だけでなく、世界規模で起きています。

「トランポリン・パーク」と英語で検索すると、タイのバンコクや中東・カタールのドーハなど、世界各地で同じような施設が次々にオープンしているのがわかります。

こうした人気の火付け役となったのはアメリカの「Sky Zone」。
アメリカの経済誌「フォーブス」の記事によると2004年に2店舗で開業したこの新興企業は近年、急成長を遂げ、ことし6月の時点で、6か国で176か所の施設を展開するまでになったということです。アメリカでは他の業者も参入して各地に600を超える施設があるとしています。


<トランポリンでパーフェクト・ボディ>
子どもの遊具というイメージが強いトランポリンですが、美しさを追求する女性たちの熱い視線も注がれています。

“トランポリン・フィットネス”なるものがあると聞き、東京・秋葉原にあるフィットネススタジオを訪れてみました。

日本初のトランポリン専用のフィットネスクラブという「jump one」は去年3月にオープンし、ことし都内や関西に相次いで4店舗をオープンしました。

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スタジオにはずらりと並んだミニトランポリン。天井には光り輝くミラーボール!このスタジオの“売り”は「クラブ」のような照明の中、大音量の音楽に合わせてトランポリンで体を動かすことなのです。ノリのいい洋楽とともにレッスンが始まるとインストラクターの女性が指示を出してくれるのでリズムに合わせて跳びながら手足を動かします。

「足を開いて…閉じて…」「ユーキャンドゥーイッ!」リズム感が乏しい私は音楽から遅れないようにするだけで精いっぱいでしたが…た…楽しい…!45分間のレッスンが終わると腹筋やももに心地よい疲労感がありました。

han171212.6.jpgダイエットや運動不足解消を目指す20代から40代の女性から人気を集めているということで、参加した平日午後4時半のクラスには私を含めて10人の女性が参加していました。

31歳の会社員は1週間に4日は通っているというハマりっぷり。
「代謝がよくなり冷え性が改善しました。以前通っていたジムは単調で続かなかったのですが音楽に合わせてトランポリンで跳ねるのは楽しいので、仕事のストレスも吹き飛びます」

「jump one」のPRマネージャー下渡恵子さんは人気の理由を次のように分析します。
「トランポリンは誰でも取り組みやすく、心理的なハードルが低い一方、フィットネスの効果がすぐに出やすいことが人気の理由だと思います」


<競技人口も↑>
オリンピックの競技種目にもなっているトランポリン。競技人口も増えていました。

日本体操協会でトランポリン競技の広報を担当する玉川久根さんによりますと、協会に登録している競技者はおよそ2200人。前の年から500人以上も増えています。

2019年に予定されている茨城国体でトランポリンが種目として初めて採用されたことや、体操の白井健三選手が幼いころからトランポリンに親しんで、身体能力を養った逸話が広く知られるようになったことも影響しているのではないかということです。

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最近では先月、ブルガリアで行われたトランポリンの世界選手権の女子個人で岸彩乃選手が、シンクロナイズドの女子で森ひかる選手と高木裕美選手のペアがそれぞれ日本勢で初めてとなる銀メダルを獲得するなどの快挙もありました。

han171212.8.jpg2019年には世界選手権が東京で開催される予定で、競技の世界でもこれから盛り上がりそうです。


<けがには注意を>
すでにトランポリン施設が全土に広まるなど人気が高いアメリカではことし7月、アメリカ整形外科学会がトランポリンでのケガに警鐘を鳴らす発表を行っています。

それによるとアメリカでは2015年の1年間でトランポリンに関するケガが29万5000件を超えていて、10万3000件近くは救急治療を受けているということです。

多くのケガは自宅で起きているほか、ケガをした90%は子どもで、主に5歳から14歳までが占めているとしています。

そのうえで6歳未満の子どもにはトランポリンを使わせないことや、大人の監視のもとで、必要な安全対策や指導を欠かさないよう勧めています。

日本体操協会の玉川さんも、「競技では、大人であっても指導者の監視なしで宙返りすることを禁止しています。1人で宙返りをするのは危険なのでくれぐれもやめてください」と話しています。

今回、取材で訪れた埼玉県の施設でも、アトラクションごとに応急処置の講習を受けたスタッフを配置し、無理なジャンプをしないよう指導するなど、事故を防ぐための対策を取っているということでした。

これからさらに人気の広がりそうなトランポリン、特に子どもを遊ばせる際にはケガのリスクや安全な遊び方を知ることも大切なようです。

 

 

 

投稿者:佐伯 敏 | 投稿時間:15時37分

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