2013年05月25日 (土)甘味料による食物アレルギー 全国で報告


消費者の低カロリー志向を受け、加工食品で砂糖などの代わりに広く使われている甘味料。その甘味料が原因で食物アレルギーになったとみられるケースが全国で30件余りにのぼっていることが明らかになりました。中には、呼吸困難など重い症状も報告されていて、消費者庁の担当者は「今後、アレルギー物質としての表示が必要かどうか、検討していくことになる」と話しています。

kannmi20130525-1.jpg

関西地方に住む28歳の女性です。ダイエットをしていた2年前、食事をした後に、突然、目が腫れ、全身にじんましんが出ました。

kannmi20130525-2.jpgこれまで食品ではアレルギー症状が出たことがなかった女性は、あわてて病院に行きましたが、原因は分かりません。しばらくたってようやく、疑わしい物質が浮かびました。診察した原田晋医師は女性の食事内容をチェックした結果、「エリスリトール」という甘味料が原因ではないかと考えました。

kannmi20130525-3.jpgエリスリトールとは甘味料の1つで、女性がよく飲んでいた低カロリー飲料に、含まれていました。砂糖と同じような甘みがあるにも関わらずカロリーが低く安全性も高いとして、様々な加工食品に使われています。

kannmi20130525-4.jpg女性は「牛乳とか卵とかよく知られた食品しかアレルギーにならないと思っていたので甘味料のアレルギーと聞いて驚きました」と話していました。

kannmi20130525-5.jpgその後、女性は加工食品を買い物をする際には原材料の表示を見てこの甘味料が使われていないか、気を付けていました。ところが半年後「低カロリー」のあんパンを食べたところ、再び激しいショック症状に襲われたのです。呼吸困難になり、一時、血圧も低下しました。女性が食べたあんぱんの原材料表示には「エリスリトール」は記載されていませんでした。しかし、メーカ-に問い合わせたところ、「あん」の成分に含まれていることが分かりました。

kannmi20130525-6.jpg女性は「気を付ける習慣は少なからず、ついていました。なのでアレルギーが出たときに見直したら、表示が書いてなかったのでどうして?という思いでした」と話していました。

kannmi20130525-7.jpgこうした、甘味料が原因のアレルギーの患者はどれくらいいるのか。国立病院機構相模原病院の海老澤元宏医師らのグループは、去年、食物アレルギーの患者を診療している全国の医師などに依頼して調査しました。

kannmi20130525-8.jpgその結果、甘味料による食物アレルギーか、その疑いがあると診断された人が33人いたことが分かりました。

kannmi20130525-9.jpg原因となった甘味料は、▼エリスリトールが15人、▼キシリトールが10人、▼ステビアが2人、などとなっています。

kannmi20130525-10.jpgこれらの甘味料は卵や小麦などのように、アレルギー物質として表示する義務はありません。また食品添加物に指定されていないエリスリトールなどは、含まれる量が少なかったり、女性が食べたあんパンのつぶあんのように加工されて使われていたりすると、原材料としての表示を省略される場合もあるのです。そのため、自分で原因となる食品を食べないよう注意することも難しいことがあります。

kannmi20130525-11.jpg海老澤医師は「昨今のダイエットブームで使われている食品の幅が広がっているのだと思います。表示されていないと繰り返し繰り返し症状が誘発されるので表示をちゃんとしていくことも被害を防ぐという意味で非常に重要だと考えています」と話していました。

kannmi20130525-12.jpgこの調査結果は食品表示を所管している消費者庁にも報告されています。消費者庁の担当者は、「内容を詳しく精査するとともに、患者の数などを見ながら、今後、アレルギー物質としての表示が必要かどうかについても検討していくことになるだろう」と話しています。また、表示の問題に加えて、このアレルギーは診断が難しいということも重要な課題です。簡単な皮膚テストなどでは見極めが難しく、検査方法が確立されているとはいえません。そのため、原因不明の症状として正しく診断されずに見逃されている患者も多いのではないかということです。医師も含めて、こうした甘味料によるアレルギーがあることを知り、理解を深めて、治療や予防につなげていく方策を考えていかなければいけないと思います。
           
           

投稿者:山本未果 | 投稿時間:06時00分

トラックバック

■この記事へのトラックバック一覧

※トラックバックはありません

コメント

※コメントはありません

コメントの投稿

ページの一番上へ▲

カテゴリー

新着記事

最近のコメント

最近のトラックバック