2012年10月19日 (金)"老障介護" 低所得で親依存


障害がある人の年収は半数以上が100万円以下で、大人になっても親が同居して生活を支えているケースが6割近くにのぼるという調査結果がまとまりました。調査からは、親が年老いても障害がある子どもを介護し続ける「老障介護」の実態が浮かび上がってきます。

20121019rousyou_1.jpg

 

横浜市の福祉施設で働いている知的障害がある44歳の男性です。以前は木材店で働き、ひと月15万円ほどの収入がありましたが、ミスを繰り返し上司にも怒られ仕事が続けられなくなりました。

20121019rousyou_2.jpg父親が亡くなり、いまは73歳の母親が、男性の介護をしながら2人で暮らしています。生活は母親の年金が頼りです。その後、市内の福祉施設で働いていますが給料は月に数千円。障害年金と合わせても年収は80万円ほどです。

20121019rousyou_4.jpg母親はグループホームに入居させられないか検討していますが、近くのホームは空きがありません。自分が介護を出来なくなったらどうなるのか。将来に不安を感じています。母親は、「自分が年老いて面倒が見れなくなったらどうすればいいのか。収入も少なく、居場所もない。将来がとても不安です」と話しています。

20121019rousyou_5.jpg障害者が働く施設などで作る団体が18歳以上の障害者やその家族およそ1万人に行った調査結果です。障害者の年収は、56%が100万円以下。99%が200万円以下でした。

20121019rousyou_6.jpgさらに、親と暮らしているのがおよそ57%に上った一方、アパートなどで1人暮らしをしている人はわずか8%。グループホームなどへの入所も15%にとどまりました。

20121019rousyou_7.jpg調査した「きょうされん」は、収入が低く、グループホームなどの整備も進んでいないため、年老いた親が障害がある子どもを介護して支える「老障介護」が広がっていると分析しています。

20121019rousyou_8.jpgきょうされんの藤井克徳 常務理事は、「地域で暮らすという国のスローガンは、家族負担によって成り立っている。障害者本人の収入確保とケアホームなどの整備を進め、自立した生活が送れる態勢を作ってほしい」と話しています。

20121019rousyou_9.jpg
以前から「老障介護」の問題について取材を続けてきました。経済的な基盤の弱さから自立できず、親への依存が強まる。さらに、その依存が長年続く中で、心理的にお互いが離れがたくなるという現実も見てきました。グループホームやケアホームもまだまだ足りず、取材した親から「私が子どもを看取りたい」という言葉を聞きました。親が子どもを看取ることを願ってしまう現実。家族依存が少しでも解消され、自立の道が早い時期から模索できる態勢作りが求められていると思います。

 

 

 

投稿者:森田拓志 | 投稿時間:06時00分
twitterにURLを送る facebookにURLを送る mixiにURLを送る ソーシャルブックマークについて
※NHKサイトを離れます。

トラックバック

■この記事へのトラックバック一覧

※トラックバックはありません

コメント

これを放置しておいて弱者保護社会と言えるのか?と思いました。我が子を看取りたいなんて、どんな共同体が言わせているのか?老母にこころの平安を与えれない社会なんて美しくもなんともない。

投稿日時:2012年10月21日 01時08分 | tamamusi

本来 必要とすべきところに制度が活用されていなくて
そうでない所で この制度が不正に利用されているのは
とても 問題がありますね ただこのような どちらかと言うと
性善説が通じないような もしくは 日本国内に特化した
ものであるとも 感じますね。
もっと必要とすべきところに適切に制度が利用できるように
そしてそうでない所には そうでないように
なかなか 実際に困っている 日本人には行き渡らずに
とても残念に思いますが やはり 島国が故に少し
世界を知らなすぎる面もあり お人好しというか
弱腰と世界で言われるのもわかりますね

投稿日時:2012年10月28日 17時14分 | humpty_dumpty

コメントの投稿

ページの一番上へ▲