2012年06月14日 (木)震災時の認知症ケアに必要なことは


震災などの非常時に、認知症の高齢者への支援をどのように進めるのかを考えるシンポジウムが先日、東京で開かれました。東日本大震災では、避難所での生活が続き、生活環境が大きく変わることで認知症の症状が重くなるケースが相次ぎました。ケアに何が必要なのでしょうか?

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シンポジウムは認知症に関する啓発活動を進めている「日本認知症コミュニケーション協議会」が開き、認知症の専門家の医師や被災地で患者の支援を行っているNPO、それに被災したグループホームの関係者などが参加しました。

このうち、津波で全壊した仙台市のグループホーム「なつぎ埜」の施設長、蓬田隆子さんは、個室のほか、入居者が共同で使う浴室、それに複数のトイレなどを備えたグループホーム型の「福祉仮設住宅」が作られたことについて講演しました。

IMGP1313.jpgのサムネイル画像去年8月からホームの入所者がこの福祉仮設住宅で暮らしていて、蓬田さんは「仮設住宅がグループホームのような作りになっていたうえ、仲間が一緒に入居したため、以前に近い環境で生活できるようになった。認知症の人たちもストレスが減り、周りとのトラブルがなくなっていった」と説明し、環境の変化に敏感な認知症の人たちにとって、震災前に近い環境を整えることの必要性を訴えていました。

続いて行われた意見交換では「認知症の人は知らない人が多く集まる避難所では混乱することがある」とか「地域の人たちの協力で個別に避難できる場所をあらかじめ確保しておくなど認知症の人たちを地域で支援する取り組みが必要だ」などという意見が出され、震災などの非常時には、専門職の人たちだけではなく、地域ぐるみで支える体制作りが不可欠だという意見が相次ぎました。

主催した日本認知症コミュニケーション協議会の渡辺光子理事長は「非常時には認知症の方々を専門職の人たちだけでは支えきれない。地域の協力が不可欠だという考え方をもっと広めていきたい」と話していました。

IMGP1259.jpgのサムネイル画像団体では、認知症の人に対する接し方などを学んでもらうため、3年前に認知症に関する検定試験制度を創設し、基礎的な知識を学ぶ検定だけでも、これまでに8000人あまりが受験しているということです。

投稿者:千田周平 | 投稿時間:06時00分

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