2014年12月30日 (火)帰省で気遣う 親のこと


この年末年始にふるさとに帰省する人も多いのではないでしょうか。直近・平成22年の国勢調査によりますと結婚している40代の8割が親と離れて暮らしています。
実は、帰省は、高齢の親のちょっとした異変に気付き、生活環境などの改善につなげるチャンスです。帰省の際、親のどのような変化に注目すべきか、取材しました。
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【注意すべきポイントは?】
帰省した際に親のどのような変化に注目すべきか、高齢者の生活環境に詳しい高齢者生活福祉研究所の所長、加島守さんは「『以前はできていたが今回はできなくなっている』など、前回の帰省と何が違うかや、日頃見ることのない親の日常生活に注目する必要がある」と話していました。
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その上で、注目するポイントは以下の3点だと説明してくれました。

①動作の変化
②日常生活がおっくうになている
③物忘れがひどくなる ~認知症の疑い~

この3つのポイントについて詳しく説明していきます。

【①動作の変化】
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<テーブル・壁など支えに歩く>
立ち上がる際に、テーブルを手で押したり、テーブルや壁を支えにしながら歩くのは体力が低下しているサインです。
kisei3.jpg<壁に“手あか”も>
頻繁に支えにしている所には“手あか”がついていることもあるため壁やふすまなどを見てみましょう。

“ふらつき”病気の恐れも>
また、立った時、歩く時によろめくなど、“ふらつき”にも注意が必要です。
加島さんは「体力の低下だけでなく、脳梗塞が多少でもあると、余計にふらつく可能性が高くなるので頻繁にふらつく際は病院で受診する必要がある」と話していました。
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【②日常生活がおっくうに】
続いて、2つ目のポイントです。
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<洗った服や食器などを放置>
もともときれい好きだったのに洗った洋服を置きっぱなしにしていたり洗った食器を食器棚などにしまっていなかったり、また、買ってきたものをそのまま床に置きっぱなしにしていたりする。
kisei6.jpg<お風呂に入りたがらない>
お風呂が好きだったのに「汗をかいていない」「疲れている」など何かと理由をつけて入りたがらない。

こうした日常生活でおっくうがる場面が増えたら注意が必要です。

加島さんによると、例えば、高いところに収納するがつらくなった、足が痛くてしゃがめない、など体の衰えや痛みが原因の場合もありますが、もともときれい好きだった人がおっくうにすることが増えた場合、「老人性うつ」など精神面での疾患の疑いがあるということです。
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【③物忘れが目立つ ~認知症の疑い~】
そして、3つ目のポイントです。
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<同じものを何度も買う>
しょうゆや味噌など使いかけのものがいくつもあり同じものを何度も購入した形跡がある。
同じことを何度も聞いたり言ったりする、薬の飲み忘れが増えるなど、物忘れがひどくなっている。
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<“おふくろの味”変わる>
昔から食べなじんでいる“おふくろの味”が明らかに変わっている。
こうした変化は認知症の疑いもあり、「物忘れは年のせい」と流さないようにすることが大切です。
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【親の変化 どう対応?】
<身体面>
身体面で親の変化に気付いた場合は

▼室内の段差をなくす、
▼手すりをつける、
▼支えにしやすいように家具の配置をかえる、など

暮らしやすいよう住まいの環境を見直すことが大切です。高齢者の転倒は骨折につながり、重篤になりやすいからです。

<認知症の疑い>
また、認知症の疑いがある場合は専門医に早くかかる必要があります。認知症とひと言で言ってもアルツハイマー型や脳血管性など種類があり、薬や治療法が異なるからです。
また、認知症介護研究・研修東京センターの本間昭センター長は「本人の治療のためだけでなく自分の親が認知症であることを受け入れる時間も必要なため専門医に相談するのは早ければ早いほうがいい」と話していました。
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【気遣う心を大切に】
親の老いに気付いてもそれをどう伝えるか、相手に理解してもらうことも欠かせません。
“老い”は本人が一番感じていることなので、久しぶりに帰ってきて一方的に言われたら親も良い気分はしません。

まずは、会話の中で最近の体調を尋ね、本人や家族と今後の生活について話し合ってみてはいかがでしょうか。
誰もがいつかは直面する親の“老い”。今回の帰省は親が“年をとったな・・”と思うだけでなく、ぜひ変化に目を向けて、気遣うきっかけにしていただければと思います。

 

投稿者:清有美子 | 投稿時間:08時00分

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