2013年09月27日 (金)進化するえん下食 出来栄え競う大会


高齢化などで食べ物をかんだり飲みこんだりする機能が低下した人のための「えん下食」。これまで安全性が重視される傾向が強かったのですがもっと味や見た目で料理を楽しんでもらおうと工夫を凝らしたメニューのできばえを競う大会が東京で開かれました。どんなえん下食が出品されたのでしょうか。

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会場に並べられたおいしそうな料理の数々。これらはすべて「えん下食」です。えん下食はかつては安全性を優先するあまり味や見た目は二の次になっていました。しかし、最近はもっと食事を楽しみたいというニーズを受け工夫したえん下食が作られるようになっています。

enge20130927-2.jpg大会には、全国各地の病院や施設などでお年寄りに食事を提供している栄養士など80チームがおよそ130のメニューを出品し、このうち東京で開かれた決勝には8チームが進出しました。

enge20130927-3.jpg富山県の特別養護老人ホームは特産の「ほたるいか」の酢みそあえ、「ますずし」それに、「鯛のかまぼこ」の3品を出品しました。

enge2013927-4.jpg「ほたるいかの酢みそあえ」はゆでたほたるいかをだしとゼリーの素と一緒にミキサーにかけ混ぜます。

enge20130927-5.jpg本物のほたるいかを使って寒天で型をとった中に流し込んで固めると、本物そっくりに仕上がります。

enge20130927-6.jpg「ますずし」は、笹の上にゼラチンを入れたおかゆをしき、ゼリー状にしたますを入れて飲み込みやすい固さにします。

enge2013927-7.jpg仕上げには、はんぺんで細かな魚の筋も入れて本物に近づけました。

enge20130927-8.jpg管理栄養士の松長由美子さんは「えん下困難者の方に安全に食べてもらうこと。それを踏まえた上でおいしそうに、見た目がおいしそうと言うことを気をつけています」と話していました。

enge20130927-9.gif大会にはこのほか、函館名産の鮭や海老などをすり身とあえて刺身を再現した「海鮮丼」やはもの湯引きなど栄養や見た目にこだわった力作が出品されました。

enge20130927-10.jpgenge20130927-11.jpg審査員らは、おいしさと栄養価、また食べやすさなどを考慮しながら審査にあたっていました。

enge20130927-12.jpgその結果、グランプリには、滋賀県の病院が出品した近江牛や滋賀県名物の赤こんにゃくと麩を使った「すき焼き」が選ばれました。関西風のため、バーナーで焦げ目もつける工夫が施されています。富山県のチームは準グランプリでした。

enge20130927-13.gif今回参加した病院や施設では、きちんと医師などがお年寄りの飲み込む機能などを評価し、1人1人のレベルにあったえん下食を提供しているということで、調理法もただ刻んだり、ミキサーにかけてペースト状にするだけでなく、どう普通食に見た目を近づけることができるか工夫を重ねているということです。また特に地域の食材を使うことで、お年寄りも喜びが増し、昔話など会話もはずむということです。
 

えん下食に詳しい管理栄養士の金谷節子さんは、「えん下食で一番重要なのは、食べた人に、きょうこれを食べて本当に幸せだったね、生かされていてよかったねと思ってもらえることです。えん下食が今後も進化していくことを期待したいです」と話していました。

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投稿者:山本未果 | 投稿時間:06時00分

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