2015年06月10日 (水)子どもが飲みやすい形の薬を研究開始


病院で処方される薬のうち、子ども向けに作られたものが少ないことが長年問題となっています。そこで東京の国立成育医療研究センターでは子どもにとって飲みやすい形の薬の開発を促進する新たな研究施設を設置し、研究を始めました。
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病院で処方される医薬品を巡っては、製薬企業にとっては採算が取れないことなどから、当初から子ども向けに作られたものは少なく、幼い子どもにとっては飲みにくいものが多くなっています。そのため病院などでは薬剤師が大人向けに作られた錠剤をすり潰したり、カプセルから中身を取り出したりして、子どもでも服用できるよう薬の形を変えて処方しているのが実情です。

kusuri2015-2.jpgしかし、用量の調整を間違えると事故につながったり、中には、形を変えて処方すると光や湿度の影響で効果が失われてしまう薬もあり、医療現場からは、子ども向けにきちんと開発された薬の販売が期待されていますが、なかなか進んでいません。

例えば、平成2年に発売された代謝異常の治療薬は、もともと錠剤で、子どもに処方する際は水に溶かして使われていましたが、医療現場からの声を受けて、子どもでも飲みやすい液体の薬となって販売されるようになったのは、この薬の発売が始まってから23年後のおととしのことでした。これは形を変えてそのうえ子どもでも飲みやすくするためには特殊な工夫が必要で、製薬企業にとっては採算が取れないことなどが背景にあるためで、現状では、子ども向けに作られ販売される薬はごく一部にとどまっています。

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このため東京の国立成育医療研究センターは、専用の研究施設を作って、子どもが飲みやすく安全に使える薬の研究開発の促進に取り組むことになりました。この施設では、全国の小児科の専門病院から情報を集め、例えば、子どもが飲み込みにくい錠剤をどうやったら飲みやすい形にできるかや形を変えた場合の安全性や安定性について詳しく調査します。その上でそのデータを製薬会社に提供し飲みやすい薬の開発促進を目指す方針です。

kusuri2015-4.jpg医療機関が、院内で子どもが飲みやすい形の薬の研究開発を行うのは全国で初めてだということです。石川洋一薬剤部長は「子どもにとって病気を治せる薬があるのに服用しにくいというのは本当に残念です。現場の声を反映して、最も子どもの望む形の薬ができるよう研究していきたい」と話しています。

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投稿者:山本未果 | 投稿時間:08時00分

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