2013年02月19日 (火)骨貯金のススメ


皆さんご存じでしたか?実は、冬場は骨折が多い季節です。こちらは日本整形外科学会の骨粗鬆症委員会が、平成23年に起きた大腿骨近位部骨折(足の付け根部分の骨折)を調べた調査結果です。

20130219-hone2egg.jpgご覧のように冬場は特に骨折が多いことが分かります。寒さで筋肉がかたくなり、転倒しやすいことなどが原因だと言われています。こうした骨折を防ぐために、骨の量を増やして丈夫にするのが「骨貯金」です。きょうはこの骨貯金について詳しくお伝えします。

埼玉県加須市に住む加藤正一(かとうまさかず)さんは去年12月、自宅の階段で足を踏み外して転倒し、右足の付け根を骨折して骨を金属に取りかえる手術を受けました。

20130219-hone4egg.jpg加藤さんは言います。「ちょっと高いところから落ちたなっていう感じでまさか骨折とは思っていなかったです。意外と骨っていうのはもろいんだなというのが実感です」。

20130219-hone5egg.jpgところが、実は加藤さんの骨は折れやすい状態になっていました。こちらは、加藤さんの骨の量を示す「骨密度」の検査結果です。

20130219-hone6egg.jpg加藤さんの骨密度は成人平均の7割ほど。骨の中がすかすかになって折れやすくなる 「骨粗しょう症」に近い状態でした。診察した石橋英明(いしばし・ひであき)医師は、骨がもろくなる症状はもっと若い人たちにも見られると言います。

20130219-hone7egg.jpg「(骨折は)自分には関係ない、もっと年をとってからのことだろうと思っている人が多いんです。実際に骨の健康のためにアクションを起こす人が少ない、これが大きな問題です」と石橋医師。

20130219-hone8egg.jpg骨の中のカルシウムなどの量は年齢とともに変化します。20歳ごろがすでにピークで、あとは減っていき、じょじょに骨が弱くなっていきます。

20130219-hone9egg.jpgその対策が「骨貯金」です。骨によい食事と運動でピーク時の骨の量(=ピークボーンマス)を増やし、その後も量が減らないように努める「骨の貯金」が骨折を防ぐというのです。

20130219-hone11egg.jpg石橋医師は、骨貯金に最も適した時期は子どもの頃、特に成長期だといいます。「一番良いのは成長期。成長期に骨が増えていくときに 骨に良いことをするともっと骨が増えるんです」。

20130219-hone12egg.jpgこうした中、学校をあげて骨貯金に取り組んでいる小学校があります。群馬県の伊勢崎市立北小学校です。先月(1月)、6年生のクラスを取材しました。給食時間に、突然現れたのが、骨の着ぐるみを身につけたホネホネマンたちです。実は保健委員のメンバーです。「ホネホネ銀行コツコツ貯金に取り組んで下さい」と呼びかけるホネホネマンたち。

20130219-hone13egg.jpgこの学校で全校児童に配られるのが「骨の貯金通帳」です。カルシウムが豊富な海草や小魚を食べたり外で元気に遊んで骨に刺激を与えたり、骨によいことをしたら通帳の印に色をつけ貯金を増やしていきます。骨によいことを習慣にして、意識を変えていくことが骨貯金の目的です。

20130219-hone14egg.jpg取り組みを続ける女子生徒の一人が言いました。「家が団地なんですが、階段とエレベーターがあって最近は階段を使うようになりました」。

20130219-hone15egg.jpgこの学校が骨貯金の取り組みを始めて11年。牛乳の飲み残しは大幅に減ったそうです。

20130219-hone16egg.jpgまた家庭でも変化がありました。保護者の一人の声です。「息子が海藻のスープにはカルシウムが入っているんだよと話しながら食べるようになりました。自分の成長に何が欠かせないか、食への意識が変わりました」。

20130219-hone17egg.jpg成長期に最も効果的な骨貯金ですが、大人になってからも食事の工夫で効果的に骨貯金ができます。先月(1月)、埼玉県新座市で骨を健康にする料理教室が開かれ、その様子を取材しました。

20130219-hone19egg.jpg教室で伝えられたポイントは魚やキノコなどに含まれているビタミンDでした。骨を作るカルシウムは吸収率が低い栄養素ですが、ビタミンDを一緒に摂ると吸収がよくなります。この日のメニューはビタミンDを含む鮭に、カルシウムが豊富な菜花や粉チーズを添えたソテーでした。

20130219-hone20egg.jpg講師をつとめた管理栄養士の西川和美さんは、骨を作るカルシウムを手軽にとる方法があるといいます。米を炊くとき、米1合に対し、大さじ1杯のスキムミルクを一緒に入れて炊くだけ。毎日続けることで「骨貯金」ができるといいます。

20120219-hone23.jpg記者も試食しましたが、ミルクのにおいもなく牛乳が苦手な人にもおすすめでした。またビタミンDも簡単にとれる方法があるといいます。キーワードは日光浴。日中に15分ほど日光にあたるだけで体内にビタミンDが作られるというのです。紫外線が気になる人は、顔だけに日焼け止めをぬって、少し長めに日光にあたれば良いといいます。

20130219-hone23egg.jpgさらに、いくつになっても骨貯金ができ、効果が大きいのが骨を鍛える運動です。適度な負荷を与えると骨を作る細胞が活性化され、強い骨ができていくそうです。

20130219-hone24egg.jpg冒頭でご紹介した石橋医師が勧めるのが、いすと机を使ったスクワットです。下半身全体に効率よく負荷をかけることができます。足を肩幅より少し広く開き、手を机についたままゆっくりと深く腰を下ろし、またゆっくりと立ち上がります。この動作を10回繰り返し、1日3セット行うとよいということです。

20130219-hone25egg.jpg石橋医師はいいます。「子どものときから年をとるまでずっと生涯、骨の貯金は大事です」。

20130219-hone26egg.jpg毎日の生活の中で、運動や食事をする際、ちょっと気をつけることで取り入れられる「骨貯金」。長生きするだけでなく、骨折やその後の寝たきりを防ぎ、いつまでも自分の足で歩き、健康に長生きするために皆さんもきょうから「骨貯金」を始めてみませんか?   

                      

投稿者:伊達裕子 | 投稿時間:06時00分

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コメント

カルシウムパラドクスのことにも少しだけでも触れておいたほうがいいと思います。骨密度が下がったからといってカルシウムの錠剤を必要以上に(適量ならいいと思う、としておかないと業界に悪いですけど)体内に入れてしまって、血中のカルシウム濃度が上がり過ぎると、、、、逆効果もありうる、ということを聞かされています。

投稿日時:2013年02月19日 09時16分 | もも

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