2013年04月14日 (日)心の隙にご用心!


皆さんはお店で「今だけ特売!」などと聞いて、つい買い過ぎてしまった経験はありませんか? 特売自体は問題ありませんが、もともと買うつもりがなかったものを買ってしまって、あとで後悔するというのは、「心に隙がある」と言えるのではないでしょうか。実はそういった傾向が「だまされる」、つまり、「詐欺や悪質商法の被害に遭う」ことにつながるかもしれません。人はなぜだまされるのか、だまされないためにどうすればいいか、取材しました。

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うその投資話や振り込め詐欺など電話を使った手口で現金をだまし取られる被害は、全国で1日平均20件以上起きていて、私たちにも身近な問題です。例えば、首都圏に住む70代の女性は、たまたま電話で受けた投資話に乗せられて、気づいたときには老後の生活資金850万円をすべて使ってしまいました。

kokoro2.jpg詐欺や悪質商法などの被害者から相談を受けている全国消費生活相談員協会によりますと、被害者は共通して「自分はだまされないと思っていた」と話すといいます。相談員の鈴木春代さんは「被害の情報はひと事で私は大丈夫と思っている。しかし現実には詐欺師が生でやって来る」と話しています。

kokoro3.jpg悪質商法の被害者の心理に詳しい立正大学の西田公昭教授も「だまされるのは特別なことではなく、日常生活の延長線上にあることだ」と指摘します。西田教授は「人は相手を気遣ったり守ったりするため、優しい気持ちでだましたりだまされたりということを日常的に行っています。詐欺や悪質商法を行う人はそういう心理をうまく利用してだまそうとしています」と話しています。

kokoro4.jpgなぜ、人はだまされるのでしょうか。西田教授が考える「だまされるメカニズム」、その1は「思い込み」です。西田教授が行った実験です。「後で電話します」と友人にメールで連絡します。

kokoro6.jpgその後、実際には別の人が電話をかけて、だまされるかどうかを調べました。

kokoro7.jpgすると、電話を受けた13人のうち8人、およそ6割が、電話の声が別人だったことに気づきませんでした。友人から電話が来ると思い込んでいたために、「もしかしたら声が違うのでは」という疑いを心の中で排除してしまうのです。

kokoro8.jpg「だまされるメカニズム」、その2は「感情の支配」です。「家族がトラブルに巻き込まれた」など、不安や驚きで感情が揺さぶられると、思考が狭まってしまいます。この状態で相手から「お金を払え」などの解決策を提示されると、冷静な判断ができずに飛びついてしまい、被害につながってしまいます。

kokoro10.jpgでは、だまされないためにはどうするか。まずは自分の心の隙を知ることです。ある教室に通う人たちに、心理テストを受けてもらいました。

kokoro11.jpg日頃の行動や意識について、当てはまるかどうか3段階でチェック。「意見が合わないときは相手に譲ることが多い」、「待ち合わせに遅れる人を待つのは苦手」など、25の問いに答えます。

kokoro12.jpgこのテストで6つの心の弱点が浮かび上がります。「まさかの心構えが足りない」「ストレスへの抵抗力が弱い」「非科学的に考えがち」「誠実すぎる」「権威に弱い」「集団に影響されやすい」です。

kokoro13.jpgさて皆さんの結果はどうでしょうか。「隙があるので注意が必要」という判定が出た人は、13人中11人。ほとんど全員でした。テストを受けた人は、「1つ1つ日常でしていることばかりでした。もう少し自分の意思を、ノーをしっかり言えるようにします」と話していました。

kokoro14.jpgテストで自覚をしたら、次は心を鍛える練習が必要です。▼店で店員に褒められてもすぐにその気にならない。気に入らなければ断る勇気を実践しましょう。

kokoro16.jpg▼日頃、テレビを見ながら独り言でツッコミを入れてみる。勧誘やセールスに対して何でも言われるままにならない訓練になります。

kokoro17.jpg▼他人の愚痴や苦情を長時間聞いてみる。すぐ楽な方に逃げない忍耐力が養えます。

kokoro18.jpgさらに、西田教授に「だまされないための3か条」を教えてもらいました。①だまされるかも…と思い出す。②相談する相手を見つけておく。③いい人ぶらない、見栄をはらない。

kokoro19.jpgその上で西田教授は、「だます側は全力で向かってくるので、手口をちょっと知っている程度では対処できません。お金に関わる話、特にちょっと高い買い物や契約だと思った時は、『詐欺・悪質商法の現場かも』と敏感になって、あらゆる手段で被害を防ぐことが大切です」と話していました。

kokoro20.jpg詐欺や悪質商法の被害に遭うリスクは誰にでもあるということを、私も取材を通じて実感しました。新生活で環境が変わると、電話勧誘や訪問販売、街中で声をかけられるなど、それまで経験しなかった勧誘を受けるケースも増えますので、皆さんも気をつけてほしいと思います。

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投稿者:橋本知之 | 投稿時間:06時00分

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