2012年09月21日 (金)介護職の腰痛を減らせ


介護現場で働く人の3人に1人が深刻な腰痛に悩んでいるという調査結果がまとまりました。5年以上と長期間悩んでいる人が多いというのです。離職の原因にもなっている腰痛。介護現場では、いま様々な腰痛対策が始まっています。どんなものなのでしょうか。

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札幌市の特別養護老人ホーム「大友恵愛園」。およそ200人のお年寄りが暮らしています。年々寝たきりの人が増える中、介護職員の大きな負担が食事や入浴のために行うベッドから車いすへの移動です。自分の体重より重い人を抱き上げることもあります。

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主任の佐藤正剛さんです。お年寄りを抱え上げる回数は、多い日には1日20回以上になります。佐藤さんは長年、腰痛に悩まされてきましたが、人手不足で思うように休むことができませんでした。オーバーワークが続いた3年前の夜勤明けの日、立てないほどの激しい腰痛に襲われ、ひと月近く入院しました。一人で歩けないほどの激しい痛みでした。

20120921kaigo_04.jpg佐藤さんは、「目の前に助けてくださいという お年寄りがいるのに腰が痛いから出来ませんというわけにはいかない。無理を重ねていった結果、腰への疲労が蓄積されていった」と話していました。

20120921kaigo_05.jpg全国の介護職員などで作る組合の調査でも腰痛が大きな問題となっています。3人に1人が深刻な腰痛に悩み、5年以上悩み続けているという人が最も多かったのです。

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日本介護クラフトユニオンの村上久美子部長は、「腰が痛くなって、気がついたらどうにもならなくて離職する方もいらっしゃいますので、予防ということが非常に重要だと思います」と話していました。

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佐藤さんが勤めるホームでは、対策をはじめました。去年、全国でも珍しい「腰痛休暇」を設けたのです。労災を申請した場合、労災と認められなくても15日間休めることにしたのです。佐藤裕光施設長は、「早期発見、早期治療が必要になるので、そのときに腰痛休暇がいきてくれればいい。安心して仕事が出来る環境を整えることが、離職を防ぎ人材確保にもつながる」と話しています。

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抜本的な対策に乗り出した施設もあります。埼玉県鴻巣市の特別養護老人ホーム「吹上苑」は、すべての部屋に介護用のリフトを設置し、『人が人を持ち上げない介護』を行っています。お年寄りを持ち上げるのは介護用のリフト。およそ2000万円をかけて60台を導入しました。

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導入前、ほとんどの職員が腰痛を訴えていましたが、今では腰痛に悩む職員はいなくなったといいます。妊娠中の職員や70代の職員もリフトを使ってお年寄りの移動ができるようになりました。

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関口敬子施設長は、「以前は腰痛もちで離職ということもあったんですが、いまは腰痛で離職ということはありえない。 一番つらい仕事がつらくなくなったのが大きい」と話していました。

20120921kaigo_14.jpg介護用のリフトの導入では、国も費用の半額、300万円を上限に助成する制度を設けていますが、介護施設は経営が厳しいところも多く導入は一部にとどまっているということです。助成制度については、各都道府県の労働局が窓口となっています。

 

 

投稿者:森田拓志 | 投稿時間:06時00分

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