2013年02月10日 (日)ケアマネ 医療を学ぶ


病気を抱えながら地域で暮らす高齢者が今後さらに増えると見込まれるため、適切な介護サービスの計画作成が求められる中、福祉の経験者が多いケアマネージャーに、医療の知識を学んでもらおうという講座が都内で開かれました。 

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【なぜ医療を学ぶのか】
国は、高齢者が病気になっても住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、医療と介護のサービスを一体的に提供する「地域包括ケアシステム」という仕組みを作ろうとしています。

20130130_keamane2.jpgしかし、お年寄りや家族の依頼を受けて、「ケアプラン」と呼ばれる介護サービスの計画を作成するケアマネージャーは、介護福祉士など福祉の経験者が多いため、「医療の知識不足で適切な計画になっていないケースがある」という指摘が専門家から出ています。
こうした状況を受けて、療養型の病院で作る「日本慢性期医療協会」が先月(1月)下旬、ケアマネージャー向けの医療の講座を初めて開き、全国からおよそ120人が参加しました。

20130130_keamane3.jpg【入院を防ぐことが大切】
この中で、講師を務めた訪問看護師の秋山正子さんは、高齢者は脱水や発熱、転倒などでしばしば緊急入院するが、ひとたび入院するとベッド上で筋力が衰えて寝たきりになり、病気は治っても自宅で暮らせなくなるケースが多いという実態を紹介しました。

20130130_keamane6.jpgその上で、「介護保険を利用して、看護師が定期的に訪問していれば、早めに異常に気付いて対処し、入院を防ぐことができる」と話しました。

20130130_keamane4.jpgまた、老年期の病気が専門の医師の池端幸彦さんは、▼高齢者の肺炎は高熱など典型的な症状が出にくく、▼貧血や低栄養の人は床づれになりやすいことなどを解説しました。池端さんは「持病の悪化などをできるだけ未然に防ごうという視点に立って、ケアプランを考える必要がある。医療と介護は“車の両輪”だと意識して欲しい」と訴えました。

20130130_keamane5.jpg参加した静岡県のケアマネージャーは「さまざまな病気がある人を担当する時に、必要な知識を学べて参考になった」と話していました。

【“地域包括ケア”の要】
ケアマネージャーは平成12年に介護保険制度が始まるのに伴い、新たに作られた資格です。当初は看護師出身の人が多かったものの、現在は介護など福祉系の仕事を経験して、資格を取った人たちがおよそ8割を占めています。医療的な知識や視点に欠けるという指摘があるのは、このためです。
高齢者(特に70代半ば以降)は病気になっても必ずしも典型的な症状が出ないことが多いため、体調や病状の悪化に気付いて入院を未然に防いだり、病院からの退院直後に経過を見守ったりするには、訪問看護師など医療者のサポートが必要です。特に自宅での看取りを望む場合は欠かせません。
知らない人も少なくないと思いますが、介護保険では看護師ほか、薬剤師や理学療法士など、さまざまな専門資格を持った人たちの訪問ケアを受けることができます。主治医と相談しながら、こうした医療系のサービスを適切にケアプランに組み込めるかがケアマネージャーの腕の見せどころなのです。

20130130_keamane7.jpg介護と医療のプロたちの力を上手にコーディネートして、お年寄りが住み慣れた地域で暮らせるよう支えることができるケアマネージャーが1人でも増えていって欲しいと思います。 

投稿者:本木孝明 | 投稿時間:06時00分

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