2017年07月06日 (木)運動のあとに乳製品を


※2017年5月17日に東海地方のローカルニュースで放送されました。

運動をしたあとにヨーグルトなどの乳製品を摂取すると、運動だけを行うより筋力が増加し、生活習慣病の改善や予防につながる可能性があるという研究結果を、中高年の健康づくりに取り組んできた信州大学の研究グループがまとめました。

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<どんな運動をすればよいか>
汗ばむ程度の速歩きと、ゆっくりとした歩きを3分ごとに繰り返す「インターバル速歩」と名付けられた運動があります。
健康作りに取り組む長野県松本市の中高年を中心に取り組む人が増えています。
undo_170517.3.jpg宮坂智子さんも、その1人です。
6年前から1日30分の「インターバル速歩」を、週に5回ほど行っています。


<運動後、すぐに乳製品>
undo_170517.5.jpg運動が終わったらすぐに牛乳やヨーグルトなどの乳製品をとっています。

undo_170517.6.jpg宮坂さんは「インターバル速歩に行って帰ってくると元気になって、スカッとして仕事でも家事でも頑張ろうという気持ちになります」と話しています。


<運動後に乳製品勧める理由は>
「インターバル速歩」の後、乳製品を摂ることを勧めている信州大学の能勢博教授です。
中高年の人たちの健康作りに取り組んできました。

undo_170517.7.jpg能勢教授は「乳製品を摂ると筋力がより上がって、生活習慣病のいろんな症状も改善することがわかってきました」と話します。


<効果が上がる摂取量は>

undo_170517.8.jpg能勢教授たちは半年以上「インターバル速歩」を続けていた55歳から75歳の女性37人を、3つのグループに分け、運動の直後に乳製品を摂ることの効果を調べました。

undo_170517.9.jpg「インターバル速歩」だけのグループ。
「インターバル速歩」の後、6ピースのチーズ1個、またはカップのヨーグルト1個を食べるグループ。
それに、「インターバル速歩」の後、チーズ1個とヨーグルト2個を食べるグループです。
それぞれ週4回、5か月間、続けてもらいました。
その結果です。

undo_170517.101.jpg乳製品を多く摂取したグループは、始める前に比べて、平均で8%筋力が増加していました。

undo_170517.11.jpgそして、このグループは生活習慣病につながる慢性の炎症反応を起こす2つの遺伝子が、それぞれ平均で29%と44%、活性化が抑制されていたということです。

undo_170517.12.jpg一方、速歩だけのグループと、乳製品の摂取が少なかったグループは、大きな効果が見られませんでした。


<”乳製品を多めに”>

undo_170517.13.jpg能勢教授は、運動後に乳製品を多めに摂ることで、生活習慣病の予防や改善につながる可能性があると考えています。

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undo_170517.15.jpg能勢教授は「そんなにたくさんとったら太るという人もいるかもしれないが、インターバル速歩で消費するエネルギーは200キロカロリーぐらい。乳製品も非常に安価で誰にでも手に入るもの。運動のあと、乳製品の摂取をきっちりとやることで生活習慣病の予防につながると思う」と話しています。


<どのくらいで効果が現れるか>

undo_170517.16.jpg運動の後、どのくらいの量の乳製品を摂ればよいのかというと、「たんぱく質」を10gから12g程度、摂るとよいということです。
これを、ややきついと感じる運動を1日15分行った後に摂取し、週に4日ほど2か月くらい続ければ、効果が期待できると能勢教授は話しています。

投稿者:松岡康子 | 投稿時間:16時50分

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