2013年06月21日 (金)ケアラーの支援フォーラム~地域で支えるには


「ケアラー」ということばを聞いたことがありますか?「ケアラー」とは、家族の介護や看護などをする人のことです。高齢化が進み、介護を必要とする人の数が増え続ける中、介護に追われる人たちのサポートも求められています。こうしたケアラーの支援について考えるフォーラムが都内で開かれ、孤立させずに地域で支える取り組みが紹介されました。 

20130621kaigosyaforam1.jpg



 

フォーラムは家族の介護や看護をしている人の支援団体「日本ケアラー連盟」が開き、介護者や支援者などおよそ100人が集まりました。

20130621-kaigosyaforam2.jpg

「日本ケアラー連盟」は、高齢者や障害者、病気の家族の介護や看護などを無償で行っている人を「ケアラー」と呼んでいます。ケアラーは家族の介護や看護などに追われ、自分のことになかなか気を配ることができず、知らず知らずのうちに心や体が弱ってしまう場合も多いということです。

フォーラムでは、岩手県花巻市の職員が、市が3年前から行っている在宅で介護する人への訪問相談を紹介し、▼介護者の24%に軽度か中度の抑うつの傾向があったため支援が必要と考え事業を始め、▼相談員は介護者の気持ちをくみ取るとともに、必要があれば関係機関につなぐ役割を果たしていると述べました。また、介護者からは「介護の負担をどこに相談したらいいかわからない」などの声が寄せられていると述べました。

20130621-kaigosyaforam3.jpg

また、北海道・栗山町の社会福祉協議会の担当者は、ケアラーに自分の心と体の健康に気を配ってもらおうと作成した手帳について話しました。この手帳にはケアラー自身が健康状態やストレスをチェックするリストや愚痴を書き込む欄、それに、気持ちが落ち込んだ時の対処法などが盛り込まれています。担当者は「手帳を配布しただけでは活用されないので保健師や民生委員などが定期的に訪問するためのツールとして使っている」と説明しました。

20130621kaigosyaforam4.jpg

さらに、さいたま市の社会福祉協議会の担当者は、「介護に入ると、介護に一生懸命になり自分の心身の不調に気づかなくなる場合が多いので、介護の大変な状況や心身の不調に本人や周りの支援者ができるだけ早く気づくことができる仕組みが必要だ。また、介護者が心を癒やしたりリセットしたりするために、介護から離れて介護者でいなくていい時間や場所を作ることが大切だ」と訴えました。

フォーラムを主催した「日本ケアラー連盟」の堀越栄子代表理事は、「自分から『困っている』と言う介護者は少ない。介護者がどのように困っているのか、行政が調査をしてニーズを把握した上で、介護者や支援者、行政の担当者などが集まって支援について話し合う場を設け、地域ぐるみで総合的な支援策を考えることが効果的だ」と話しています。

20130621kaigosyaforamu5.jpg

在宅での介護や看護は24時間続き、休みを取ることは難しいのが実情です。気づかないうちに心や体が疲弊し、病院に行きたくても時間もなく行くことができない人も多いといいます。生活が介護一色になり、仕事を辞めざるを得なくなるなど、社会から孤立してしまう人も少なくありません。大変だと感じても、周りとのつながりがなくSOSを発することができない人も多いと思います。ケアラーたちが集まって話をしたり、SNSでつながったりすると「『一人じゃないんだ』と思ってほっとする」という話をよく聞きます。支援を必要としている人たちとどのようにつながり、求めている支援をどのようにしていくのか。社会全体で早急に考えなければならないと思います。

 

 

  

投稿者:中村織恵 | 投稿時間:06時00分

トラックバック

■この記事へのトラックバック一覧

※トラックバックはありません

コメント

※コメントはありません

コメントの投稿

ページの一番上へ▲