2013年01月03日 (木)外食業界 新サービスで集客


先月のクリスマスイブ、みなさんはどこでディナーをしましたか?気合いを入れて超高級レストランで・・というようなバブル景気時代もあったようですが、最近は、長引く景気低迷の影響で、特別な日でも外食ではなく、家で食事をとる人が増えているようです。厳しさを増す外食業界では、集客に向けて、新たなサービスが始まっています。
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【景気低迷で外食を控える動き】
先月のクリスマスイブ、広場に大きなクリスマスツリーが飾られていた東京・恵比寿で、ディナーをどのように過ごすか、聞きました。ベビーカーを引いていた女性は「ホームパーティーをしようと、今、食材を買いに来たところです」を話していました。
20130103gai_2.jpg家族連れで歩いていた男性は「今夜は家で食べます。いつもよりちょっと豪華にするつもりです」と、両手にいっぱい持ったデパートの袋を見せてくれました。10人に聞きましたが、「外食」と答えたのは2組だけでした。このように外食を控える傾向は、データからも伺えます。総務省の家計調査によりますと、2人以上の世帯が1か月に外食に使う金額は、一昨年は1万1000円余り。増減はあるものの、長期的に減少傾向が続いています。
20130103gai_5.jpg【料理教室で“高級”でも“身近”に】
こうした中、外食業界の中では、新しい動きが出始めています。共通するのは、まず、店を知ってもらうことです。東京・西麻布にある日本料理店。3年前に開業し、一昨年の夏から料理教室を始めました。
20130103gai_6.jpg景気の悪化で企業による接待が減ったり、震災後の自粛ムードで経営状況が悪化したりしたのがきっかけでした。最も安いコースでも夜は1万円を超える高級料理の料理長が自ら教えるとあって、教室の受講料は1回8000円ですが、若い女性を中心に好評だと言います。この料理教室に一昨年4月から毎月訪れていると言う女性は「お料理、とてもおいしいです。来月も教室を予約しました」と話していました。
2013010gai_8.jpgまた、もう一人の女性は「ランチもできて勉強もできてお得感があります」と話していました。割烹「たくみ」の調理長、木村巧さんは、「反響は出てきていますね。料理を作るだけでは、おお客様に求められなくなってきています。おいしい料理も、お客様があってこそ光るものなので、きっかけ作りは非常に大切です」と話していました。
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【虎の子レシピで集客を】
こちらは料理店のレシピを公開したホームページです。飲食店情報検索サイト大手「ぐるなび」が一昨年9月に開設しました。
20130103gai_10.jpgこの日は、担当者が、東京・銀座のフランス料理店「銀座レカン」を訪れてレシピの取材をしていました。
20130103gai_12.jpg作っていたのは、クリスマスに合わせて、鶏を丸ごと使ったフランスの家庭料理・ポトフです。料理長の高良康之さんは、「鶏の足の部分の肉が1番分厚いので、つかんでみて身が骨から簡単に離れるようなら全体に火が通っているサイン」と説明していました。このレシピの特徴は、うまく作れるように、食材の分量や手順だけでなく、シェフが体得している調理のコツまで記されている点なのです。
20130103gai_11.jpgホームページのレシピをきっかけに集客につなげてもらうねらいですが、記者が、虎の子レシピを無料公開することに抵抗はありませか?と質問すると、高良さんは「全然ないですよ。まずは敷居の高いと思われがちなフランス料理のファンになってほしいですから。すごく良いレシピに出会って、作ってみて美味しいと思ったら、他にどんな料理があるんだろう?食べてみたい!って思う人がきっといる。時間はかかると思いますが最終的には店に来てくれると思います」と話してくれました。
20130103gai_13.jpg本来、秘伝のレシピを公開するホームページ。登録した店の数は、当初の倍以上に増え、今では100余りになりました。来客につなげたいと思っているシェフが多いことがうかがえます。
20130103gai_14.jpg【店を飛び出して シェフ自らPR】
さらに、店の外に出かけて、直接、客を集めようという店も出てきています。横浜駅の近くで開かれた青空市場には、地元の居酒屋が調理できる移動販売車で、寒い時期に人気があるおでんや水餃子の販売をしていました。
20130103gai_16.jpg客には、商品と一緒にチラシを手渡して店をアピール。移動販売で味を知ってもらい、来店を促す戦略です。居酒屋「満月」などを経営する佐々木貢さんは、「待っていてもダメな時代、だから発信していく。発信の仕方がどういう手段であれ、何か1歩、積極的に動いていかないとダメですね」と話してくれました。
20130103gai_18.jpg客と店をつなぐ「きっかけ」をいかに作るかが、厳しい時代を生き抜く鍵になりそうです。
【取材後記】
銀座や赤坂、西麻布、東京の高級飲食店が多く軒を連ねる界わいを歩くと、料理教室をPRしている店が増えていることに気付きました。いずれも、いきなり来店するには敷居が高かったり高級だったりするお店です。なぜだろう?と思い調べてみると、高級店、一流店でも厳しい現状が見えてきました。景気の低迷で「低価格」を売り物にする店も増えていますが、一度、価格を下げてしまうと再び上げることは至難の業です。このため、あえて価格競争には入らず、ブランドイメージも壊さず、うまくお客さんとの接点を持つ機会を作ってファンを増やしていこうという戦略でした。厳しい状況にもかかわらず、うまく集客しているお店は、いずれも、お客さんとの接点やコミュニケーションを大切にしていました。経済の先行き不透明感は続きますが、仕組み、アイデアで浮揚する方法はまだありそうです。
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投稿者:清有美子 | 投稿時間:06時00分

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