2015年01月21日 (水)へその緒から風疹ウイルス検出


生まれてくる赤ちゃんの耳や目、心臓などに障害が出る病気に「先天性風疹症候群」があります。妊娠初期の女性が風疹に感染することによって起こるものですが、生まれてから時間がたつと風疹が原因かどうかを調べる方法がないことが課題でした。そこに画期的な研究成果です。カギはへその緒にありました。
heso_20150121_1.jpg

岐阜市の可児佳代さんです。研究グループに、娘の「へその緒」を提供しました。
heso_20150121_2.jpg可児さんは、娘の妙子さんを妊娠中に風疹に感染。妙子さんは心臓の重い障害が原因で13年前に18歳の若さで亡くなりました。
heso_20150121_5.jpg先天性風疹症候群の対策を訴えてきた可児さん。診断技術向上につなげてほしいと、31年前のへその緒を提供することにしたのです。heso_20150121_6.jpg
可児さんは「娘に風疹による障害が出たことはとってもショックだった。自分が守ってあげられなかったということを後悔しているお母さんが多いので、そのためにも、なぜ難聴なのか、なぜ病気なのかわかる手立てになると思います」。
heso_20150121_7.jpgへその緒を調べたのは、国立成育医療研究センターの研究グループです。風疹ウイルスは、へその緒を通して妊婦から胎児に感染することから、ウイルスの遺伝子を検出できるのではないかと考えました。
heso_20150121_11.jpg
先天性風疹症候群と診断された6人のへその緒から遺伝情報を伝えるRNAを抽出したところ、すべてから風疹ウイルスの遺伝子が検出されたということです。へその緒は新しいもので生後3か月、最長で31年経っていました。
heso_20150121_12.jpgこれまでは、難聴などの症状が出ても、生まれてからしばらくたっていると風疹が原因かどうか調べる方法がありませんでした。へその緒から調べる方法が確立すれば、早期に診断することができ、将来的には、治療方法の開発にもつながると期待されます。
heso_20150121_13.jpgまた、先天性風疹症候群は来月から小児慢性特定疾患に指定され、症候群と診断された患者には医療費が補助されることになっていて、補助を受ける上でも今回の方法が役立つと期待されています。
heso_20150121_14.jpg研究グループの守本倫子医師は、「診断されていない先天性風疹症候群の患者は大勢いると思う。原因が分かるということはどういうことをすればいいか分かってくる。難聴などの原因が分からない患者に今回の検査法を使って診断することで、いろいろな社会的、医療的な支援につながるといいと思う」と話しています。
heso_20150121_15.jpg今回の研究結果について、へその緒を提供した可児さんは、先天性風疹症候群に苦しむ親子を救うことにつなげてほしいと期待を寄せています。
可児佳代さん「なんかこの子いっぱい病気を持っているわ、なんでだろうというお母さんの不安の解消の1つに、この検査がなれば。簡単に誰でも受けられるようになってもらえれば嬉しい」。
heso_20150121_8.jpg

投稿者:松岡康子 | 投稿時間:15時25分

トラックバック

■この記事へのトラックバック一覧

※トラックバックはありません

コメント

※コメントはありません

コメントの投稿

ページの一番上へ▲